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スキンケアの進化が止まらない。スキンケアブランドが発表して話題になっているのが、皮膚のpHバランスを自分でチェックできるツール。
今回は、ニキビケアにも効果が期待される、pHバランス測定ツールについて、UK版ウィメンズヘルスが専門家にASK!

スキンケアブランド「ラロッシュポゼ」が開発した肌のpH値を測定する「My Skin Track pH」は、肌にピタッと装着できる小さなセンサーで、2019年にCES(世界最大の家電・技術見本市)のイノベーションアワードを受賞。

腕にセンサーを装着してアプリをダウンロードすると、アプリがセンサーを通して情報を読み取る仕組み。この新しいテクノロジーによって、皮膚科専門医は、より的確なアドバイスや治療薬を処方できるようになる。特に、ニキビや酒さ(鼻や頬、顎あごなどが赤くなる症状)、湿疹に悩む人には非常に有益な可能性がある。

肌のpHバランスの測り方 

健康な肌のpH値は通常4.5〜5.5の弱酸性。外的要因や年齢などによりpHバランスが崩れると、炎症反応を起こし、乾燥や湿疹、アトピー性皮膚炎を引き起こす原因になる。

pH値がアルカリ性に傾くと、細菌の増殖を招き、ニキビを誘発する。自分の肌のpH値を知ることで、スキンケアの選び方がより明確になり、肌トラブルに対処したり解消することができようになる。

科学によるpH値の測り方

従来の測定方法は、ずっしりとした電子機器と大量の汗が必要だったけれど、現在では、ばんそうこうのような小さなパッチが微量の汗で正確なpH値を測定してくれるという。

腕の内側にセンサーを貼りつけて5〜15分ほど待つと、センサーは毛穴から出る微量の汗を検知してpH値を読み取る。アプリを開いてセンサーの写真を撮影すると、肌のpH値が測定される。

結果が出るとアプリはすぐに肌トラブルを分析し、あなたに合うおすすめのスキンケアアイテムを提案してくれる。この機能は、pHバランスを整え、適切な肌ケア方法を知るのに非常に役に立つ。

専門家の見解は?

専門家は、このpH値の測定器には問題点があると指摘。この新技術が結果に基づいておすすめしてくれるコスメは、ラロッシュポゼ製品限定。今後さまざまなブランドの製品も組み込まれる可能性は恐らくない。多くの企業が、化粧品のpH値の詳細を開示するのをためらう事実に加え、競合他社の製品を勧めないはず。

「スキンケア技術の進歩は素晴らしい」と言うのは、肌のエステティシャンでスキンケアショップ「Mortar & Milk」の共同創立者、パメラ・マーシャル。「しかし、消費者がこのような情報をどのように捉えることができるのか、わかりません。多くの人が、専門的な肌の機能について理解していないからです」

「消費者はもちろん、おすすめされたラロッシュポゼの製品を買うことはできますが、別のスキンケア製品を選ぶ際に、この知識をどのように生かせることができるのでしょう」と疑問をあらわにした。また、腕の内側と顔の肌は、さらされる外的要因やスキンケア製品が違うため、pH値が同一になるとは限らないことも指摘。

でも、消費者が皮膚科医に相談する際には、この情報は有益だとマーシャルは言う。「医師が、pH値の情報をもとに現在のあなたの肌に必要なものや、pH値に関連する皮膚病を特定することができれば、非常に役に立ちます」

ラロッシュポゼは、誰もが気軽に皮膚科専門医の診断を受けることができない実態を主張し、全ての人の手助けがしたいとコメント。

「私たちのミッションは、消費者が自分で肌の状態を管理できるように教え導くことです。イギリスで皮膚科専門医にかかることができるのは、人口のたった2%にすぎません。肌の状態を自分で判断し、的確なスキンケアやpHバランスを整える習慣を身につけられるようにすることが、ラロッシュポゼが掲げている目標です」

「My Skin Track pH」は、今年全米のラロッシュポゼ提携皮膚科医を通して導入されるそう。新たなリサーチを重ね、最終的には消費者に直結届けられるようにする予定とのこと。

ニキビや酒さ、湿疹を改善するこの画期的な方法は、かかりつけの皮膚科専門医がない人にとっては、非常にうれしいテクノロジーの進歩と言えるのかもしれない。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Lydia House Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。