せっかくやってきた金曜日。体重と健康にダメージを与えずに週末を楽しく過ごすには?
日曜の夜の恐怖。それは明日から仕事に戻ることに対する不安ではなく、体重が2日で1kgも増えたことに気付いた瞬間に訪れる。これは誰にでも起こり得ること。公共ポリシーとマーケティングに関する専門誌が発表した研究によると、人は毎週末、平均419kcalも多くカロリーを摂取する。
でも、せっかくの週末をカロリー計算に費やしたい人なんていない。最終日にベルトを緩めることなく気分を緩める方法は?
金曜日 午後6時
週末の破壊者: 仕事帰りのお酒
「ハッピーアワーのお酒とバーの食事で1,000kcal」 と語るのは、カリフォルニア大学人間栄養学センター副センター長のスーザン・ボワーマン博士。「アルコールは食欲を促し、抑制力を弱めるので、目の前にある物なら何にでも手を付けることになる」。確かに、ナッツのお皿にはいつも誰かが手を付けている。飲み終わった後のケバブの影響は言うまでもない。
ダメージコントロール
- どれだけのカロリーを消費しているかのリマインダーがもらえれば、飲む量が減ることを示す研究がある。ゴミに出される瓶やライム、カクテルを飾る傘の数も減る。
- バーテンダーが注ぎすぎないようにボトル入りのドリンクを頼むか、一杯分の量を把握するために家で計量するか。
- ワインやライトビール (一杯で平均100~125kcal)、モヒート (150kcal)、ウォッカトニック (170kcal) といったカロリーの少ないものだけを飲むこと。
- 背の高いスレンダーなグラスで飲むこと。消費者リサーチ誌掲載の研究によれば、短くて太ったグラスでは飲酒量が増える。
- キッチンから離れて、食欲をそそる匂いを避けること。出掛ける前にヘルシーで満腹感のある夕食を取る努力をしよう。オフィスから直行するなら、エビのグリル (1匹で約30kcal、脂肪0.3g) かマルガリータピザを一切れ (100kcal、脂肪6g) 。
土曜日 午前10時
週末の破壊者: 寝坊
目覚ましも鳴らなければ、ストレスフルな通勤もない。朝食までなくて、正午に大食い。「お昼まで食べずにいたら、お腹が空きすぎて2食分いけるように感じる」 とボワーマン博士は警告する。「通常、朝食は一日で最もカロリーの少ない食事。早朝の300kcalをスキップして、後で600kcalも摂取していたらダイエットは成功しない」。たぶん、消化器官も喜ばない。
ダメージコントロール
- 何時に起きてもまず食べること。ボワーマン博士いわく 「食べることで代謝が活性化し、カロリーの消費が加速する」。
- コーヒー (または緑茶) を飲む。カフェインは中枢神経系を刺激するので、ジャワティー1杯で1日100kcalの削減が可能。
- ここで嬉しいニュースを一つ。朝食後に小さなデザートを食べると、空腹ホルモンのグレリン値が下がり、ダイエットに効果があることを明らかにした研究がある。無脂肪のヨーグルトにブルーベリーを加えて食べてみよう。
食べながらクラシックFMをかけて。モーツァルトを聞くと、食べるスピードも量も減ることが実証されている。
土曜日 正午~午後7時
週末の破壊者: ホリデー感覚
ボストンのブリガム女性病院の栄養科長キャシー・マクマヌスによると、「一定のタイミングで食べることに胃が慣れていれば、特定のものを食べ続けることが楽になる」。週末にいつもの習慣を破ってしまうと落とし穴にはまりかねない。ボワーマン博士は、「週末にはホリデーのような感覚で自分を甘やかしてしまうものだけど、その週末が年に1回どころか52回もやってくるのが問題」 だと指摘する。
ダメージコントロール
- いつもの習慣に従うのが賢明だけど、実際に可能かは分からない。「従わないのであれば、それを認識すること」 と語るのは、栄養エキスパートで作家のフィリップ・ウィークス。「計画的なご褒美デーは、完全な失敗を防いでくれる。しかも、食べたいものを食べる日を作れば食欲抑制ホルモンのレプチンを補えるので、代謝が加速しダイエットがより効果的になる」。これは、週に5日は普通に食べて2日はコントロールするという5:2ダイエットのベースにある考え方。
- 見えなければ考えない。米国コーネル大学の行動栄養科学エキスパート、ブライアン・ワンシンク教授が行った研究では、お菓子の入ったボウルが2m先にある時の従業員のカロリー摂取量は、ボウルが目の前にある場合に比べて125kcal少ないことが明らかとなった。チョコレートやチップスは手の届きにくい棚に隠しておこう。
日曜日 午後2時
週末の破壊者: 午後の映画
ライアン・ゴズリングの胸元は確かに魅力的だけど、気を取られすぎないで。ボワーマン博士いわく 「スクリーンに夢中になっていると、食べているものにまで気が行かない。知らぬ間に、何百キロカロリーにもなる巨大な甘いポップコーンを完食している」。決して誇張ではない。ラージサイズの甘いポップコーンには、カレーとビール2杯分に匹敵する最大1,800kcalものカロリーが含まれる。ここに約400kcalにもなる特大サイズのコーラが加わるんだから、大きいのはスクリーンだけじゃないのも当然。
ダメージコントロール
- 売店では一番小さなサイズ、できればキッズサイズを選ぶこと。コーネル大学の研究チームが映画に行く人々に異なるサイズのポップコーンを与えたところ、ラージサイズをもらった人々はミディアムサイズを手にした人々の約2倍の量を食べた。映画を観ながら食べる量に気を配るのは難しい。
- 予告編はスキップすること。ぼんやりと食べる時間が20分ほど増えてしまう。本編にギリギリ間に合う時間に行けば、カウンターで甘いものを探すこともない。
- できれば果肉入りのジュースを頼もう。果肉に含まれる食物繊維は体が処理しやすいので、満腹感が持続する。
日曜日 夜6時
週末の破壊者: “料理したくない” 症候群
とある研究結果によると、自炊の代わりに外食をすると、一日のカロリー摂取量が平均144kca増加する。当然ながら、最も外食が多いのは週末の夜。もちろん、あのホットな彼とのデートを諦めろと言うつもりはないけれど……。
ダメージコントロール
このレストランサバイバルガイドを参考にして。
- パンのバスケットをオリーブに替えて。ウィークスによれば、「オリーブは、胃の中でタンパク質を分解する塩酸の生成を促進する」 そう。
- 前菜にはスープを。出汁から作ったスープを1日2杯飲むとお腹がいっぱいになり、ダイエット参加者が2倍の減量に成功したとする研究がある。
- メインには、噛むのに時間がかかるステーキを。
- 最後にコーヒーを頼み、デザートをシェアする。カフェインが食欲を閉じ込め、プリンが満足感を与えてくれる。
どうしても食べたいものがあるなら、できるだけ加工されていない状態で。例えば、ポテトチップスの代わりに皮付きのベイクドポテトを頼めば脂肪摂取量を抑えられる。以上! さあ、新たな一週間の始まり始まり……。
Text: Brittany Risher Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images