初心者向け! 挫折しないランニングの始め方
ただ立ち上がって走り出すのがランニングを始める一番の方法でしょ? まあ、そう焦らずに。1日30分、週5日の運動を....
ただ立ち上がって走り出すのがランニングを始める一番の方法でしょ? まあ、そう焦らずに。1日30分、週5日の運動を最低でも6週間続けていない人は、中強度のウォーキングから始めるのがベスト。
「しばらくエクササイズをしていない人が、いきなりランニングを始めるのはおすすめできない」 と語るのは、南カルフォルニア大学アーノルド公共衛生学部の運動科学・疫学・生物統計学教授スティーヴン・N・ブレア。「規則的なエクササイズ習慣を身に付けるのが先」
これで骨、筋肉、腱といったランナーには不可欠の土台を痛めることなく、快適に走り始めるために必要な体力作りができる。
野心的なランナーの中には、“歩く” のを不正行為や諦めのように捉え、本当のエクササイズとは呼べないと言って拒絶する人が多い。でも、これから運動を始めるほとんどの人にとって、ウォーキングは理想的なエクササイズ。お金がかからず時間と場所を問わない上に、特別なスキルも高価な会員証や器具もいらない (いいシューズだけは必要!) 。
そして、長時間のエクササイズとカロリーの消費を促進するのは、意外なことにウォーキングを間に挟んだランニング (ウォークブレイク)。
オンラインランニングトレーニング『RunnersConnect』の創設者ジェフ・ゴーデッテによると、「運動を20分続けられる体と60分続けられる体の違いを作るのは、ウォークブレイクと言えるかもしれない。循環器系にいいだけでなく、ランニングには人々を誘い込む数々の大きなメリットがある」
このウォークブレイクこそが、走りに耐えうる体を作る最も簡単な方法。心の準備が出来たなら、以下のステップでトレーニングを始めてみよう。
Text: Jennifer Van Allen, Bart Yasso, And Amby Burfoot Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images
歩きはじめる
定期的にエクササイズを行う習慣を身に付け、ランニング人生の基礎を作ってくれるのが、ランニングコーチで運動生理学者のジャネット・ハミルトンが考案した7週間の『スタートウォーキング』プラン。このプランに従えば、1週間で最大150分もの運動が可能に (30分ずつを週5日)。これは、糖尿病・心臓疾患・脳卒中を防ぎ、血糖とコレステロールの値を下げ、活力を増進し、鬱や不安を改善するために米スポーツ医学会が推奨している運動量。
ポイントは、ブレアが言うところの 「レースに出るほど速くなく、ウィンドウショッピングほど遅くない」 早歩きをすること。サイクリングマシンやエリプティカルに時間を充ててもいいけれど、ランニングの土台作りにベストなのはウォーキング。「自分に合っていることが大切。最高のエクササイズとは、一貫して続けられ、生活にうまく取り込めるものだから」
プランの長さ: 7週間
ワークアウト回数: 週4回
最初のワークアウト時間: 15分
目標のワークアウト時間: 60分
秘策: ワークアウトに避ける時間が短いなら、その週で最も長いワークアウトを二分すれば同じ効果が得られる。
小さなアクティビティをこっそり混ぜる
日常生活のあちこちにちょっとしたアクティビティを取り入れて、いつものエクササイズに弾みを付けよう。
ハミルトンは、会社のロビーを15分歩き、入り口から一番離れた場所に車を止め、エレベータの代わりに階段を使い、1時間ごとに立ち上がって歩き回るようにアラームをセットすれば基礎体力作りに役立つという。椅子に座る代わりに、スタンディングデスクで立ちながら仕事をすることも正しい道への第一歩。
身体活動学専門誌が発表した研究では、8時間のデスク作業を立って行えば、座っている時に比べてカロリーが163kcal多く消費できることを示しているそう。2011年6月発行の行動栄養学・身体活動学の国際専門誌に掲載された実験においては、1日8時間勤務の人が1時間ごとにウォーキングを行った結果、1回のウォーキング時間が5分の場合は24kcal、10分の場合は59kcal、15分の場合は132kcalのカロリーが1日に消費されたんだとか。時間と共に積み重なれば、ダイエットに十分影響を及ぼす数字。
走り出す
定期的に運動する習慣がすでに身に付いていれば、ランニングを開始し、ランニングとウォーキングを混ぜたワークアウトに移る準備はできている。走れば動きが速くなるので、ワークアウトの時間を増やすことなく長い距離がカバーできるのは嬉しい。7週間後には、1週間で175分のワークアウトをこなし、ウォーキングの約2倍の時間をランニングに費やしているはず。
準備は万端? 少なくとも2週間、週150分以上 (週5日約30分ずつ) のウォーキングかその他のエクササイズ (サイクリングマシンやエリプティカル) をやってきたなら大丈夫。
プランの長さ: 7週間
ワークアウト回数: 週4~5回
最初のワークアウト: ランニングとウォーキングを1:4の比率で行う20分のワークアウト
目標のワークアウト: ランニングとウォーキングを2:1の比率で行う60分のワークアウト
秘策: ワークアウトの所要時間は変えず、ウォーキングの比率を少しずつ上げていけば難易度がアップ
辛抱強く
エクササイズを始めることによるメリットの多くは、鏡や体重計の数字に現れない。
誰だって今すぐ体重を減らし、長距離を速く走りたいもの。運動に一貫性を持たせれば体重は減るものだけど、速く長く走るための筋肉、靭帯、腱を整えるには時間がかかる。
ランニングによって毛細血管 (酸素を供給し、老廃物を細胞の内と外へ送り出す細い血管)、ミトコンドリア (細胞内のエネルギー生成機能)、そして脂肪を燃料として使うのに役立つ酵素の量が増加する。また、足が地面を蹴る度に、骨の成長が刺激され強度と密度が増すという利点もある。
辛抱が足りないと、不適切な距離を速く走りすぎて体の使い過ぎによるけがをし、「ランニングは体に悪いんだ」 なんて言う羽目になる。
脳を鍛える
数週間経てば、エクササイズで気分が良くなるという話が信じられるようになってくる。それでも、最初のうちは行動に移すのが大変。自分の意志だけではどうにもならないことも。
そんな時にはプランを立てよう。モチベーションを高める音楽を聴きながら、ワークアウトに最適な時間帯と、立ち上がって外に出る気にさせてくれるご褒美を選ぶ。完成したプランは、洗面台の鏡といった目に付く場所に貼っておく。最適な時間帯が朝なら元気の出るプレイリストを用意し、終了後は温かいシャワーをのんびり浴びることをご褒美にすればいい。
体と心に走る時間だと伝えるためのウォームアップエクササイズを決めて、毎回欠かさず行うのも大事。毎日同じ時間に出掛け、トレーニングウェアをベッドの隣に置いて眠り、ワークアウト前はワークアウト中と同じ音楽を聴く習慣を付けよう。ワークアウト直後は熱いシャワーやスムージーといった心から楽しめるもので自分を喜ばせてあげれば、脳がエクササイズと報酬を結び付けるようになる。
必要に迫られる前に休憩をとる
一度快適に走り出すと、ウォーキングに切り替える必要がないように思える。でも、必要に迫られる前にウォーキングを挟んで、疲労や走りすぎを防ぐことが大切。その日予定した通りの一定の間隔でウォークブレイクを取れば、元気いっぱいの状態でワークアウトが終えられる。
※この記事はジェニファー・ヴァン・アレン、バート・ヤッソ、アンビー・バーフットによって書かれ、ウィメンズヘルスのパートナーRodale Wellnessの許可のもと掲載されています。