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エクササイズをする前から自分でマッサージ? 2人の人気パーソナルトレーナーが、フォームローラーを最初に使うことのメリットを教えてくれた。

2016~2017年の間に、グーグルでの検索回数が40パーセントも上昇したフォームローラーは、アスリート専用の習慣から、一般のランナーやワークアウト仲間の間でも広く使われるアイテムに急浮上。

筋肉を包む筋膜を緊張から解放する(筋膜リリース)という恩恵を受けるべく、フォームローラーを優先事項にする人が増えている模様。

ワークアウトのスケジュールがハードになれば、リカバリーもハードになる。だから、フォームローラーをワークアウトの一環にするか、少なくとも “もっとするべきこと” リストの上位に加える人がほとんど。

欧米の人気ジムでは、フォームローラーに特化したクラスまで見受けられるほど。

でも、セルフマッサージ(=拷問)に充てる時間が確保できたとしても、フォームローラーをクールダウンやリカバリーにしか使っていないのでは?

ロンドンで活躍する2人のパーソナルトレーナーに話を聞いたところ、両者ともワークアウト前にフォームローラーを使うのが大好きだという。どうしてだろう?

可動性と怪我

ワークアウト前にフォームローラーを使うことの最大のメリットは、ワークアウトに必要な可動性が高まること。

ダイナミック・ストレッチすら始めていない段階で(またはいきなりワークアウトを始める前に)フォームローラーを使うことで、筋肉を始動させ、関節を温められる。

フィットネスクラブThe Workshop Gymnasiumの設立者、リー・ムリンズによると、「準備運動や可動性エクササイズを行っていないと、ワークアウトでの動きの質が落ちてしまう。これがパフォーマンスの低下や、怪我のリスクの上昇につながる」

ロンドンのフィットネスクラブThe Third Spaceでトレーナー育成開発リーダーを務めるルーク・ウォージントンが、さらに詳しく教えてくれた。

(フォームローラーを使うと)筋肉にある “機械受容器” の刺激が 「体をリラックスさせて、組織の可鍛性(衝撃に強くフレキシブル)と伸張性を高めるので、結果的に可動域が広がる」

これが顕著に現れるのはスクワット。事前のフォームローラーは地味かもしれないけれど、お尻はきっと人目を引くようになるはず。

血行と筋肉づくり

怪我の防止は大事なんだろうけれど、引き締まった筋肉を作ることほど魅力的じゃないと思ってるでしょ? 実は、ここでもワークアウト前のフォームローラーが効果を発揮する。

正しい筋肉がアクティブじゃないと、求める結果を得るために四苦八苦する。可動性と筋肉への血行が良くなれば、正しい筋肉が正しく使えるようになる。

ルークによれば、(フォームローラーによって) 筋肉から緊張を取り除くと、トレーニングの開始と共に正しい筋肉を始動させる能力が高まる。「優先的に鍛えたい筋肉、例えば臀筋や体幹のように使うのが難しいを始動させるには、この緊張の低下が重要」

転がすべき場所

硬いと感じる部位を優先的に。でも、重点的にフォームローラーを使うべき部位もある。

●胸椎(上背): 1日の大半をデスクに座って過ごすなら、胸椎の可動性不足に悩まされる可能性が高い。そのままでは、肩の健康に悪影響を与えかねない。

●ヒラメ筋/腓腹筋 (ふくらはぎの筋肉): 膝や腰の怪我の多くは足首の可動性不足に関連するので、ふくらはぎの筋肉を伸ばすことで下半身の怪我のリスクを下げられる。

●有酸素運動をたくさんするなら、大腿四頭筋の筋肉に気を配るべき。

フォームローラーはワークアウトの後より前に使った方がいいの?

ルークもリーも、これにはイエス。ワークアウトの前と後、両方で使うのが理想的。

ワークアウト前は可動性を高め、ワークアウトの効果を最大限に引き出すため。ワークアウト後は、ハードなセッションによって高ぶった神経系を再び落ち着かせるため。

※この記事はUK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Francesca Menato Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images