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普通に息をしていると思ったら、次の瞬間……ヒック! 突如として、あなたがに訪れるこの厄介な呼吸障害を止める方法をご紹介。医師が明かすベストテクニックとは?

しゃっくりは大抵“どこからともなく”やってくるものだけど、アレックス・ロハー医学博士は、横隔膜が不随意痙攣を起こすと同時に声帯の隙間を閉じ、あのヘンテコで特徴的な“ヒック”という音を出しているのには実は理由があると言う。「食べ過ぎ、胃酸の逆流、アルコールか炭酸飲料の摂取、または感情的なストレスがしゃっくりを引き起こすんだ」

しゃっくりにはひどくイライラさせられるけど、ロハー博士いわく治療を必要とするケースはほとんどなく、普通は短時間のうちに止まるそう。

トリガーポイント療法を専門とするミシェル・M・マコンバー医学博士は、この煩わしいしゃっくりを素早く止めるための方法をいくつか発見し、何年も実践してきたという。スプーンや歯ブラシの持ち手で口蓋垂(喉の入り口あたり)を優しくつつく。乾いたパンをひと切れ飲みこむ。大きなスプーン一杯の砂糖を飲み込む。逆さまの状態で水を飲む。実はこれらの方法には共通の原理がある

「口蓋垂を押すことで、そこにちょっとしたトリガーポイント療法を施していることになるの。熱心にやりすぎて傷付けないように、とても優しく押すこと。通常しゃっくりと呼ばれる横隔膜の反射痙攣を落ち着かせる効果が見られるはず」

ちなみに、フロリダ州レイクメアリーの総合内科医であるファイサル・タワブ医学博士によれば、ビックリすればしゃっくりが止まるという説に確かな証拠はないそう。とは言ったものの、ビックリすることでしゃっくりから意識が逸れるので、体と横隔膜自体がリラックスできるそう。タワブ博士は、横隔膜痙攣が3時間以上続くようなら医師に相談することを勧めている。

さらに、頑固なしゃっくりに使える処方薬もある。デイヴィッド・グリューナー医学博士は、毎日1時間以上しゃっくりが続いた場合、または48時間以上しゃっくりが続いた場合には、どんな薬が良いか医師のアドバイスを仰ぐよう促している。ユタ州立大学ヘルスケアセンターの救命救急で働く臨床薬剤師コール・スロアンは、よく使われる薬の一種としてクロルプロマジンを挙げる。

米国国立医学図書館によると、この薬は精神病性障害や統合失調症、そして双極性障害をもつ躁病患者の治療に使われるのが一般的なんだそう。しかし、クロルプロマジンは万病を治癒するものではなく、めまいや認知症の悪化といった深刻な副作用を伴うとスロアンは警告する。しゃっくりに使用できる他の薬には、胃の中の特定の酸(ガンマアミノ酪酸またはGABA)を強め、横隔膜の興奮を抑えるガバペンチンがある。

でも、大切なのは処方箋に飛びつくのではなく、医師にしっかり自分の状態を伝えること。ロハー博士が言うように、長期的なしゃっくり(3時間以上)は、外傷性脳損傷、腫瘍、髄膜炎や多発性漿膜炎が原因で引き起こされているというレアなケースもある。

http://www.womenshealthmag.com/health/how-to-get-rid-of-hiccups

Text: Hilary Sheinbaum Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images