寒い冬の訪れとともに、悩まされうのが肌の乾燥。気温が下がると腕や脚がカサカサして、どれだけ保湿クリームを塗っても潤わないし、ひじのカサつきやささくれにも悩まされる。皮膚科専門医でスキンケアクリニック「Inner Soul」設立者のエマ・コールマンも、「夏よりも空気が冷たく乾燥する冬は、肌にとって最もつらい季節」だと言う。
そこで、UK版ウィメンズヘルスは乾燥肌と決別するための方法を徹底調査。
乾燥肌とは?
コールマン医師いわく「乾燥肌とは、皮膚が乾燥し水分を失った状態のこと。この水分不足が原因で、ひび割れが起きたり、皮膚が剥けたりうろこ状になったりする。乾燥肌が進行するとアトピー性皮膚炎(湿疹)になり、炎症、かゆみ、腫れ、赤みが出ることも。最もアトピー性皮膚炎になりやすいのは、膝の裏とひじの内側」
アトピー性皮膚炎が疑われる場合には、医師の診察を受けるべき。
乾燥肌の原因は?
冬の寒さが主な原因なのは確かだけれど、以下の要素もドライスキンの発症に関係している。
● 体が脱水状態
● 遺伝
● 香り付きのスキンケア商品
● 集中暖房システム(セントラルヒーティング)
● ニキビ治療薬(イソトレチノイン内服薬)
では、部位別の乾燥肌対策を見てみよう。
顔
冬はいつも以上に顔が乾燥してつっぱるけれど、肌を潤すためにできることはたくさんある。
コールマン医師によると、「しっとりと潤った肌をキープするために一番大切なのは、水をたっぷり飲むこと。人間には、さまざまな理由で常に水分を補給する必要があるけれど、肌を健康に保つのもその理由のひとつ。体の内側を潤しておけば、外側の皮膚も潤う」
水分補給と同じだけ大切なのが効果的なスキンケア。「メーク落としには肌を乾燥させにくいバームを使い、洗顔後に美容液とオイルを使えば、肌が潤いを保ちやすくなる。おすすめの成分はビタミンE、ローズヒップ、スクアラン。分子が小さいので肌にスッと吸収される」
目のまわり
「目のまわりの皮膚は、顔の他の部分よりだいぶ薄いので、乾燥しているのが分かりやすい」と話すのは、スキンケアブランド「Caudalie」の研究開発部門長、パトリシア・マニシエール。「目のまわりには皮脂腺が少ないため、皮脂膜が薄くて皮膚が乾燥しやすい。毎日たっぷり水を飲み(最低でも1日グラス8杯分)、保湿力の高いアイクリームを朝晩使い、微小循環(毛細血管などの細い血管内の血の流れ)をよくすること」
唇
マニシエールは「唇は皮膚が特に薄いうえに、日常的に酷使されているので、頻繁に保湿して守ってあげることが不可欠。唇をなめるとスーッと乾いていく感じがするのは、実際に唇から水が蒸発しているから」と話す。
ひび割れた冷たい唇を潤すには、脂質を含む商品(保湿力が最も高いリップバーム)を使うのがベストだとか。
手
乾燥肌は、手に見られることが特に多い。コールマン医師の話では、「ほとんどの場合、手の乾燥は環境要因によって引き起こされるもの。例えば、刺激の強い化学物質を使ったハンドソープで頻繁に手を洗うと、皮膚から天然の油分が剝ぎ取られることもある」。手を洗うたびに質の高い保湿液を使えば、皮膚を乾燥から守れる。
「症状がひどいなら、光療法を検討してみて」とコールマン医師。「紫外線で皮膚の自己回復を助ける療法で、湿疹が出たときにも使われることがある」
体
コールマン医師によると、「放っておかれがちな脚の皮膚が乾燥するのもよくあること」。フェイシャルケアは毎日するのに、脚のケアはめったにしないという人も多いのでは。
「脚のドライスキンを早く治したければ、入浴習慣を見直してみて。特に乾燥がひどい人は、シャワーを長くても10~15分にして。熱いお湯は皮膚の乾燥を悪化させるだけなので、ぬるま湯を使うこと」
次に見直すべきは、浴室内のアイテム。「乾燥肌に悩んでいるなら、刺激の強いものではなく、pH値を安定させるボディーソープを使おう。時折の角質ケアは役に立つかもしれないけれど、あまり頻繁にやりすぎるのはダメ。入浴後は、オーツ麦などの成分を含む肌にやさしい香料不使用の保湿液で、乾いた肌をしっとりさせてあげて」とコールマン医師はアドバイスする。
Text: Roberta Lister Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images
2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。