小さなステップから始める大問題の解決。その内容をアメリカ版「ウィメンズヘルス」からご紹介。
地球を守るなんて、億劫だし気が滅入る。たった一人の人間に何ができるか疑問に思うかもしれない。でも、小さな変化を至る所で起こせば、大きな結果が得られるかもしれない。環境に変化をもたらすために、今日からはじめられる現実的な方法は?
地球にやさしいものを食べる
食物の栽培、製造、輸送、梱包における温室効果ガス排出量は、全体の約3分の1に相当する。この負荷を軽減するには、その時期にその地域で採れるものを食べ、肉、特に牛肉の消費を控えること。動物の飼育には植物の栽培よりもはるかに多くのエネルギーが必要で、メタンを大量に発生する牛は温室効果ガスの大きな要因 (そう、原因はオナラ)。食品廃棄物との戦いも不可避。世界の食料の約32%は消費されずに捨てられる。つまり、その食料のために使われた資源も一緒に無駄になる。毎週、スープやフリッタータなど “冷蔵庫の食材を使い切る料理” を一品作るようにしよう。
地球にやさしい買い物をする
「(環境にやさしい商品を買うことは、想像以上に) 大きなインパクトを与える。より多くの人が代替品を求めているというシグナルを経済界に送ることができるから」 と語るのは、『An Inconvenient Sequel: Truth to Power』を執筆した前米国副大統領で温暖化対策活動家のアル・ゴア。貯金も環境にやさしく。The Sierra ClubとThe Nature Conservancyは、利息に支払われた一部が環境保護活動に利用されるビザカードを発行している。
自転車に乗る
平均的な車は1.5kmにつき約450gの二酸化炭素を排出する。地元の自転車シェアリングを活用して、週に一度車の代わりに自転車で走る日を決めよう。大通りを走るのが怖ければ、都会向けの自転車教室だってある。
オフィスでも努力する
各部署や同じビルに所属する企業から代表を出して “温暖化対策チーム” を立ち上げ、地球にやさしい行動を奨励しよう。駐輪場の設置 (自転車通勤の動機付けをし、二酸化炭素排出量を抑制するため) や両面印刷の他にも、エアコンの使用を控えたり、使い切りコップを再利用可能なボトルに変えたりできる。
世界規模で女性をサポートする
非営利公共政策団体Bookings Institutionのデータによると、女性の教育機会の向上と家族計画の知識が、炭素排出量の削減に最も大きなインパクトを与えるという。The Sierra Clubで男女同権および環境問題を指揮するA・ティアナ・ソザッロいわく 「女性が教育を受け、子作りに関する決断を自由に行えるようになれば子供の数は減る」。人口が減れば排出量も減る。国連女子教育運動などの女性の教育機会拡大を目指す団体、ビル&メリンダ・ゲイツ基金に代表される家族計画や避妊に関する情報提供を促進する人々、そして女性マイクロファイナンス構想のように発展途上国における女性起業家に対する小口融資を行うグループをサポートしよう。
独自のパリ和平協定を締結する
自分のエネルギー消費量を計算 (電気・ガス・水道代を使って二酸化炭素排出量を計算) し、それを減らすための目標を立てること。6ヶ月で10%だっていい。屋上にソーラーパネルを設置するような大掛かりなプロジェクトが難しければ、提携中の電力会社に100%再生可能な資源からの電力を提供するプランがあるかチェックしよう。天然資源保護協議会のジェイ・オーフィールドによると再生可能な資源は 「ちょっと高いのが一般的」だが、「電気・ガス・水道代が上がっても再生可能な資源のレートは固定されていることが多い」 ので、長期的な節約になる可能性がある。
県議会議員にファックスを送る
そう、ファックス。古典的だけど、紙は有形なのでファックスは議員の目に付きやすい。オンラインファックスサービスを使用すれば、ファックス機を所有している必要はない。もちろん、電話、メール、ツイッターも県議会に自分の声を聴いてもらうための良い手段。「当選した議員に、環境問題があなたにとっての優先事項であることを伝える」 よう勧めるのはゴア。「そのような声が多ければ、政策立案者の見方を実際に変えることができる」
市庁舎を訪問する
地元の政府は交通機関、インフラ、建築基準の支配権を持つので、温室効果ガス排出量の削減に一役買ってくれるかもしれない。ゴアが立ち上げた気候変動問題に関する効果的なコミュニケーションと教育を促進するプロジェクトThe Climate Reality Projectのカナダ支店長、オードリー・デパルトによると 「コロラド州ボルダーやカナダのバンクーバーといった数々の都市が、二酸化炭素の排出量と吸収量のバランスが取れたカーボンニュートラルな都市になるという独自の政策を打ち出している」。自分の住む街に温室効果ガス排出量の目標値が設定されていなければ (ホームページで調べられる)、市長や議員に連絡するか、議員と市民の対話集会に参加してみよう。「“温室効果ガス排出量の目標値を決め、市民としての解決策を募りたい” と発言すればいい」
より多くの女性を選出する、もしくは自ら出馬する
「温暖化対策活動への女性の参加とリーダーシップによって、結果が劇的に改善するかもしれない」 とゴアは言う。女性候補者を支持するための情報サイトや、出馬を志す初心者を教育する無所属団体をチェックしよう。
アル・ゴアの著書『An Inconvenient Sequel: Truth to Power』は、アメリカ版ウィメンズヘルスと同様にRodale Inc.から出版されています。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text:Jen Schwartz, Tracy Middleton, Sara Faye Green Translation:Ai Igamoto Photo:Getty Images