仕事のストレスに身を任せないための5つのコツ。
テクノロジーによって場所と時間を選ばすにできることが増える中で、オフィスと自宅の境界線がますます曖昧なものになってきた。“スイッチオフ” することが、これほど難しかったことがあるだろうか。
セラピストのアンドリュー・キンダーは、必要なだけ休まなければ、不安神経症や鬱病といった疲労が原因の様々な心の病を患う危険にさらされることになると警告する。
夜6時以降のメールを無視することのできないあなたが、リラックスしてくつろぎながら一日を終えるためには何ができるのだろう。
1.睡眠は素晴らしい天然治療薬
脳がバッテリーを充電し、翌朝の私たちの能力を最大限に引き出すためには、“ダウンタイム” が必要。
恒常的な睡眠不足は、数々の嫌な副作用をもたらす。その多くが、ゆくゆくは精神的な回復力を弱め、破壊することすらありえるもの。
ハッキリ言おう。睡眠はオプションではなく、心と体の健康に絶対的に欠かせない。本当に眠れないなら、カウンセラーや医師などのプロフェッショナルに相談すること。
2.大切なのはコントロール
最近の研究によって、仕事の後のリラックスには、イギリス人の4分の1がアルコールに手を伸ばすことが分かった。長い一日を終えた後のワイングラスが有害とは思えないかもしれないが、長期間にわたるアルコールの摂取は、たとえ少量でも体に被害を与えかねない。
リラックスに役立つと思われているお酒だが、実は睡眠の質を低下させるので逆効果。その睡眠の大切さは、もう充分に分かっているはず。
週4日でも5日でも、毎週アルコール抜きの日数を決めること。飲酒は特別なものとして、週末に取っておく努力をしよう。
3.仕事をしっかり終わらせる
頭の中を無数の考えが飛び交っている時は、スイッチオフがさらに困難。返信し忘れたメール、終わらなかったレポート、調整しなかったミーティング・・・仕事が中途半端だと、文字通り一晩中目が冴えることも。これではまずい。
脳は、私たちが翌日忘れたくないと思うことのすべてを覚えていようとするので、やがて氾濫する。この状態で何もかも記憶しておくのはちょっと無理な話になるので、パニックが起こる。
これを回避するには、まだ手を付けていない大小すべてのタスクをリストにまとめ、朝まで寝かしておくこと。すると、脳が全部覚えていられるか心配するのをやめられるので、あなたもリラックスできる。
4.健康な体は健康な心
水泳でもヨガでも、テニスでも犬の散歩でも、体の健康を維持し、仕事以外の何かに集中する時間をつくることは非常に大切。その “何か” があなた自身なら、なおさら良い。
始めるのは大変かもしれないが、定期的なエクササイズが習慣化してしまえば、活力が増し、自信がついてポジティブになった自分に気付くもの。
毎日の暮らしにエクササイズを取り入れることは必要不可欠なので、その時間を捻出することが重要。やっぱり、大事なミーティングをキャンセルするのは避けたいはず。あなた自身に割り当てられたスロットは、まさにそのためにある。
5.罪悪感に立ち向かう
忙しい日々を送っていると、おろそかにしてきた何かに対して後ろめたさを感じる時が必ず訪れる。母親、娘、彼女、友達として、役立たずだと感じてしまう。
このような感情は、私たちの “あるべき” 姿や “あるべき” 生き方に対する社会的な固定観念に由来することが多い。
ここで大切なのは、周りからこう期待されているはずだ、というネガティブな思考に立ち向かう努力をすること。私たちは皆それぞれであることを受け入れ、現実において完璧である必要はないことを覚えておこう。
アンドリュー・キンダーは、英国カウンセリング・精神療法協会会員です。
Text: Andrew Kinder Translation:Ai Igamoto Photo:Getty Images