コーヒーって、1日に何杯飲んだら飲みすぎになるの?  適切なカフェイン摂取量はどのくらいなの? 南オーストラリア大学が発表した論文によると、コーヒーが健康に悪影響を及ぼすのは6杯目からだとか。この研究についてオーストラリア版ウィメンズヘルスからご紹介。

コーヒーは1日何杯まで大丈夫?

この研究では、コーヒーを1日6杯以上飲むとカフェイン摂取量も多くなり、そのせいで血圧が上昇し、心疾患のリスクが22%高くなることが分かったそう。

「コーヒーは、世界で最も消費されている一般的な刺激物です。コーヒーを飲むと目が覚めて、エネルギーが湧き、集中力も高まりますが、『1日に何杯まで飲んでいいの?』という質問は後を絶ちません」と話すのは、オーストラリアの健康研究施設『Australian Centre for Precision Health』に所属し、アン・チョウ博士と共に同研究をけん引したエリーナ・ヒッポネン教授。

コーヒーの飲みすぎが体に与える影響

pattern of coffee cups on blue background
Tanja Ivanova//Getty Images

「コーヒーをたくさん飲むと、神経が過敏になったり、怒りっぽくなったり、ひどい場合は吐き気を感じたりしますよね。これは、カフェインによって体が速く、一生懸命働くからですが、当分はそれ以上飲まない方がいいことを示すサインでもあるでしょう」

「ご存じの通り、血圧と共に循環器系疾患のリスクも上昇しますが、カフェインの摂取量が過剰であると高血圧になることはよくあります。健康な心臓と正常な血圧を維持するためには、コーヒーを1日6杯未満に抑えるのがマストです。私たちのデータによると、カフェインが一転して循環器系に悪影響を与え始めるのは6杯目からです」

37~73歳の347,077名が参加した同研究は、コーヒーが循環器系の健康に与える長期的な影響を調べた早期研究のひとつ。

「どこまでが体に良く、どこからが体に悪いのかは、絶対に知っておく必要があります。何事も控えめが一番。飲みすぎれば、あなたの健康が被害を受けます」とヒッポネン教授は補足する。

適正なカフェイン摂取量はどのくらいなの?

「保健福祉省(DHHS)及び農務省(USDA)による2015年の栄養ガイドラインに関する科学レポートでは、健康な大人では、適正なカフェイン摂取量、すなわち1日当たり3~5カップ又は1日当たり400 mgまで、であれば心血管疾患などカフェインの慢性的毒性のリスクは増加しないとしています」(出典元:農林水産省)。健康に配慮するなら、1日2杯くらいで留めて置くのがベストかもしれない。

また、世界保健機関(WHO)では、カフェインの胎児への影響は確定していないと発表しつつも、妊婦に向けてコーヒーの摂取料を3〜4杯に留めるべきと呼びかけている。

コーヒー以外に注意すべき飲み物

コーヒー以外でも、エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料(清涼飲料水)、煎茶、ほうじ茶、玄米茶、ウーロン茶、紅茶なのど、カフェインが含まれている飲み物はたくさんあるので、カフェイン摂取量を抑えたい人は、飲む前に確認するのがベストかもしれない。

コーヒーのメリット

カフェインには悪影響だけでなく、老廃物の排出を促す効果や自律神経のはたらきを高める効果なども期待できるそう。例えば、コーヒーの香りや成分にはリラックス効果があるんだとか。疲れた時はコーヒーに頼ってリフレッシュするのもいいかも。また、コーヒーには、カフェインを上回る量のポリフェノールが豊富に含まれているので、がんや糖尿病、動脈硬化などの予防に効果があるという研究結果も多数報告されている。
コーヒーのメリットは適量を守れば、健康へのメリットにつながるということ。

飲む際の注意点

portioned iced coffee
hiroyuki nakai//Getty Images

メリットも多いコーヒーだけれど、飲む際の注意点も実は多い。知っての通り、コーヒーに含まれるカフェインには眠気覚ましの効果が多いため、寝る前の摂取は避けるべき。とくににカフェインが効きやすい体質の人や眠りが浅くなりがちなは人、夕方以降にカフェインを摂らないようにすることがおすすめ。また、空腹時や胃の調子がよくない際もコーヒーは避けた方がよい。カフェインには胃酸の分泌を促す作用があり、 胃酸が過剰に出てしまうと胃痛などの不調の原因にもなり兼ねないそう。そしてコーヒーを飲む際に、砂糖やミルクを沢山入れて飲むという人も気を付けて。ブラックコーヒーはまだ低カロリーだけれど、砂糖やミルクは糖質・脂質も多いため、肥満につながる可能性もあるのだ。また血糖値の上昇やむし歯などのリスクなども出てくるので、ミルクや砂糖の代わりに豆乳やアーモンドミルク、低カロリー甘味料に替えてみてはいかが?

楽しく飲める正しい飲み方は?

コーヒーは、飲むタイミングや飲み方を工夫することで、より健康的に飲めるもの。
覚醒効果のあるカフェインは摂り過ぎず、適量を守りながら飲むよう心がけよう。そして寝る前や空腹時の飲用は避け、砂糖やミルクを入れ過ぎないように楽しむのがおすすめ。飲み過ぎや飲み方に気を付ければ、コーヒーにはリラックス効果やポリフェノールによる抗酸化作用も期待できるのだから。
コーヒーの香りや味わいを楽しみながら、健康的にコーヒーを楽しもう。

参考記事:コーヒーの飲み過ぎは体に悪影響?健康的にコーヒーを楽しむコツ

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Alex Pierotti Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images