日々飲んでいる水だけれど、実は最も軽視されている栄養素かもしれない。体重を減らしたい場合は特にそう。なぜダイエットに欠かせないのか、その理由をご紹介。
もちろん、食べたカロリーよりも消費したカロリーが多ければやせるというのは正しいけれど、どれだけ水を飲んでいるかがこのダイエットの式に大きく影響してくる、とニューヨーク大学のウェイトマネジングプログラムのリア・カウフマン管理栄養士。カウフマン氏は自身のクライアントに、飲んだ水分を記録するアプリをダウンロードして水分補給をきちんと追うようにすすめるそう。これで一日を通じて水を飲むのを忘れずにすむ。「水を十分に飲むのは忘れてしまいがちだけれど、ダイエットの成功には欠かせないこと」とカウフマン氏。
水分がダイエットに大切な5つの理由はこちら。
ワークアウトのエネルギー源になる
水分が足りないとワークアウトもその結果、つまり脂肪燃焼もうまくいかない。残念ながら、身体の2％以上の水分を失ってからでないと、のどが渇いていると気づかないという。そしてこれは、まさに運動のパフォーマンスが急激に落ちるのと同じタイミングだというのが米国栄養学会に発表された研究結果。
米国のエクササイズ協会は、アクティブな女性には一日2.7リットルの水を飲むことを推奨しているけれど、カウフマン氏はそのうちの約500mlはジムに行く前に飲み、250mlを運動の最中に30分おきに飲むようにと言う。これは一日コップ8杯よりもずっと多い！
水分が十分に足りているかを確認するには、ワークアウトの前後に体重を計ってみて、とフロリダの栄養士、ジェイミー・マスは話す。もし、運動後の体重が2％以上減っているのなら、飲む量が足りていないということ。
代謝をアップさせる
エクササイズはもちろんだけれど、水も代謝をアップさせてくれる。これは、水を飲むたびに身体は入ってくる水分をめぐらせなくてはいけないので、カロリーを燃やしてくれるから。このカロリーが燃えるのは、食事誘導性熱というそう。そして、実はこれはカロリーがあるものを食べる時だけでなく、水を飲むときにも起きている。
『The Journal of Endocrinology ＆ Metabolism』に発表された健康な成人の男女を対象とした調査によると、500ml程度水を飲むことで一時的に代謝を30％ほど上げることができたそう。研究者は水分摂取量を一日1.5リットル増やすと一日200kcal燃焼できると結論づけた。
食べる量を減らす効果も
「水を飲めばお腹いっぱいになる」とは聞いたことあるかもしれない。でも、実は水はお腹を膨らますことよりも、空腹感を抑えることに効果があるという。大抵、お腹が空いていると思った時には、実はのどが渇いているだけのことが多い、とマス氏。たとえば、お腹がからっぽだったり、お腹が鳴る、エネルギーがない、そしてちょっと頭がフラフラする、などの症状は水分が足りていない時にも起きる。
「空腹感」を感じたら、少し水を飲んでみて本当にお腹が空いているのかを見極めて。2015年のオックスフォード大学の調査によると、食事の30分前に水を500ml程度飲んだ人はお腹がいっぱいだと思って飲まないまま食べた人に比べて摂取カロリーが減り、1.1kg以上体重が減ったそう。カウフマン氏も患者には同じテクニックを指導しているそう。
エネルギーアップする
エネルギーと体重減はセットで考えなくてはいけないもの。エネルギーが高い時はワークアウトも絶好調、無駄な食欲もなく、運動するのもおっくうじゃなくなる。身体の70%近くを構成する水分はパフォーマンスに関係してくる。水分は細胞が活動する燃料になり、筋肉に酸素や栄養を届けてくれる。さらに脳がダイエット目標に集中するようにするためにも大切。
午後3時のスランプに困っている？ 自動販売機の甘い飲み物に手を出すのではなく水を飲んでみて。水分不足は、疲れとしてあらわれるのでだまされないように。
余計なものを飲まなくて済む
水は確かによいけれど、他の飲み物、たとえば炭酸飲料やホイップクリームたっぷりのドリンクと比べてもとてもヘルシー。2015年のBMC Public Healthの1100人以上を対象にした調査によると、ただの水を飲むとカロリーのある飲み物を飲む量が減ったそう。水1.5リットルにつき炭酸飲料は300ml減ったとか。つまり水を沢山飲めば自然と炭酸飲料を飲む量は減るはず！
https://www.womenshealthmag.com/weight-loss/how-drinking-water-helps-you-lose-weight
Text：K.Aleisha Fetters Translation：Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images
