Food, Cuisine, Dish, Fish, Ingredient, Food group, Legume, Seafood, Superfood, Produce, pinterest

ヘルシーな食に関する誤解を栄養士のサラ・マクリンが解き明かす。今回のテーマは「タンパク質」。

最近は、脂肪はまたトレンドとして復活しつつある。でもタンパク質に関しては主要栄養素のうち、常に脚光を浴びてきた。アトキンスダイエット、パレオ食やインスタグラムの1400万以上の#proteinのタグを見れば、現代の定説は明らか。タンパク質は、スリムで健康的で引き締まった身体へのパスポートだということ。
>パレオダイエットとは?

ある意味、それは正しい。タンパク質を消化するのは大変なので、炭水化物よりも燃えるカロリーが多く、満足ホルモンのレプチンが増える。そして、筋肉の修復作用(タンパク質にはアミノ酸がたっぷり)は運動する人にとってとても重要。

では、なにが問題か。それは、タンパク質のブームが行き過ぎているのではないかということ。タンパク質を少しでも多く摂ろうとして、プロテインパウダーをおかゆからブラウニーまで、なんにでも入れる女性が増えている。ひどい時は、本物の「リアルフード」の替わりにプロテインシェイクにしている人も。でも、プロテインパウダーの規制がないため、品質には大きく差がある。普通に肉や魚や卵を食べて摂れる栄養のことを考えて。

ジムに通っているのならタンパク質は余計に必要、と反論するかもしれないが、多くの研究によるとそうではないそう。むしろ、アスリートが筋肉を増強するには、タンパク質の「質」が一番大切だとか。

卵、牛乳、赤身の肉などの動物性タンパク質は、「完全なタンパク質」で身体が必要な必須アミノ酸をすべて含む。もし、同じ量を食物性タンパク質から摂るのなら、25パーセントも多く摂る必要がある。

さらに、高タンパク質食は炭水化物を減らすことになる。でも、炭水化物は毎日の食事のうち約半分(40パーセントから60パーセント)になるべき。なぜなら、炭水化物は甲状腺から消化まで、さまざまな物に必要だから。それがないと、頭痛やホルモンバランスの崩れ、頭がぼんやりしたり疲労を感じたりしてしまう。そんな状態でジムに行きたい人はいないはず。そして、多くの研究は極端に炭水化物が少ない食事法は、体重キープにつながらないという。

タンパク質を摂り過ぎてなにか身体に害があるわけではないけれど、必要とは思えない。それに、身体は一回につき30gのタンパク質しか処理できない。つまり、それ以上どんどん増やしても効果はない。オーストラリアの研究者は、食事のうちタンパク質が15パーセントだった人は、10パーセントだった人に比べて間食がずっと少なかったそう。ただ、タンパク質の量を25パーセントに上げると、空腹感のレベルはあまり変わらなかった。これは、タンパク質量を増やしてもあまり効果がないということを示す。食べるなら15パーセントから20パーセントを目指して。

★この記事はUK版ウィメンズヘルスに掲載されました。

目標のタンパク質をしっかり摂るなら

平均的な活動をしている 女性は体重1kgあたりタンパク質1.2gが必要。64kgの場合、

朝食
ギリシャヨーグルト(170g)=15g

昼食
レンズ豆サラダ(生で70g)=18g

夕食
鶏ムネ肉とキヌア=32g

間食
ゆで卵=6g

合計タンパク質71g

Translation:Noriko Yanagisawa