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ひどい胸焼けがして、「あんなものを食べなきゃよかった」と後悔する日もあるのでは? アメリカ版ウィメンズヘルスが米ジョージ・ワシントン大学消化器病学・肝臓病学長のマリー・ボラム医学博士に胸焼けの原因と止め方について教えてもらった。

米ジョージ・ワシントン大学消化器病学・肝臓病学長のマリー・ボラム医学博士によると、胸焼けとは、胃酸が逆流したときに出る症状のひとつ。胃酸の逆流とは、上部食道括約筋(食道の上部にある筋肉群)を通過して、胃酸が食道に戻ってきてしまうこと。食後に起きるのが一般的で、毎回とは限らないけれど胸焼けを引き起こす。

胃酸の逆流の原因

通常の原因は生活習慣にあるので、大抵の場合は避けられるみたい。特定の食べ物や飲み物(油っこいもの、ペパーミント、アルコール、チョコレート、カフェインなど)は、本来胃酸の逆流を防ぐべき括約筋を緩める(よって胃酸が逆流する)。辛い食べ物、トマト製品、かんきつ系の果物で胸焼けがすることもあるけれど、この場合には、胃酸の逆流というよりむしろ酸味の強い食品そのものに原因があると言われている。

食べる物だけでなく、食べ方も大きく関係している。ボラム医学博士いわく、ガッツリ食べた後に胸焼けがするのは、括約筋に負担がかかっているから。括約筋は自然と締まったり緩んだりするけれど、胃に食べ物がたくさん入ると、括約筋が自然と緩んだ瞬間に酸が逆流しやすくなる。

食後数時間以内に横になるのも胸焼けの原因になるので、夜食を食べる習慣がある人は要注意。ボラム医学博士によれば、「横になると重力の助けが得られないので、食べた物が食道の中で進む方向を間違えることがある」そう。肥満や体重増加、平滑筋を緩める薬(心臓病に対するカルシウムチャンネル遮断薬など)の服用、喫煙もリスク要因。

胸焼けの止め方

ボラム医学博士いわく、胸焼けと胃酸の逆流に対する最も健康的かつ効果的な治療法は、生活習慣と食生活を変えること。また、予防において一番大切なのは、コーヒーを控えたり、食べる量を減らしたりしてでも、引き金に真っ向から対処すること。

それでも症状が変わらなければ、いくつかのステップを踏んで症状を和らげていこう。ボラム医学博士は、まずH2ブロッカーなどの制酸薬(胃酸の生成をブロックする薬)を必要に応じて飲んでみるよう勧めている。

生活習慣を変えたうえに制酸剤を飲んでも改善が見られないなら、胃で生成される酸の量を減らすプロトンポンプ阻害薬を飲んでみるといいかもしれない。でも、「胃酸関連の障害に対する効果的な薬ではあるけれど、プロトンポンプ阻害薬で副作用が出る可能性もある」と、ボラム博士は注意を促す。最近の研究によって、プロトンポンプ阻害薬の長期的な服用で骨代謝に異常が生じ、骨密度が低くなる可能性があることが分かったそう。プロトンポンプ阻害薬は吸収不良を引き起こすこともあるので、服用中にマグネシウムとビタミンB12の濃度をチェックするのも大事だとか。

1~2周期飲む分にはリスクも比較的低いけれど、「まずは最小限のプロトンポンプ阻害薬を最短期間飲んでみて」とボラム医学博士。「8週間経ったところで、その薬が本当に最適かどうかを判断するのが重要だと思う」

ひどい胸焼けがしつこく続くようなら(1週間に2~3回以上)、内科医か胃腸科専門医に相談しよう。別のプロトンポンプ阻害薬や、根本的な原因を特定するための内視鏡検査(柔らかい管を使って消化管を検査するもので、外科手術ではない)を勧められるかもしれない。胃酸の逆流が長引く場合は、胃食道逆流症などの病気が疑われる。病院で食道内を診てもらい、ベストな治療法を医師に提案してもらおう。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Alexa Tucker Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。