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心拍数をチェックして体の声を聞いてあげて。

小学校の体育の授業以来、あなたも“心拍数”という言葉に関する尽きることのない議論を聞いてきたことだろう。おそらくあなたは心拍数たるものを見たこともあるはず。そう、ジムでペダルを速くこぐたびに増加する、モニターの角で点滅するあの数字。定義上、心拍数とは1分間に心臓が脈打つ数のこと。でもエクササイズ後にどれだけ汗をかいているか以外に、心拍数があなたに教えてくれることとは?

一つには、心臓血管の健康状態や心臓がどれだけ効率的に血を送り出しているかを知るための重要な手掛かりであるとしているのは、統合心臓病学における運動生理学者であり、ニューヨーク健康ラケットボールクラブでパーソナルトレーナーを務めるマイケル・ソウダース。自分の心拍数を知ることは、あなたをフィットネスゴールに近づけ、調子が悪い時も再び軌道に戻してくれるようなエクササイズ計画へと導いてくれる。

休息モード心拍数 vs 活動モード心拍数

ニューヨークのマウント・シナイ病院附属イカーン医科大学で助教授を務めるヒナ・チャウドリー医学博士によると、運動して汗を流すと、その運動のニーズに応えるため活動モード心拍数が上昇するそう。一方、ソファでのんびりしていると、休息モード心拍数は1分間におよそ60〜100回。

休息モード心拍数が低いのは実は良いことだと言うのはソウダース氏。「一定の強度に対し心拍数が下がっているのは、心臓が血液を送り出すのがよりスムーズになっている証拠」。定期的なエクササイズによって心臓はより効率的に働くことを学び、活動モード心拍数は下がるもの。例えば、一流のアスリートの休息モード心拍数は1分間に40回程度まで下がることもある。

フィットビットやアップルウオッチのデータを友達と比べてみて、あなたの心拍数が友達よりも高くても心配無用。チャウドリー氏いわく、「その友達が男性ならなおさら。体のサイズやホルモン因子の関係で、女性の休息モード心拍数は男性よりも高いのが一般的」だそう。同等のトレーニングをしても、女性アスリートの休息モード心拍数は男性アスリートの休息モード心拍数よりも約10回分高くなる。

私が目指すべき活動モード心拍数は?

あなたの最大活動モード心拍数(激しい運動においても超えるべきではない1分間あたりの脈拍数)を算出するのにソウダース氏が勧めるのは、米国疾病対策センターが公開する公式(あなたの年齢を220から引く)を適用すること。算出された数字の60〜75%の脈拍数に抑えるのが、健康な活動モード心拍数を維持する秘訣。

おかしな話だが、心臓は毎秒脈打つべきではないとソウダース氏は続ける。心拍変動または連続する心拍間の時間は、より効果的な心機能を意味する。心拍変動を向上させるには、ソウダース氏によると高強度インターバルトレーニング(HIIT)が良いそう。数分間にわたり活動モード心拍数の80〜90%の間で運動し、休息モード心拍数で回復するという流れを繰り返すと、よりフレキシブルな心臓を手に入れることができる(つまり、上記エクササイズを定期的に行えば心臓はそのキツさに慣れるので、上り坂のランニングがそれほど残酷なものではなくなるというわけ)。

心拍数モニターやフィットネストラッカーは、エクササイズモードを使用していれば即時に情報をくれる。でもチャウドリー氏によれば、それが無くても自分で脈をとれば充分なんだそう。首で脈をとるには、人差し指と中指を気管に置き、15秒間に感じる脈拍数を数え、その数を4倍する。休息モード心拍数を最も正確に測るには、朝起きてすぐに脈をとること。エクササイズ中の活動モード心拍数の範囲を見るには、ウォームアップの前、休憩の間、そしてクールダウンの後に脈をとろう。

私の心拍数って正常?

「仕事でストレスだらけの1日を過ごした後に脈が高くても心配しないで。きっと気楽に構えて、エクササイズを少し優しくしたり短くする方がいいと教えてくれているのかもしれない」とソウダース氏。さらに水分補給をしっかりすると、気分を落ち着かせて心拍数が下がるのを助けてくれるそう。それでも就寝前の心拍数が1分間に100回に近い状態であれば、甲状腺疾患や不整脈を起こしていないか、医師の診察を受けよう。

どんなアクションが取れる?

ソウダースに氏によると、心機能向上のための一番のアドバイスは、「何かすること」だそう。米国心臓協会は、1週間に少なくとも150分の適度な有酸素運動(または75分のHIITのような激しい有酸素運動)を推奨している。サイクリング教室でも、犬を連れてのんびり散歩でも、どんな運動でも心臓を働かせるには充分。定期的に運動して、至るところで心拍数をチェックすることが、あなたの健康状態に関わらず、心臓血管機能をより丈夫なものにしてくれるのだ。

Text: SCOTTIE ANDREW Translation:Ai Igamoto Photo:Getty Images