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前回の薬膳の基礎的な知識を踏まえた上で、今回は自分自身にあった薬膳の取り入れ方をご紹介。現代人は「補」「捨」「流」「調」の4つの体質に分類できると教えてくれたのは、薬石花房 幸福薬局の幸井先生。自分自身の体調と向き合い、体が必要としている栄養をしっかり摂るためにも、自分の体質を確かめよう。

「どの食材をどうやって食べるかは、たとえ同じ症状でも人によって異なります。薬膳は、個人の体質に合わせた、オーダーメードの食事療法なのです。日々の食事が健康と美容を作るので、自分自身にあった食事を心がけましょう」と幸井先生。まずは、下のチェックシートで自分の体質を知ろう。

自分の体質チェックシート

それぞれの症状のうち、当てはまるものをチェックして。

A

□ 触ると柔らかい肩こり。あるいは肩が筋張ってる。
□ 下半身がむくみやすい。手足のしびれを伴うこともある
□ 手足、太ももの内側、下腹部などが冷たい
□ 乾燥、くすみなどの悩みがある。顔にツヤがない。
□ 便が出始めは硬く、あとはやわらかい。
□ 食欲不振や胃もたれをともなう。立ちくらみや息切れをする。
□ 全身に汗をかく
□ 唇が荒れやすい
□ 食欲不振気味

B

□ むくみを伴うような肩こり。吐き気が伴うこともある。
□ 重だるいむくみがある
□ 冷え性にむくみや尿量現象をともなう。冷房や冬の寒気が苦手。
□ 脂性肌の悩み。毛穴が目立ち、シミも濃いことが多い。
□ 便が硬く、量も少ない。おなかの張りを伴う。
□ 頭がぼんやりして、倦怠(けんたい)感がある。食欲不振やむくみがある。
□ 手足だるい
□ 時々頭が重い
□ 関節が痛みやすい

□ かたい感じのする肩こり。もまれると痛みがある。
□ 軽いむくみを何度も繰り返す
□ 手や足の先が冷たい。
□ クマや色素沈着が悩み。ストレスを受けるとシミが濃くなる
□ 便が切れ切れで、細い。ストレスや緊張で下痢をしやすい。
□ イライラや憂鬱(ゆううつ)がよくある。疲れやすく、回復しやすい。
□ 皮膚がカサつく
□ イライラしやすい
□ ストレスに弱い

□ カチカチのかたい肩こり。もまれると、楽になる。
□ 下半身がむくみやすい。冷えや排尿ある。
□ 寒がりで、特に下腹部が冷える。トイレが近い。
□ 顔色が悪く、老けて見られる。髪の量や質が気になる
□ 軟便や下痢が朝から何度も出る。コロコロした便しか出ない。
□ 活力不足で、近くが鈍い。冷えをともなう。
□ 物忘れをしやすい
□ トイレが近い
□ 眠りが浅い

Aが一番多い人は→「」体質

Bが一番多い人は→「」体質

Cが一番多い人は→「」体質

Dが一番多い人は→「調」体質

「補」体質のあなたは……

体にとって、必要なものが不足しやすい体質。

○ 疲れやすい
○ やる気がおきない
○ 肌が乾燥する、かゆい
○ 頭がぼうっとする
○ 不安感がある
○ 眠りが浅い
○ 風邪をひきやすい

改善のヒント

1. 夕食は早めにとる
胃を休ませる時間をしっかり取って。胃腸の負担が多いと疲労の原因に。

2. 夜更かしは避ける
不足している血や水を作るためには、夜に体を休めることが大切。

3. 朝食は必ずとる
活動するためのエネルギーが足りていないので、朝食をしっかり食べて1日の栄養を補おう。

オススメ食材:豚肉、トマト、さつまいも

控えてほしい食材:唐辛子などの刺激が強いもの、アイスクリームなどの冷たいもの、甘いお菓子類

「捨」体質のあなたは……

体に余分なものをため込みやすい体質

○体が重だるい
○手足がだるい
○イライラする
○顔が赤い
○熱っぽい
○頭が重い
○脂性肌

改善のヒント

1. 腹八分を心がける
食べすぎやお酒の飲みすぎが不調の原因となっている場合が多いので、腹八分を守ること。

2. 野菜中心の食事をとる
脂っこい濃い味の食事は体内にたまりやすく、体質を悪化させる。野菜中心で、薄味の食生活がおすすめ。

3. 適度な運動を心がける
栄養を摂りすぎのうえ、運動不足だとますますためこみ体質に拍車がかかる。ウオーキングや水泳などで消費エネルギーを増やそう。

オススメ食材:昆布、とうがん、トマト

控えたい食材:肉や卵などの動物性食品、バターや肉の脂身、ケーキやクッキーなど脂肪分の多いもの、味付けの濃いもの、刺激の強いもの

「流」体質のあなたは……

体の中の流れが悪い体質

○ おなかが張っている
○ 憂うつ感がある
○ イライラする
○ 冷えのぼせがある
○ 皮膚がカサカサしている
○ 肩がこる

改善のヒント

1. 適度な運動を心がける
体の流れを良くするためには運動が必要! 特に精神的ストレスの強い人は体を動かすとスッキリする。

2. 意識して深呼吸する
ストレスや疲労があるときは無意識のうちに呼吸が浅くなりがち。深い呼吸を心がけると、息苦しさが楽になる。

3. 体を冷やさないようにする
お風呂につかり、汗をかくまでしっかり温まると良い。

オススメ食材:ハーブ類、アジ、ハマグリ

控えるべき食材:肉類、バターやラードなどの動物性、味の濃い味、冷たい飲み物

「調」体質のあなたは……

心身や臓腑(ぞうふ)、自律神経、ホルモンバランスが不安定な体質

○ 足腰がだるい
○ 体が冷える
○ 物忘れがひどい
○ 元気がない
○ 寝つきが悪い
○ めまいがする
○ 耳鳴りがする

改善のヒント

1. 規則正しい生活リズムを
起床や就寝を自然界のリズムに合わせると、心身のバランスが整うようになる。食事も決まった時間にとると良い。

2. 十分に体を休める
過労や睡眠不足が原因になっていることが多いため、生活スタイルを見直しして、睡眠をしっかりとろう。

3. 体を冷やさない
体を冷やすとただでさえ低下している免疫力が下がる。入浴で体を温め、服装も温かい格好を心がけて。

オススメ食材:やまいも、ブロッコリーなど

控えたい食材:塩分の濃いもの、脂っこいもの、アイスクリームなどの冷たいもの

自分のタイプにあわせた食材を知り、日々の食事に活かすことで、普段の食生活に薬膳の効果を取り入れてみては。

次回は、体の冷えとむくみに効く薬膳のレシピをご紹介!

■お話を伺ったのは…
幸井 俊高先生

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東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。ジョージ・ワシントン大学経営大学院修了。日本人として18人目の中国政府認定の中医師。『漢方治療指針』『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』(ともに日経BP社)、『幸福薬局の若返り薬膳レシピ』『舌をみれば病気がわかる』(ともに河出書房新社)など著書多数。

薬石花房 幸福薬局
https://kofukuyakkyoku.com/



Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。