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トレーニングのやりすぎは睡眠習慣、ホルモンバランス、ダイエットを崩壊させるらしい。パーソナルトレーナーのダン・ロバーツが、注意すべきサインと回復方法を教えてくれた。

直近の調査では、「体の引き締め方」 というキーワードに対して1億件以上の検索結果が表示されたそう。

自分史上最高にヘルシーになるためにトレーニングして、記録を付けて、一層ハードに頑張るのはいいけれど、この執着心が体のシステムに大混乱をもたらしている。

質問: 常に 「今より優れた 自分」を追い求めていると思う?

答えがイエスなら、あなたも多数のエクササイズ中毒者の一人かも。聞こえはヘルシーかもしれないけれど、実際は違う。

果たして、あなたはエクササイズ中毒のリスクにさらされているのだろうか。そうだとしたら何が問題で、どう対処すればいいのだろうか。

警告サイン

過度のエクササイズの存在は、1976年、ウィリアム・グレイサーによって初めて認識された。著書『Positive Addiction』の中で彼は、健全な依存には、「エクササイズを制御する能力、エクササイズを日常生活の一部とする能力、必要に応じてエクササイズを見送る能力を兼ね揃えた運動への愛」 があると記している。

一方で不健全な依存には、「健康、人間関係、キャリアについて個人が考慮するべき事柄を無視してまで、エクササイズせずにはいられないという何かに憑りつかれたような欲求やニーズが関係している」 。フィットネスを優先するのは、何ら間違ったことではないけれど、たまのスピンクラスを見逃すことを考えるだけで不安になるのは不健全かも。

イギリスの摂食障害サポート団体「Anorexia and Buliema Care」のコンサルタントで、強化調整スペシャリストのダン・ロバーツによれば、「社会生活や仕事がトレーニングに乗っ取られている場合、そして1日2回トレーニングすることに執着している場合は要注意」

1日2回クラスに参加したり、ジムに行く回数を倍にしたりすれば、自分が目指す姿に一歩近づけると思うかもしれない。多くの場合、それがあだとなる理由を説明しよう。

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オーバートレーニングのサイン

ストレスホルモン
オーバートレーニングによって女性ホルモンの分泌量に異変が生じる。とりわけ、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加すると代謝が遅れ、体脂肪が燃えにくくなる。ビヨンセ並みにヘルシーな食生活を送り、毎日トレーニングをしているのにもかかわらず結果が出ないのは、これが理由かもしれない。

睡眠
オーバートレーニングの2つ目のサインは睡眠にまつわるもの。いつも夜中に目が覚めたり、寝つきが悪いのは、どちらもホルモンレベルが異常である証拠。

リカバリー
次のサインは何日も続く筋肉痛。筋肉がトレーニングから回復するには通常24~48時間かかる。でも、脚の筋トレを行ってから72時間たっても階段が上れないなら要注意。

アメリカのジョンズ・ホプキンズ病院によると筋肉痛が長引くのは、筋肉とエネルギーが事実上回復しておらず、体を休ませる必要があるから。これを無視して運動を続ければ、慢性疲労になる恐れがある。

でもロバーツいわく、それ以前に 「トレーニングで “進歩” が見られなくなり、実際に体が弱くなっていることに気付くこともある」 そう。この手の警告サインを見逃さないように。

心臓の健康
まさにオーバートレーニングの “核心”。生物医学研究誌『PubMed』に掲載された研究は、一週間に合計40キロメートル以上走る人には、心臓の細胞が硬くなるリスクが高いことを発見したそう。これは、心不全や不整脈に関連しているみたい。

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オーバートレーニングは、どうすればいい?

自分がエクササイズ中毒であると認識するのは簡単なことではない。でも、それが回復への第一歩。

次のステップは、エクササイズとの関係を再構築すること。

「汗を流し、カロリーを消費して筋肉をつけるのは、エクササイズの一面に過ぎない。エクササイズ中毒からの回復を目指す人はマインドフルな動きやプレー、敏捷性、筋肉の整合性、バランスに重点を置き、よりポジティブで愛のある関係を自分の体と築くべき」 とロバーツは語る。

そのための方法の一つが、自分で自分に質問を投げかけること。これでエクササイズの焦点が “体の見た目” から逸れる。「どこまでウエートを重くできる?」「どれだけの距離を走れる?」「このエクササイズやトレーニングの動き、どのくらいスムーズにできるかな?」といった自分への質問がロバーツのおすすめ。

「体を動かし、体と遊び、体に詳しくなることに全神経を集中させてみるといい。そうやって生きた方がよっぽど楽しいしね」 と彼は続ける。

次に、体重計の使用をやめて感覚に集中すること。どうしても結果を測定せずにはいられないなら、写真を撮って視覚的に進捗をはかろう。

要するに、「Less is More ……控えめの方が効果的」という古いことわざが、この上なく的を射ているということ。エクササイズとの関係を見直して、長期的に健康な自分を目指していこう。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Amy Hopkinson Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。