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今すぐ使いたい、一番ヘルシーな食材の一つ。そう、それはカカオパウダー。スイーツだけだと思っていたら、大間違い。プロテインボールやおかゆ、プロテインバーにも活用できるマルチ素材。カカオパウダーのまだまだ知られざるパワー、大公開!

トレンドをいち早くキャッチしている人は、間違いなくカカオパウダーのメリットを聞いたことがあるはず。でも、ローカカオ(生カカオ)には疑問の声も多い。ローカカオって何なの? だとしたら、カカオが入ったスナックバーやプロテインボール、パンに塗るスプレッドもヘルシーってこと?

イギリスのファッションモデル、デイジー・ロウが特製カカオスムージーを飲んでいることや、アンチエイジングに役立つといわれるカカオアイスキャンディが存在することも忘れてはならない。

でも、ここで語っていても仕方ないので、「NutriCentre」の管理栄養士カサンドラ・バーンに、分かりやすく解説してもらった。

カカオパウダーが体に良いという話が嘘ではない理由を探っていこう。

まずは基本の「き」。カカオってなんなの?

サプリメントブランド「Motion Nutrition」によると、「カカオの木の学名はテオブロマ・カカオ。ざっくり訳すと 、“神の食べ物”」。実際には、マグネシウムやフラボノイド、鉄に亜鉛、銅やカリウム、マンガンをはじめとする栄養素でパワーアップした、未加工のチョコレートのスーパーフード。ローカカオは、焙煎されていないココア豆をコールドプレス (低温圧搾)して作られているので、生産過程で貴重な栄養素が失われないそう。

さらに、こんな恵みも。カカオパウダーの「4つのメリット」

■メリット1 マグネシウム
食生活で不足しがちなミネラルであるマグネシウムを摂るには、ローカカオがベストな食材の一つ。マグネシウムはエネルギーの産生、脳と神経系の健康の維持、筋肉、強い骨と歯を作るのに不可欠で、健全な血圧を保つのにも役立つ。

■メリット2 鉄
カカオは鉄分を含む。鉄は血液を作り、体中に酸素を供給するのを助ける存在。他にもカカオはカリウムや銅、亜鉛、マンガン、セレンの供給源でもある。

■メリット3 フラボノイド
カカオには抗酸化作用のあるフラボノイドもたっぷり。ローカカオとフラボノイドが豊富なチョコレートは心臓の健康をサポートするとされていて、血中の善玉コレステロール (HDL) を増やし、血圧を下げ、うっ血性心不全患者の血管機能を改善するとも言われる。このような効果は、主にカカオに含まれる抗酸化物質によるものだと考えられている。

■メリット4 PEA
さらにカカオには、フェニルエチルアミン(PEA)と呼ばれる成分が含まれている。PEAは気分を高揚させ、体を元気にすると言われており、これがチョコレートを愛する人が多い理由の一つらしい!

ローカカオには糖質が非常に少なく、もちろんミルクも入っていないので、牛乳アレルギーや低糖質ダイエット中の人にも適している。

チョコをアンヘルシーにする犯人。そして、チェックすべき「加工」とは?

チョコレートバーに使われているカカオ、あるいはココア自体は アンヘルシーではない。それをアンヘルシーにする主な要因は、一般的なチョコレートバーを作るために加えられる砂糖。また、チョコレートバーを作る過程でカカオが焙煎されると、抗酸化物質のフラボノイドや有益な酵素などの栄養素が失われる。ローカカオやローチョコレートでは、このようなことは起こらないとされる。

では、お店で見かけるカカオソリッド99パーセントの、苦いダークチョコレートはどうなんだろう? カカオソリッドは、すりつぶしたローカカオ豆からカカオバター (カカオ豆に含まれるオイル)を切り離した残り物で、カカオパウダーを作るのに使われる。

ローカカオは挽かれていない状態のカカオ豆やカカオソリッド、カカオパウダーを指す言葉で、生産過程で加熱されていないことが条件。いくつかの栄養素を奪ってしまうのは、この加熱処理なのだとか。

アイデア次第! ローカカオの食べ方あれこれ

そのままのカカオ豆をチョコレート並みにおいしくすることはできると思う? 実は、かなり大量の砂糖を加えないとチョコレートのような味は難しい。カカオ豆を買うお金と加工する労力はかけずに、コンビニへ走った方が早い。

でも、ローカカオを使う方法はたくさんある。もちろん、既製品のチョコレートバーを買うこともできるけれど、味を良くするために、カカオの他にもアガベシロップ(リュウゼツラン科の植物、アガベから作ったシロップ)やココナッツシュガーといった天然甘味料が含まれているケースが多い。

挽かれていないローカカオ豆を砕いた断片であるローカカオニブのカカオパウダーを買うのなら、自然な甘さがある食材とミックスして、カカオの苦みを取り除くのがベスト。カカオニブは、ゴジベリーのようなフルーツとナッツを混ぜてスナックにしたり、スムージーに溶かしたりできる。

カカオパウダーもスムージーを作るのにピッタリだし、冷凍バナナやカカオパウダー、カカオニブがあればローチョコレートアイスクリームを作ることも可能!

いざ実践! カカオパウダーを使ったイチ押しレシピ

この簡単なヘーゼルナッツスプレッドは、市販のチョコレートスプレッドの代わりとしてオススメ。乳製品と精製糖を使っていないので、とってもヘルシー。

<材料>ジャー1本分
  • ヘーゼルナッツ  1カップ
  • ローカカオパウダー  大さじ5
  • 糀糖 (こうじとう)またはピュアメープルシロップ  大さじ4
  • バニラパウダー  大さじ1
  • ココナッツオイル(液体)  大さじ1
  • ココナッツミルク  2分の1カップ
  • 水必要に応じて4分の1カップ

作り方

01.180度のオーブンで、ヘーゼルナッツを必要に応じてひっくり返しながら10分ほど焼く。

02.オーブンから取り出し、冷めてから皮の大半をこすり取る。フードプロセッサーでヘーゼルナッツを挽き、サラサラにする。

03.残りの材料をフードプロセッサーに加え、スプレッドの硬さになるまでしっかり混ぜる。必要に応じて水を加える。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Francesca Menato Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。