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夏までにキレイな肌を手に入れるなら、春が脱毛開始のベストタイミング。

今年の夏、ビキニを着るなら早めに始めておきたいのが「脱毛」。脱毛について読者アンケートを行ったところ、8割の人が“剃りあとがチクチク”“肌荒れでガサガサ”といったセルフケアによる肌トラブルに悩まされていたことが判明。そこで、正しい脱毛ケアについて銀座ケイスキンクリニック・院長の慶田朋子先生を取材。お気に入りのビキニを自信をもって着こなすためにも今から少しずつケアをスタートさせて。

みんなはどうしてる? セルフケアについて読者アンケートをした結果

真冬でもウエアを着たり、水着を着る機会のあるフィットガールズに普段どんなケアをしているかアンケート。今回協力してくれたフィットガールズ全員が、サロンなどのプロによる脱毛経験者。実際のところ、どうだった?

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「フラッシュ脱毛でワキとVラインをケア中。通い始めて2年でほぼキレイになりました」

「私もフラッシュ脱毛ができる美容サロンに3年間通ったけど、脱毛しきれなかったのが悩み」

「脱毛期間中は自分でもシェービングするから、肌荒れやニキビになってしまうのが辛い」

「夏だけブラジリアンワックスをしています。そのうち慣れるけど、やっぱり痛い!」

なるほど。プロの手を借りても、やはり悩みやトラブルがある様子。どうやったら夏までにキレイ肌になれるのか慶田先生にAsk!

脱毛による肌荒れ、ニキビの理由は間違ったケア

セルフケアで一番多いのがシェービング。その際ついついやってしまうのがボディソープを使ってのシェービングや逆剃り。「本来ボディソープは油汚れを取るためのもの。カミソリでシェーブして肌のバリアが無くなったところにボディソープの刺激が加われば肌荒れしてしまうのは当然です」と慶田先生。

また、シェービングの次に多いセルフケアがピンセットなどによる脱毛。「毛を引き抜くようなケアもNG。毛を抜く際に『毛母』と言われる毛が生えてくるところの毛細血管を引きちぎってしまい、血が出てしまいます。引きちぎった毛は埋没毛になりやすく、炎症を起こし赤黒くなって黒ずみの原因にもなります」(慶田先生)

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「加えて気をつけたいのが”深剃り”です。毛が生えているところは鳥肌のようになっているので、深剃りすると皮膚まで削り取ってしまいます。皮膚が削り取られてしまうと、急いで肌のバリアを作るため、皮膚の細胞が突貫工事でゴワゴワの角層を一気に作ることになります。そうすると毛穴の出口がわからなくなってしまい、毛が皮膚の下でとぐろを巻いて埋没毛になったり、炎症を起こして毛嚢炎(ニキビ)になってしまうことも。残念ながらセルフシェービングをするとどうしてもこの状態になりやすいです」(慶田先生)

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肌荒れの主な原因は間違ったケア。終わりの見えないセルフケアを続けて肌荒れを繰り返すくらいなら、いっそのことクリニックでケアしてしまうのが賢明かも? でもまだまだクリニックの医療レーザーでケアしている人は少数派。ということで医療レーザー脱毛について慶田先生に質問。

そもそもレーザー脱毛ってどういう仕組み?

「レーザー脱毛のマシンはメラニンの黒い色素に吸収されて熱反応を起こし、毛そのものと毛を作る器官を壊します。ただし、一度レーザー脱毛をしたからといってすべての毛が処理できるわけではありません。毛の生える周期には休止期、成長期、退行期と3つの段階があって、レーザーでケアできる毛は成長期のもののみ。休止期、退行期の毛にはレーザーが効かないので、一回の処置で脱毛できるのは全体の毛の15~30%ほどなんです」(慶田先生)

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休止期だった毛が成長期にスイッチして生えそろうのがだいたい一ヶ月半後。そのタイミングでもう一度レーザーを照射。3回ケアするとかなり毛量が減るそう。毛自体も柔らかくなり、シェービング後の毛もかなり気にならなくなる程度に。

エステのフラッシュ脱毛とクリニックのレーザー脱毛の違いは?

脱毛とは本来、医療機関でしかできない医療行為です。エステで行っている美容脱毛はマシンの出力が弱いため、効果が出るまでに2〜3年ほどかかるのが現実。「ワキなどの色の白いところはエステのマシンでもある程度回数を重ねれば効果が出るかもしれません。しかしVIOなどの色の濃い場所などではやけどなどの事故が起きやすく、エステの場合事故が起きても医師がいないため、すぐに処置ができません」(慶田先生)

本当に一生毛が生えてこないの?

「医療の世界での永久脱毛の定義は、正確に言うと“減毛”です。ただし10数年にわたり処理した毛の80%以上が生えてこない状態のことを永久脱毛と呼んでいます。毛をゼロにするというわけではありませんが、シェービングをしなくてもいい程度にすることは可能です。日本に医療レーザー脱毛が上陸して25年ほど経ちますが、当時のレーザーでたった1回処置したところの毛が今だに生えてきていない症例も確認できていますので、十分効果があると言えるのではないでしょうか」(慶田先生)

医療レーザー脱毛って痛いイメージ……

「最近のマシンは冷却システムも完備していますので、痛みややけどのリスクもかなり低くできます。また、医師のいる医療機関での脱毛なら外用麻酔も使えるので安心してください」(慶田先生)

ただでさえ忙しい現代の女性たち。夏までにキレイ肌を目指すなら、プロにお任せするのも一つの手段。とにかく夏に入ってからの慌てたケアは肌を痛める最大の原因。セルフケアとも上手に付き合いながら、時間をかけた丁寧なケアを心がけて。

お話を伺ったのは…

銀座ケイスキンクリニック

慶田朋子 銀座ケイスキンクリニック院長

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。医学博士。
最新レーザー機器や治療方法は自身の肌で試し、本当に良いものだけをクリニックに導入している。著書に「365日のスキンケア」(池田書店)がある。

Text&Illustration: Saeko Okuya