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髪の太さや質感が変わってきたように感じるのは、たぶん気のせいじゃない。肌や体と同様、20代に入れば私たちの髪も年齢と共に変化する。

抜け毛を専門に扱うフェイシャル形成外科医で、米国顔面再建手術学会メンバーのヤエル・ハラース医学博士が、髪の移り変わりと対策について語ってくれた。

20代では

10代20代の頃に、髪で遊ばない子なんていない。カラーにパーマ、縮毛矯正といったヒートスタイリングはもちろんのこと、様々なスタイリング剤だって試すもの。ハラース医師によると、この楽しい経験が髪に大打撃を与えるというから残念。熱を発するツールの使い過ぎや、過剰な加工処理 (常に髪を染めているなど) によって、髪は乾燥してもろく切れやすくなる。

「20代の髪質は、ホルモンによっても大きく変わる」。例えば、女性にありがちな甲状腺疾患を抱えていると、髪が弱くなって抜け落ちたり、切れやすくなったりする。逆に20代で妊娠すれば、妊娠ホルモンで髪は太くなり、ツヤも良くなる。

対策: 繰り返されるカラーとヒートスタイリングのせいで髪が細くなっていると思う場合、シンプルな方法で大きな結果が望めるかも。熱、カラー、ブリーチを控えれば、数週間で明らかな改善が見られるはず。洗いながら髪の外皮を剥ぎ取らないよう、シャンプーとコンディショナーには硫酸塩を含まない低刺激のものを選んで。

髪を伸ばしたり巻いたりするのに熱を加えているなら、必ずヒートプロテクションスプレーを使うこと。「日光から髪を守るのも忘れずに。帽子を被らない人は多いけど、これ以上髪が傷むのを防ぐシンプルな方法」。ホルモン状態が原因の抜け毛には、病院でホルモンを調整する薬 (経口避妊薬など) をもらうことができる。

30代では

髪は7年で生まれ変わるという話を聞いたことはあるだろうか。ハラース医師いわく、これは単なる迷信ではなく本当なんだそう。髪は、複数の毛が毛包の中で束になったもの。不幸にも、この毛束が10年ごとに毛を失うので、年を取るにつれて髪が全体的に薄くなる。

個人差が大きく遺伝が関連するとは言われるものの、一般的に白髪が出はじめるのも30代。20代前半で白髪が生える人もいれば、50~60代になっても白髪知らずの人もいる。

対策: 「ビオチンのサプリメントは、太くてフサフサした健康的な髪作りに役立つ」 そう。髪の成長に役立つ様々な栄養分と酸素を頭皮に届けてくれるビタミンBも重要。全粒穀物、肉、シーフード、色の濃い葉物野菜を食事に取り入れて、ビタミンBの摂取量を増やしていこう。髪を洗うのは、2日に1回で十分。洗い過ぎは、頭皮に栄養と水分を与え、髪を健康に維持する髪本来の油脂を剥ぎ取ってしまう。

40代では

40代の髪に最も大きな影響を与えるのは、来たるべき閉経期。この間、気まぐれなホルモンレベルに適応するべく、体は数々の変化を遂げる。「閉経期には、嫌な経験をする女性も少なくない。髪が抜け、全体的にボリュームが減り、部分的にはげることも」。薄くなってくるのは、頭の横、正面、てっぺんの髪。ブラッシングやシャンプーで抜け落ちる髪の量が増えても驚かないで。

「閉経期に髪が抜けるのはホルモンバランスの乱れ、特にエストロゲンとプロゲステロンの生成量の低下が原因であることを示す研究結果がある」 という。これらのホルモンは髪の成長を早め、長期間にわたって抜け落ちるのを防ぐものなので、その量が減れば髪の成長は滞り、一気に薄くなる。眉毛も例外ではない。体毛が細くなり、伸びるのが遅くなったことにも気付くはず。

対策: 特定の薬によって髪質を変えることは出来る。ホルモンをコントロールする薬 (40代で処方されることが多い) で、髪の質感は大きく変わる。例えば、甲状腺疾患の薬や経口避妊薬の服用で、髪がもろくなるのはよくあること。これらの薬が原因で抜け毛が増えることもあるけれど、種類によっては抜け毛対策で処方されることもあるというから皮肉的。「服用中の薬によって、髪が抜けたり薄くなったりしている可能性があるなら、医師に相談すること。副作用のない薬に変更できるかもしれない」

抜け毛が続くようなら、毛髪移植が解決策の一つ。年齢を問わず、頭髪でも眉毛でもどこにでも可能。ハラース医師が用いるのは、スマートグラフトと呼ばれるマイクロ移植技術。これは、毛包を一度に一つずつ採取し、毛のない部分に一つ一つ植えることで、自然な生え際を複製するもの。ちゃんとした結果を得るために、正式な認可を受けた外科医による手術を受けること。レーザー治療、多血小板血漿療法 (PRP)、処方箋といった他の手段もある。あまりに気になるのなら皮膚科専門医に相談して、あなたに合ったオプションを見つけよう。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Grace Gold Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images