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「適度な脂質は身体にとって非常に大切」と話すのは、『Read It Before You Eat It』の著者であり、公認管理栄養士のボニー・タウプディックス。適切な量の良質な脂質を摂ることは、料理の味を良くしてくれるだけでなく、減量にも役に立つんだそう。低脂肪商品の宣伝や広告に惑わされないで! アメリカ版ウィメンズヘルスが油について専門家に聞いてみた。

良質な脂質はヘルシーなの?

脂肪分がいまだ悪評な主な理由は、ドーナツやチーズのかかったフライドポテトのような、アンヘルシーな食べ物のイメージが強いから。このような脂肪分の多いフレイバーは、もっと食べたくなる欲求が生まれやすく、過食に陥りやすい。過去にさかのぼると、マンモスがいた時代はカロリーを十分に摂取することは難しく、人間は濃縮された脂肪分を求めるように進化したという。脂質は1グラム当たり9カロリーなので、生き残るために欠かせなかったそう。ちなみに、炭水化物やタンパク質は4カロリー。

原始時代のように生存するために脂質を必要とする時代ではなくなったけれど、今でも脂質は体にとって重要な役割を果たしている。「ビタミンA・ D・E・Kは脂溶性であり、脂質と一緒に摂ることで吸収率が高まる。つまり、脂質なしではうまく吸収されにくい」とタウプディックス。

脂質はなぜいいの?

脂肪分やカロリーが低めの食事ばかりしていては実は損をしている。

サラダに低脂肪ドレッシングをかけて食べているなら、グリーン野菜から得られる栄養素を摂り損ねているし、後で間食したくなりやすい。「1回の食事で満腹感を得ることは、減量のプロセスにおいて欠かせないこと」とタウプディックス。「アボカドやナッツのような良質な脂質を合わせた食事は、体内で消化に時間がかかり満腹感が持続することが研究で実証されている」

低脂肪のウソ

米・国傷害予防管理センターのデータによると、2000年のアメリカ人の脂肪分摂取カロリーは、1971年に比べて減少しているが、女性の1日の総摂取カロリーは300カロリーも増加していることがわかった。

ヘルシーだと思われている低脂肪食品の需要に応え、製造業者は食品の脂質を砂糖と置き換えている。「低脂肪というふれこみだけで『ヘルシーだ』と安心しがちだけれど、結果、カロリーを見逃している」とタウプディックス。

脂肪分をカットした食事ばかりしているのは、脂質が減量を促す効果を無視しているということ。『糖尿病ケアファウンド誌』に掲載された論文によると、アーモンドなどに含まれる一価不飽和脂肪酸を含有する食材は、おなか周りの脂肪の蓄積を防ぐ役目があるそう。「つまり、脂肪分を摂取する供給源を吟味することが重要となる」と話すのは、ミネアポリスのライフタイム・アスリートクラブで栄養指導をする公認管理栄養士のローレン・ブラウアー。炭水化物と脂質を一緒に摂ることで、血糖値や空腹感を安定させることもできる。

一日の中で、炭水化物と脂質を組み合わせたメニューを心掛けよう。例えば、朝は天然のナッツバターを全粒粉トーストに塗ったもの。昼はオリーブオイルをかけたサラダ。スナックは、生野菜にアボカドをつぶして作った濃いソースのワカモレをディップしたものなど。

避けるべき脂肪は「トランス脂肪酸」

人工的に生成されるトランス脂肪酸だけは健康に良くない。トランス脂肪酸は悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)が上昇することが実証済み。健康上のメリットが多い不飽和脂肪とは異なり、水素添加処理の過程によって化学変化したものがトランス脂肪酸で、日持ちするため販売しやすい。例えば、店頭で長期間販売できるように、水素添加油もしくは部分水素添加油を使用して製造されたクッキーなど。

トランス脂肪酸を避けるためには、成分表を確認し、水素添加油脂、部分水素添加油脂、硬化油脂と記載されている食品は買わないこと。

炭水化物やタンパク質と比較すると、脂質のカロリーは2倍になるため、たとえ良質な脂質であろうと、食べすぎには注意して。「多くの人が良質な脂質を心がけようとしているけど、摂りすぎの傾向にある」とタウプディックス。特にオリーブオイル。大さじ1で120カロリーあるため、摂取量に気をつけない限り、適切な量(大さじ2)を軽く超えてしまいがち。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Jane Dileo Translation:Yukie Kawabata Photo:Getty Images