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流行の食事方法を始める前にまず読んで。
グルテンフリーは今ではとても知られた食事法。大きなライフスタイルの変化を伴うけれど、一体どれくらいの人がちゃんと分かっているのか?フロリダ大学の研究者はこの小麦、大麦やライ麦に含まれているタンパク質についての誤解を解き明かした。その内容をアメリカ版「ウィメンズヘルス」からご紹介。

フロリダ大学の行った調査では97人の参加者にクッキーとチップスを2種類ずつ食べてもらいグルテンフリーの食事法に関してどう考えているかアンケートを取った。参加者の食べたクッキーとチップスの一方には「グルテンフリー」、もう一方には「通常」と書かれていたものの、実際はどちらにもグルテンは含まれていなかった。この実験で研究者は、どちらも見かけは同じだったが、単純にラベルの表示で違いを判断しているのではないかと考えた。参加者は全体的な好み、味、食感に大きな違いを感じなかったものの、「グルテンフリー」と書かれたものの方がヘルシーだと考えたという。

この調査の概要は「The Journal of Nutrition Education and Behaviour」に発表されたばかり。(全文はまだ公開されていない)今回、この調査を行ったキャロリン・ダン医学博士にグルテンフリーのものを食べる時のよくある誤解について詳しく聞いてみた。

誤解1:グルテンフリーを食べれば体重減は保証されている

調査対象の32%の人が、医師はグルテンフリーダイエットを体重を減らすために指導すると考えたそう。「グルテンフリーダイエットを実践している人は結果として多くの炭水化物をやめなくてはいけない。だから体重が減るのも無理はない」とダン氏。一方で炭水化物をそのままグルテンフリーの食材と交換していても体重は減らない。「このダイエットが体重への効果があるとしてもてはやされるのは、理想的にはグルテンフリーをすることでジャンクフードを減らし、野菜やフルーツ、脂肪の少ない肉が増えるため。でもこれは別にグルテンを減らさずともできる。同じようにヘルシーな食事をすればダイエット効果はあるはず」とダン氏。

誤解2:おいしいものを食べられない

この実験によって分かったことの一つとして、グルテンが入っているものとそうでないもの味の違いについてあまり差がなかったということがある。参加者が食べたクッキーとチップスはどれもグルテンが入っていなかったのにも関わらず、通常のグルテンの含まれる食品として通ってしまったのだ。また参加者は、食べたサンプルについてカロリー、脂質量、炭水化物量を当てるように言われた。するとグルテンフリーのものも通常と同じくらいだと予想した。つまりグルテンフリーでもおいしさにあまり差がなかったということ。

誤解3:グルテンが少なければお腹にもやさしい

調査では、グルテンを除去すれば消化器官にはよいはずだ、と35%が回答。でも、これはセリアック病やグルテン過敏症の場合のみ。「そうでなければ、グルテンを除去することによって消化器官によい影響があるという医学的な根拠はない」とダン氏。

誤解4:食生活が改善する

調査の約3分の1の参加者が、グルテンを摂取しなくなれば全体的な食生活が改善すると考えた。しかし、実際は真逆だという。「どんな理由であれグルテンフリーを行う時に懸念されるのは、主要栄養素が足りなくなること」とダン氏は話す。米国政府の指針により、穀物が主要原材料のものはビタミンやミネラルが添加されていることが多いので、グルテンをカットするということはこういった栄養素を摂らなくなってしまうということ。たとえば、妊娠初期の胎児の生育に欠かせない葉酸なども不足する可能性がある。「アメリカでグルテンフリーダイエットをしている人の多くは若い女性。この人たちこそ葉酸が誰よりも必要なはず」とダン氏は話す。妊娠しているかどうかに限らず、裏面表示の栄養素を見て、1日の栄養素が十分足りているかは確認するくせをつけて。

誤解5:グルテンフリー食品の方が、通常のものよりもヘルシーである

調査では37%の人がグルテンフリーの方が自動的に通常のものよりヘルシーだと考えているが、多くの場合それは正しくない。「もともとある製品をグルテンフリーにする時は、小麦粉の替わりになにか別のものを加えなくてはいけない」とダン氏。これは、グルテンを除去すると食感、かみごたえ、おいしさが失われがちのため。それを補完するには油脂分や糖分を通常のものよりも増やすことになる場合もある。

結論として、自分の身体がグルテンフリーの食事をすることでプラスのことがあるかを確認せずにグルテンフリー食に飛びつくのは、体重減にも悪影響の場合がある。「世の中では10年おきになにかの特定の栄養素を悪者にして、なにかをかわりに持ち上げる傾向がある。たとえば90年代は脂質が悪者で、今ではグルテンが悪者のように扱われている。でもグルテンフリーでヘルシーな食生活を送ることもできるが、別にグルテンフリーじゃなくてもヘルシーな食事をすることはできる」とダン氏。もしセリアック病と疑われるような症状があれば、医師の専門的な診断をまず受けて。そうでなければ、体重を減らしたいならグルテンフリー以外のダイエット法を考えてみて。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Zahra Barnes  Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images