体にいいの?悪いの? 管理栄養士から教わる“玄米”の栄養と毒性についての真実

01 April 2019

体にいいの?悪いの? 管理栄養士から教わる“玄米”の栄養と毒性についての真実

今やレストランで白米か玄米のチョイスがあるほど、日本人の食生活に浸透している“玄米”。とはいえ、「白米より栄養価が高く、健康にいい!」といわれる反面、「実は毒性があり、健康に悪い」など、さまざまなうわさが流れているのも事実。気になる真相を確かめるべく、テレビなどで活躍する管理栄養士、浅野まみこさんに話を伺った。

浅野まみこさん

管理栄養士 浅野まみこさん

総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにおいて糖尿病の行動変容理論をベースに栄養相談を行う。現在は食育活動やレシピ開発、食のコンサルティングをはじめ講演、イベントなど多方面で活躍中。銀座の飲食店のヘルシーメニューの考案やNHK「おはよう日本」、TBS名医のTHE太鼓判など、メディアや雑誌に多数出演。「食生活が楽しいと人生が100倍楽しい!」をモットーに活動をしている。『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』(草思社)。『血糖値は食べて下げる寝て下げる』(共著、アスコム)など著書多数。 http://e-vita.jp/ ■Instagram @asanogohans  ■Twitter https://twitter.com/eiyoushi_mami ■Blog https://ameblo.jp/evita/

玄米と精白米はなにが違う?

そもそも玄米とは、もみ殻を取り除いたお米のこと。玄米にはぬかや胚芽、胚乳がついたままなので、白米にはない栄養価が摂取できる。

「白米に比べ、玄米は、ビタミンミネラルをはじめ、ポリフェノール類など栄養素が豊富です。玄米が含む栄養素のなかで魅力な成分の一つにギャバがあります。ギャバは機能性成分で、摂取することで交感神経を抑える働きがあり、血圧を下げる働きや興奮を抑え、ストレスの軽減などにも効果が期待されています。さらに、玄米に含まれるγオリザノールも注目されている成分です。これは“ぬか”の米油部分に入っている成分で、インスリンの分泌を促し、血糖値を改善する働きがあります。また、コレステロールの吸収を抑制、改善す働きや、レプチン値を正常に戻すことで満腹中枢が刺激し、食欲を抑える働きをします」

ビタミンミネラルについても、精白米に比べると玄米は豊富だという。

「玄米は、精製されていない状態なので、ビタミンや、ミネラル、食物繊維がとても豊富です。例えば、女性に多い貧血の予防や冷えの改善に必要な鉄の含有量は、精白米が0.8mgに対し、玄米には100gあたり2.1mgと約2.6倍含みます。 カルシウムの吸収を助けるマグネシウムは110mg(精白米23mg いずれも100g中)、むくみ改善やナトリウム排泄効果のあるカリウムは玄米230mg(精白89mg 100mg中)と、精製される前の方がしっかりと含まれるのです」

さらに、ビタミンも豊富だと浅野さんは話す。

「疲労回復や糖質の代謝を助けるビタミンB1や、キレイな肌づくりに欠かせない、脂質の代謝を促してくれるビタミンB2も精白米より玄米のほうが多く含まれています。ビタミンB群は、食物でいうと肉や魚、卵などに多く含まれる栄養素ですので、ビーガンの方がよく玄米を食べられるのは、肉や魚などの代わりに、玄米から効率的にこのビタミンを摂ることができるからです。また、葉酸やビオチン(ビタミンB12)も多く含んでいます」

とはいえ、その「栄養素が高い成分を残している」=「もみ殻しか取っていないもの」ということに、気になる点があるという。

「玄米はお米からもみ殻を取り除いただけのものなので、農薬が付着している可能性が高いということは念頭に置いて考えていただきたいですね。いい意味でも悪い意味でも玄米は“植物そのまま”。玄米を選ぶ際には、栽培方法などに納得をして購入されることも1つのポイントかもしれません。例えば、無農薬や有機栽培を選ぶことで、そのリスクを軽減する方法もあります」

玄米には農薬のほかに毒性がある?

農薬がついたままかもしれない、というリスクはわかったものの、他の毒性はないのだろうか。

「一般的に玄米の“毒性”と呼ばれているものは、アブシジン酸とフィチンのことです。まず、アブシジン酸はストレス系の植物ホルモン。植物ホルモンは乾燥すると発生すると言われています。また、フィチンは鉄や亜鉛と結合し、ミネラルの吸収を阻害する働きがあります。アブシジン酸、フィチン共に、浸水させておくことで、軽減させることができますので、玄米を食べるときは、炊く前に1時間以上、しっかりと吸水させておくことが大切です」

玄米は栄養素の吸収を妨げる場合もある 

ここまで、玄米の栄養価の高さや気をつける点などをお話して来ましたが、実は、一番大切なポイントが。それは「よく噛むこと」だという。

「玄米は、食物繊維が豊富であり、消化がとてもしにくい食品です。しっかりと噛んで、細胞を壊しながら食べることで、ビタミンやミネラルを含め、栄養素が吸収できますが、咀嚼しないと栄養素が吸収されず、ただのカプセルのように通過して、体外に排出されてしまいます。胃腸の弱い方にとっては、負担がかかってしまう場合もあります。食べるときは、①しっかりと浸水させておく ②やわらかく炊く ③ しっかりと噛むこの3点を意識してくださいね」

玄米は体にとってうれしい栄養素が多く含まれている食べ物。せっかく食べるなら、無農薬・有機栽培のものをチョイスし、炊く前にしっかり吸水させ、食べるときはよくかむこと。この3点をしっかり守って、栄養満点玄米ライフを楽しもう。

 

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Photo: Getty Images

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