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ここ数年、乳製品の評判が悪いみたい。そこに含まれる飽和脂肪が、オーストラリア最大の死亡要因である心血管疾患のリスクを高めると言われているのだとか。でも、この長年抱かれてきた信念を打ち砕き、乳製品の脂肪と早死にの間には何の関係もないとする新たな研究が現れたそう。この内容をオーストラリア版ウィメンズヘルスからご紹介。

アメリカの臨床栄養学専門誌に掲載されたこの研究は、65歳以上の成人約3,000名を22年間追跡し、乳製品から摂取される異なる脂肪酸濃度に対する血漿量(けっしょうりょう)を測定。研究の結果、総死亡数に大きく関係する脂肪酸は一つもなく、実際には脳卒中による死亡リスクを42パーセント下げる脂肪酸があることも明らかになったそう。

「過去の所見から一貫して、我々の研究結果は、カルシウムやカリウムなどの栄養素が豊富な全脂肪乳製品に対する現在の食事ガイドラインには、再考の必要性があることを強調している。これらの栄養素は、幼年時代だけでなく生涯の健康にも不可欠で、栄養不良および骨粗しょう症のような疾患が一般的になる高齢期には特に重要」 と語るのは、この研究論文の筆頭著者であるマーシャ・オット。

「消費者は、食事、特に脂肪に関するさまざまな矛盾する情報にさらされている」 と彼女は続ける。「よって、うわさではなく科学的な事実をもとに人々が十分な知識を得て、バランスの良い選択をすることができるよう、確固たる研究結果を出すことが大切」

公認管理栄養士のクロエ・マクラウドがオーストラリア版ウィメンズヘルスに語ったところによると、人々は脂肪に関してひどく混乱している。

「それは、かなり長い間『低脂肪はOKで、高脂肪はNG』 と言われてきたから。人々は、脂肪を摂っても大丈夫だということに気付き始めていると思う。でも、だからといって『今度は全脂肪がOKで、低脂肪がNG』というルールを全ての乳製品に当てはめないようにするのが大事。すべての乳製品には、それぞれの価値と異なる使われ方がある」

公認管理栄養士のナット・ヴォン・バータッチによれば、「乳製品の飽和脂肪には、ビスケットやケーキといった加工食品に含まれる飽和脂肪と同じような悪影響はない、という可能性を示す研究が増えている」そう。

「新出の研究が、全脂肪乳製品に対する私たちの考え方を変えている。特にミルクとヨーグルトは、全脂肪バージョンでも脂肪が4パーセント程度と比較的低い」 と、ナットはオーストラリア版ウィメンズヘルスに語った。「乳製品の飽和脂肪は、カルシウムやタンパク質といった乳製品の他の構成要素との相互作用によって体に悪影響を与えると考えられていたが、それはないという可能性が高まっている」

彼女はまた、「乳製品とカルシウムを十分に摂取していない人がほとんど。どんな種類でもいいので、日常的に乳製品を取り入れて」 とアドバイスしている。

これってつまり、お祝いにブリーチーズをたくさん食べてもいい? クロエによると、それは食事を構成する他の要素次第。基本的にはバランスが全て。

「普段から、全脂肪の乳製品が食べたいという人は、ぜひ食べてと言っている。でも、食生活において他の種類の脂肪が多く、それらを減らしたくない場合や、何らかの理由でカロリーの摂取量を減らす必要がある場合には、たぶん低脂肪の乳製品を勧める」

オーストラリアの食事ガイドラインも心臓財団も、今のところミルク、ヨーグルト、チーズには低脂肪のオプションを勧めている。しかし、低脂肪でも風味の付いたオプションには大量の砂糖が含まれていることがあり、それ自体がさまざまな健康問題をもたらすと指摘する科学者もいるそう。

ナットによると、「低脂肪およびスキムミルクは、今でも選ばれるにふさわしいタイプの乳製品だ。ただし、低脂肪ヨーグルトの中には砂糖が大量に含まれているものがあるので要注意。成分表で、砂糖が100グラム中10グラム以下であることを確かめて」

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Lauren Williamson Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。