コーヒーは基本的に消化器系を刺激する物質とされているそう。その正確な理由と方法は、実はまだ研究段階であるのだとか。でも、恐らくカフェインの仕業である可能性が高い、と予測されているよう。
米トゥーロカレッジ医学部の臨床医学助教授で、胃腸科専門医のニケット・ソンパル医学博士はカフェインのことを “機能調整薬”と呼んでいる。「カフェインを摂取すると『何か入ってくる代わりに、何かを出さないといけない』という指令が結腸に送られます」
体は “蠕動(ぜんどう)運動” というプロセスを通して、こうしたシグナルを送るとされている。蠕動(ぜんどう)運動とは、食べ物を体内で動かすための腸の筋収縮のことで、米セントジョン・プロビデンス・ヘルスセンターの胃腸科専門医、ルドルフ・ベッドフォード医学博士によると、コーヒーはこのプロセスを加速させるのだとか。
蠕動(ぜんどう)運動を加速させる以外にも、カフェインは大腸の大部分を占める「結腸」の筋肉をリラックスさせる働きもすると、ベッドフォード博士は続ける。そして、この蠕動(ぜんどう)運動が加速され、結腸筋がリラックスするのが同時に起きると、便意を感じやすくなるそう。
ベッドフォード博士によれば、この二つの体内プロセスの影響で、胃酸が逆流することもあるそう。でも、この場合緩まるのは、結腸筋ではなく肛門や尿道の周囲にある括約筋。
また、コーヒーは酸性であるため、胃をむかつかせるアルカリ性の物質、「胆汁」を生成しやすくなるよう。コーヒーで下痢になる人がいるのは、この胆汁が胃に蓄積されることも考えられるみたい。