イギリスでは毎日7千万杯のコーヒーが消費されており、愛飲者の57%は朝いちばんにコーヒーを飲んでいるそう。だって仕事前にコーヒーを飲めば頭がシャキッとするはず……でしょ? でも、コーヒーの効力を最大限に引き出すためには「タイミング」が大きな鍵を握るとか。イギリス版ウィメンズヘルスがその理由に迫る。
せっかく摂った栄養が台無しに!? コーヒーは鉄分の吸収を遅らせる
「朝食にコーヒーを合わせるのは当たり前!」なんて人も多いはず。
でも、イギリスの栄養科学諮問委員会の分析結果は、コーヒーを鉄分豊富な食材と合わせてしまうと、鉄分が吸収しにくくなると明かしている。
さらにキングス・カレッジで栄養科学の教授を務めるポール・シャープは、イギリスの公共放送局BBCのテレビ番組に出演し、同様の結果を述べている。これは、コーヒーに含まれる化学物質、ポリフェノールが効率よく鉄分と結合し、鉄分を溶けにくくするからだそう。
そこでチェックしておきたい鉄分豊富な朝食メニューは以下。
- 鉄分が多く摂取できる玄米フレーク
- 全粒粉のパン
- カシューナッツ
- ホウレン草など、色の濃い葉物野菜
- 豆腐
ポール教授は、鉄分豊富な朝食を摂った際には、グラス1杯のオレンジジュースを飲むかオレンジをそのまま食べると、鉄の吸収をよくしてくれるとアドバイスしている。もしもその後にコーヒーを飲むとしたら、最低30分は我慢して。
シャキッと目覚めるのに必要なホルモン「コルチゾール」の分泌を妨げてしまう
ストレスホルモンとしても知られる「コルチゾール」は体内で生成される主要ホルモンの一種で、その分泌量は日中を通して変動する。実はシャキッと目覚めるための手助けをしてくれるのが、このコルチゾール。そのためコルチゾールの分泌量が最も多いのは一般的に朝とされていて、午前8時頃にピークを迎えると言われている。逆に夜はコルチゾールの分泌量が減るので、疲労や眠気を感じるようになる。
ところがカフェインは、残念ながらコルチゾールの分泌を妨げてしまうそう。そのため朝にコーヒーを飲んでしまうとコルチゾールが分泌されにくくなり、どんどんカフェインに依存してしまう。
一方で2008年に行われた実験では、毎朝コーヒーを飲むとカフェインの効き目が弱まることが判明している。そのためコーヒー頼みでは注意力や生産性のアップは図りにくいことが分かったのだとか。
この結果を踏まえて、科学者たちはコーヒーを飲むベストな時間帯を「コルチゾールの分泌量が自然と減るタイミング」と結論付けたそう。正確には午前10時から正午の間と、午後2時から5時の間のよう。早速効き目を試してみては?
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Katie Robertson and Ally Head Translation: Ai Igamoto Photos: Getty Images