足りない栄養素を補完するには、その捨てた一切れが必要かも。その内容をアメリカ版「ウィメンズヘルス」からご紹介。
ジャンクフードばかりの食事では、必要な栄養素やビタミンが摂れていないのが現状。でも、一見皮肉に思えるかもしれないけれど、捨てている食べ物がこの状況を改善してくれるかも。これは、アメリカでは、栄養豊富な野菜の大事な部分を食べずに捨てていることが多いため。
なんと、2017年の研究では、小売り及び家庭で捨てられている食品に一日あたり、食物繊維が5.9グラム分も含まれていることが分かったという。これは、一日の推奨摂取量の23パーセントだという。食物繊維に加えて、タンパク質、ビタミンD、カルシウムやカリウムなどもこの廃棄分に含まれている。
その一方で同じ2017年の調査では、平均して食物繊維が8.9グラムも足りていないことが分かっている。となると、この解決方法は明らか。
アメリカ人は、野菜の皮や茎を捨ててしまうけれど、実はその捨ててしまっている部分こそ、栄養も食物繊維もたっぷり。そこでこういった部位を捨てずに丸ごと使うだけでも、食品廃棄量は減り、さらに栄養をより多く摂れることになる、とケイト・ギアガン医学博士。「新鮮なフルーツと野菜の外側の部分には抗酸化成分がたくさん含まれている。これは、野菜自身が紫外線や害虫から身を守るために必要なので、外側の部分に集まるため」とギアガン医学博士。
そして、調べてみるとこの廃棄部分とされるものも実際はおいしい!そこで、ゴミを減らしながら、栄養素を摂るにはどうしたらいいかを考えてみた。
ビーツの葉
ビーツの葉にはカルシウム、ビタミンA、ビタミンC、さらにはホウレン草以上の鉄分が入っていると、医学的な観点からダイエットをサポートするMedical Weight Loss of New Yorkのマーサ・パスクッチ医学博士。葉の部分は刻んでニンニクとオリーブオイルで炒めれば簡単な副菜のできあがり。
ブロッコリーとカリフラワーの茎
ブロッコリーやカリフラワーなどのアブラナ科の野菜は、野菜の中でも栄養価のとても高い部類に入る。だからせっかくなので、全部使うようにして。茎や葉にはベータカロテン、抗酸化成分、葉酸が豊富な上に味も抜群、とジェシカ・ジョーンズ医学博士。小さく切って炒めるかスープに加えて食物繊維をしっかり摂って。茎の部分はおろしたり、刻んで野菜スープやサラダに加えても。
ニンジンの葉の部分
ニンジンの上の緑の部分はオレンジの部分よりなんとビタミンAが6倍も含まれている、とキャロライン・ウェスト・パッセレーロ医学博士は話す。Academy of Nutrition and Dieticsのスポークスマンのパッセレーロ医学博士のおすすめは、葉の部分はフードプロセッサーに油少々、チーズやナッツを加えてニンジンの葉のペストにすること。あるいは、小さく切って雑穀サラダに加えて。
スイカの皮
スイカの皮は食べられる上に、シトルリンの宝庫。シトルリンはアミノ酸の一種で、動脈をリラックスさせて広げてくれるので血圧にも効果がある。できれば、皮まで食べる時はオーガニックのものを選んで、と「Go Green, Get Lean」の著者ケイト・ギアガン医学博士。簡単なピクルスにすればさっぱりとしたおやつにもなる。
キュウリの皮
キュウリの皮をむくなんてもったいない!キュウリの皮には実の部分よりも栄養が含まれている。特に、骨を丈夫にしたり、血管のつまりを防いでくれるビタミンKが豊富、とパスクッチ氏。ただし、よく洗って外側についたワックスを洗い流して。きれいに洗ったものは皮ごとうすく切るか粗くおろしてサラダやスムージー、冷たいスープに入れて。
オレンジの皮
オレンジの皮や白いすじの部分にはびっくりするくらい栄養が含まれている、とパスクッチ氏。果肉のまわりの白いすじの部分には血中のコレステロール値や血圧を下げたり、炎症を抑えてくれる植物栄養素のヘスペリジンが含まれている。また皮とすじにはペクチンも含まれ、これが満腹感につながる。もし皮部分も食べたいと思っているけれど、苦みが苦手な場合は、焼き菓子を作るときに皮部分をすりおろして入れてみても。それ以外には、鶏肉や魚に乗せて料理に使ってみても。もし、スイーツがわりに甘くしたければ砂糖漬けのオレンジピールにしてみて。
タマネギの外側の部分
外側の茶色い部分は抗酸化成分のケルセチンが豊富で、この成分が血圧をコントロールしてくれると、Capital Area Food Bankのジョディ・バリス医学博士。タマネギを使ったときに皮だけ冷凍庫にとっておいて、ある程度たまったら野菜のだし汁を作るのに使うか、スープやシチューなどの隠し味に使って。
キャベツの外皮
この部分は傷んでいるとすぐに捨ててしまうけれど、キャベツはビタミンA、ビタミンC、ビタミンB群などが豊富だとバリス氏。細く切って炒め物に加えたり、スープにも入れてみて。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text:Jill Waldbieser Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images