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“スーパーフード”として名高いアジアのスパイス、ウコン (ターメリック)。数々の研究から、前立腺がんや心臓病のリスクの低下、細菌やウイルスの退治、痛みの緩和などに結び付けられているけれど、最新の研究より判明したのは新たな効果は記憶力のアップに役立つこと。この新しい知見に、オーストラリア版ウィメンズヘルスが注目!

記憶力アップとひもづけられているのは、ウコンを黄色く彩るクルクミンという名のポリフェノール化合物。アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)による最新の研究では、クルクミンは記憶力のみならず、気分も上げてくれる可能性が明らかになっている。

同校の実験では、軽度な記憶障害を持つ50~84歳の成人40名が二つのグループに分類された。一つ目のグループは、90ミリグラムのクルクミンを1日2回摂取し、二つ目のグループは偽薬を飲んだそう。18カ月に及んだ実験の間、両グループは定期的な認知機能チェックを行った。さらに被験者の30名をクルクミンの摂取者と非摂取者に分け、βアミロイドやタウタンパク質など、アルツハイマー病と関係するとされている異常タンパク質の量を調べるために、実験の最初と最後で脳の画像検査を行ったという。

その結果、クルクミンを摂取したグループは最後に受けた記憶力テストの成績が最初に比べて28%ほどアップし、気分にも若干の向上が見られた。一方で偽薬を与えられたグループには大きな変化が見られなかったそう。

ただし、その明確な理由はまだ解明途中のよう。脳の画像検査から分かっているのは、クルクミンを摂取したグループの方が、記憶や感情に影響する脳の部位に異常タンパク質が多く見られなかった、ということ。

脳内の炎症が多ければ多いほど、うつ病や認知症になりやすいとされているが、UCLA長寿センターのディレクターであり、この研究文献の筆者でもあるゲーリー・W・スモール医学博士によると、「抗酸化物質であるクルクミンは炎症を緩和する効果があるかもしれない」そう。

健康な若年層を対象とした研究はまだ行われていないけれど、「アミロイドやタウタンパク質の蓄積や炎症の悪化は、一部の若年層や中年層に見られています。クルクミンはこういった層に向けての治療法にもなり得るかもしれません」とスモール医学博士は話している。

ところが実はクルクミンはウコンの約5%。そのためクルクミンの恩恵を受けるには、食事にウコンを振りかけるのではなく、サプリメントからの摂取(*)が勧められている。

とは言え、日頃からウコンを摂取することは決して悪いことではなさそう。
スモール博士によると、「認知症を患っていない1,000名のアジア人を対象とした研究では、頻繁にカレーを食べる人の記憶力の方が、カレーを一切あるいは稀にしか食べない人に比べて良かった」 と明かしている。

公認管理栄養士のケリー・ガンズいわく、「ウコンはオメガ3脂肪酸が豊富なサーモンやマグロなど、炎症を抑えるとされている食材に加えるのがおすすめ」なのだとか。

※上記は研究段階の知見です。サプリメントを摂取する場合は自己責任で服用下さい。また自己判断できない場合や疾患などがある場合は、医師に相談することをおすすめします。

この記事は当初、アメリカ版メンズヘルスに掲載されました。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Alisa Hrustic Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images