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健康的な食生活を送るうえで、辛いものは積極的に食べるべき? それともできるだけ控えるべき? なかには「代謝をアップさせる」というメリットを耳にすることもあれば、「胃酸の逆流を招く」という噂も。そこでアメリカ版ウィメンズヘルスは、辛いものから期待できるうれしい効果を7つ、管理栄養士に教えてもらった。

そもそも辛い食べ物が胃酸を逆流させることはない?

実は辛いものは胃酸の分泌を減少させる働きをします」と説明するのは、ウェブサイト「BetterThanDieting.com」の創設者で『Read It Before You Eat It』の著者である管理栄養士のボニー・タウブ=ディックス。

辛いものが苦手なら無理して食べる必要はないけれど、「少しずつ食生活に取り入れてみては?」と提案するタウブ=ディックス。「料理には塩を加える代わりに、スパイスで味を調えてみるのもいいでしょう」。スパイスを加えると、野菜や肉の風味を引き立たせ、より一層食欲をそそる仕上がりになる。

ただし、辛いものの気になる点といえば、塩分が多いところ。スーパーなどで辛いものを購入するときは、原材料表示を確認して。ハラペーニョやハバネロ、チリパウダーが最初に記載されており、塩は原材料のリストの最後に記載されているか、そもそも含まれていないのが理想的。

早速辛いものから得られる健康効果をチェックしてみよう。

1. ダイエット効果は薄いけれど。代謝を高めてくれる

タウブ=ディックスいわく、多くの辛いものに含まれる唐辛子には、辛味成分のカプサイシンが含まれており、代謝を促進する効果があるそう。

「だからと言ってダイエット効果は期待しないように」とタウブ=ディックス。ジャンクフードにチリソースを大量にかければカロリーが消費しやすくなるというのは誤解。

口の中がヒリヒリするような辛さが苦手なら、マイルドな辛さでありつつもカプサイシンを含むターメリックやクミンがおすすめ。

2. 満足感を得られ、甘いものへの欲求を抑えてくれる

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歯を磨き、口の中にミントの味が広がると、甘いものへの欲求は静かに消え去るもの。タウブ=ディックスいわく、辛いものは歯磨き粉と似たような働きを持つそう。

「辛い食べ物を食べて口がヒリヒリしてくると、クッキーのような甘いお菓子への欲も薄れるでしょう」とタウブ=ディックス。「チリソースやハラペーニョを食べると満足感が得られるという話も、患者からよく耳にします」

3. 弱っているときには。炎症への緩和効果が期待できる

カプサイシンに備わっているのは強力な抗炎症作用。「体内の炎症を抑えることで、心臓の病気やガンと戦ううえでもプラスの効果が得られると言われています」

4. 悪さをする細菌から守ってくれる? 免疫アップを手助けしてくれる

激辛のお菓子を食べたから風邪を回避できる……なんてことはないけれど、スパイスに含まれる抗酸化物質には抗菌作用があるため、「体内に侵入した細菌から体を守ってくれる働きをします」とタウブ=ディックスは解説。ビヨンセが「マスタークレンズダイエット」で口にしていた、ホットレモンウォーターにカイエンペッパーを混ぜたドリンクは、風邪のひき始めに飲むのもよさそう。

5. なんだか乗り気じゃないときは、性欲まで高めてくれる

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せっかくのデートだけど、気分が乗らない。そんなときは、ピリ辛の手羽先を注文してみては? タウブディックスいわく、辛いものを食べると性欲を向上させるホルモン、テストステロンの分泌量が増加するとか。

さらに『Physiology and Behavior』誌に掲載された論文によると、辛いもの好きな人はテストステロン値が高いことが判明したそう。パートナーに「持続力」を求めるなら、これをヒントにして。

6. 水をゴクゴク飲むのが鍵。腸の働きを改善してくれる

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辛いもの自体がお通じを改善することはないけれど、ダウブ=ディックスによると、燃え上がるような辛さを抑えるために、水分を多く摂(と)ることが便通を改善する秘訣(ひけつ)だとか。「水分を多く摂ることで便秘が解消することも考えられるでしょう」

7. セロトニンの分泌を手助けし、ブルーな気分から脱出できる

「辛いものを食べることで神経伝達物質『セロトニン』が分泌され、気分が高揚し、うつ病の症状が緩和することも考えられます」とタウブ=ディックス。
とはいえ、精神疾患は治療せずに放っておくと、余計に悪化してしまうもの。うつ病の症状が出ているなら、辛いものに助けを求めず、臨床心理士など、プロの力を借りることを視野に入れて。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Marissa Miller Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images