「完全タンパク質には、体内で生成されず食事から摂るしかない “必須アミノ酸” が含まれている」と説明してくれたのは、公認管理栄養士のエリック・バスティロ。タンパク質は「アミノ酸」と呼ばれる構成要素で成り立っていて、その数は全部で20種類。役割としては、体内の組織を修復させることから、新しい組織の生成までを果たしている。さらに食べ物を分解したり体調を整えてくれたりするのも、このアミノ酸。米国立衛生研究所によると、この20種類のうち、以下の9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれていて、体内では作れないため食事から摂取する必要があるそう。
ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン
「非必須アミノ酸」または「可欠アミノ酸」として知られる、残り11種類のアミノ酸は、体内で生成が可能なため、必ずしも食べ物から摂取する必要はないみたい。
完全タンパク質とは、上記9種類の必須アミノ酸を全て含んでいて、体が正常に働くために必要な「タンパク質から取れる栄養素」を補給できるという優れもの。
エリックによると、肉や魚、乳製品や卵も完全タンパク質と呼べるそう。「大豆タンパクも完全タンパク質の一つです」と彼は付け足す。そのため肉好きな人や魚好きな人は、9種類の必須アミノ酸がしっかりと補給できるということ。たとえ肉や魚を食べない「ラクトオボ・ベジタリアン」でも、卵や乳製品を摂取していれば、完全タンパク質を摂取しているということになる。