Product, Food, Champagne stemware, Plant, Fruit, Strawberries, Stemware, Garnish, Glass, Drink, pinterest

パートタイムベジタリアンはどんなもの? 何を食べて、何がいいの?

野菜主義者、フレキシヴォアー、フレキシタリアン、どの呼び方を使うのでもよいけれど、パートタイムのベジタリアン、つまり基本的に野菜を中心に食べて、たまに肉を食べる……そんな食事方法を選ぶ人が増えている。サステナビリティーの専門家、Forum for the Futureはイギリス人のうち3人に1人はこのカテゴリーに属するという。では、私たちも始めるべき?

フレキシタリアン食を始めるモチベーションは人それぞれ。健康や環境、倫理など始める理由は色々ある。フレキシタリアンは肉を食べる人に比べると、体重が少ない傾向にあり、3.6年も長く生きる、と「The Flexitarian Diet」の著者のドーン・ジャクソン・ブラトナー。これは、野菜に含まれる、フィトケミカルという植物中に存在する化学物質で抗酸化作用のあるもののおかげ。フィトケミカルは野菜には豊富に含まれている。オックスフォード大学の研究では、1週間のうち肉を食べる日を3回に抑えることで心臓病や発作、ガンなどのリスクが下がることが分かった。これは2015年のInternational Agency for Research on Cancerにも裏打ちされている。この研究では毎日50g加工された肉を食べることで、大腸ガンのリスクが18パーセントも上がったそう。

では肉を繊維たっぷりの野菜に変えればリスクは下がるの? それはなぜ? 繊維は消化器官の老廃物を掃除してくれる。これで身体に悪い便が体内にとどまる時間が減ることに。現在は加工された肉は週に500gに抑えたほうがよいというのが一般的なアドバイス。つまり1週間のうち3、4食分ということ。残りの食事では野菜をたくさん食べよう。インペリアル・カレッジが最近提唱している一日10品目の野菜を、ということはあまり気にしなくてもいい。毎日の食事に少し緑の野菜を添えるだけでも、食欲や健康的な免疫機能を保つ働きをするお腹の中の何万個ものバクテリアのエサになる。

うれしい健康へのメリットだけでなく、肉を食べる量を減らすことは環境にもよいことがある。2015年の「Changing Climate, Changing Diets」とう気候変動と食生活に関するレポートによると、肉の消費が減ることで必要な水や土地が少なくなり、温室効果ガスの排出量も減るそう。しかも、この温室効果ガスのうち15パーセント近くが、家畜によって排出されているという。では、やっぱり野菜メインの食生活をするべき?

でも鉄分やオメガ3脂肪酸など、動物性の食物からの方が吸収されやすいたくさんの栄養素はどうすればよいのか? フレキシタリアンの解釈は自由。月曜日だけ肉を食べない#MeatFreeMondayでもよいし、平日は全部肉をカットしてもよい。他のダイエットと同じようにポイントはバランス。週のうち何回かの肉肉しい食事を植物性のものに替えるくらいなら、主要な栄養素が足りなくなることはない。たとえば、ボロネーゼを黒豆のチリにすればタンパク質も鉄分も含まれている。そして特に脂質の多い魚や卵、鶏、鴨などの家禽類を食べればよい。

食物繊維とフィトケミカルが多く、健康上のリスクも少なくなるのでフレキシタリアンという選択肢はよさそう。さらに、食べるものの幅も広がるので、腸内の菌も喜ぶ。だから、野菜の量を増やして、ステーキなどの肉肉しい一品はたまのご褒美に。これで一石二鳥。

フレキシタリアンを実践するには

肉の替わりにこの植物性の食べ物とチェンジして、あなたもパートタイムベジタリアンに。

TLTサンド

BLTサンドのかわりに、テンペ(T)、レタス(L)、トマト(T)でTLTサンドを。発酵させた大豆で作られたテンペは同じ仲間の豆腐よりも噛みごたえあり。

肉なしチリ

黒豆の食感はひき肉の代替にぴったり。しかも1カップあたり一日に必要な鉄分の20%を含んでいる。

漬け込み豆腐の炒めもの

スライスしたり、小さく切って炒め物やサラダに入れれば鶏肉の替わりに。

(UK版ウィメンズヘルスより)

Headshot of Kiriko Kageyama
Kiriko Kageyama
エル・グルメ編集長/ウイメンズヘルス編集長

『エル・オンライン(現エル・デジタル)』のファッションエディターを経て、フリーランスに。女性ランナーによる企画集団「ランガール」を設立。その後女性誌立ち上げやWebメディアの立ち上げを経て2017年にウィメンズヘルス』日本版ローンチ時から編集長に。2023年夏よりエル・グルメ編集長も兼務。趣味は料理を作って友人たちに振る舞うこと。