Pink, Clothing, Skin, T-shirt, Outerwear, Font, Shoulder, Fashion, Neck, Top, pinterest

3月10日(日)に行われた「名古屋ウィメンズマラソン」。今年もここで初めてのフルマラソンを経験した人がいる。人生で5km以上走ったことがなかったというKurumiさんは、理想の自分を目指す自分改革企画「Women’s Health Beauty Camp」のメンバーの一人。フルマラソン挑戦という未知の世界に飛び込んだ彼女が見た42.195kmの道のりとは?

スタートからゴールまでフラットなコースで、記録が出やすいとされている「名古屋ウィメンズマラソン」。「ニューバランス」がスポンサーをつとめるこの大会は、例年約2万人の女性が集まり、自己記録を更新する人、仲間とFun Runを満喫する人、そして初めてのフルマラソンに挑戦する人が多く参加する。

オリンピックの選考レースMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)としても知られ、日本のトップランナーも出場するこの大会に今年、初めてフルマラソンを走る女性がまた一人。

走ったのは、「Women’s Health Beauty Camp」最年少メンバーのKurumiさん。体形、メンタル、ライフスタイルの悩みや目標に向き合いながら、90日間で最高の自分に出会うために努力を重ねる女性たちを追ったこのプログラム。彼女が目指すのは、“誰が見てもかっこいい体”だそう。

彼女にフルマラソン出場を打診したところ即座に「走ります!」との返答。理想の体形と自信を得るためにバイタリティ溢れる彼女の挑戦が始まった。

「5km以上走ったことがない」から42km完走へ

名古屋ウィメンズマラソン出場を前に立ちはだかった第一の壁は、ロングランへの恐怖心だった。「長距離は苦手で、5km以上走ったことがないんです」というKurumiさんは、右も左も分からないエントリーランナー。いまだかつて足を踏み入れたことがない世界に一歩踏み出すのは、何歳になっても勇気がいるもの。

まずは相棒となるランニングシューズ選びから。

最初に訪れたのは、「ニューバランス原宿」。ここでは、自分にぴったりのランニングシューズを提案してくれるサービスが充実。最新機能を搭載した3Dスキャナーがシューズサイズの左右差やアーチの高さを計測、普段知り得ない正確な数値を“見える化”してくれる。その結果からシューズフィッター(ランニングに関する知識が豊富なアドバイザー)が、目的に合った一足をレコメンド。さらにはインソールやシューレースでより自分の足に適したシューズにカスタムする方法もレクチャーしてくれる。

Shoe, Footwear, White, Skate shoe, Leg, Sneakers, Ankle, Plimsoll shoe, Human leg, Fashion, pinterest

Kurumiさんがチョイスしたのは、軽量性や反発性などランニング初心者にうれしい多彩な機能を備えた「NB HANZO U」。店頭で軽度の試走も可能だから、履き心地を実感したうえで安心して購入できる。

徐々に距離を伸ばして、走れる成功体験を蓄積

フルマラソンへの緊張や不安を和らげてくれるのは練習のみ。走る経験を積み重ねれば、その分完走するイメージが鮮明になることは間違いない。6km走った日には「この感覚をあと6回繰り返せばゴールね」、10kmのときには「これを4回か、案外いけるかも」と、<練習で走った距離×○回=42km>と想像しやすい数字にして受け入れるのがコツ。すると、ナーバスな気持ちを払拭できてモチベーションも保ちやすくする。

Shoulder, Skin, Organ, Joint, Arm, Photography, Room, Selfie, Abdomen, Mouth, pinterest

【1月28日(月)】この日はエディターも参戦し、代々木公園で約6kmのラン。ずっと女子会のようなテンションで会話をしながら走ったから、「あっという間に、しかも楽に走れました!」とKurumiさん。

instagramView full post on Instagram

【2月10日(日)】 「ニューバランス」サポートのもと、初のフルマラソンに挑戦するメンバーで30km練習会。走るときに足裏に違和感があると悩んでいたKurumiさんは、26km地点で痛みが出てストップ。けれど、自分史上最長走行距離を更新したことで「やればできる!」と自信を得る結果に。

ツラい、でも楽しい。それがランニングの本質!?

30km練習会のあと、若干の燃え尽き症候群に陥ったものの本番は待ってくれない。

People, Crowd, Sky, Event, Human, Design, Tourism, Plant, World, Stage, pinterest

迎えた大会当日、天候はあいにくの曇りのち雨。青空の下、晴れ晴れしいマラソンデビュー! というわけにはいかなかったけれど、お祭りのように盛り上がる会場にKurumiさん含め参加したランナーのボルテージは上昇。スタートの号砲とともに、2万人の女性が一斉に走り出した。

Marathon, Running, Long-distance running, Crowd, Recreation, Outdoor recreation, Half marathon, Individual sports, Ultramarathon, Athletics, pinterest

Recreation, Marathon, Outdoor recreation, Running, Half marathon, Long-distance running, Individual sports, Ultramarathon, Exercise, Fun, pinterest

【~20km】 「とにかく楽しくてテンポよく駆け抜けました」と振り返る。「アドレナリンが出まくっていたので無我夢中で進んで、このままいけば完走どころかサブ4.5は狙えるかも」と思ったそう。

Marathon, People, Running, Long-distance running, Recreation, Half marathon, Snapshot, Exercise, Athletics, Crowd, pinterest

【22km】 走行テクニックや食事面での指導を行ってくれたコーチ陣が待つ地点。大きな旗を掲げて応援してくれる姿がうれしくて、思わず笑みがこぼれる。元気をもらったところで「あと20km!」と気合を注入。

【25km~40km】 思うように足が前に出なくなったのが25kmを過ぎたころ。軽快に走っていた前半の感覚があるからこそ、焦りが先行してしまいがちな場面。ところがKurumiさんの頭の中は、「無理をするとランニングが嫌いになっちゃうから、あくまでも楽しい気持ちを保てるペースでゴールすることを心がけました」と至って冷静。1kmがとてつもなく長く感じられ、走る気力が奪われたときは早歩きで一歩ずつ前進した。

ゴールを目前に突如としてフラッシュバックしたのは、友人や家族からの応援メッセージ。自分事のようにエールを送ってくれた「Women’s Health Beauty Camp」のメンバーたちにも、完走の報告ができると思うと力が湧いてきたという。

Pink, Marathon, Running, Recreation, Long-distance running, Half marathon, Exercise, Athletics, Individual sports, Sports, pinterest

Product, Event, White-collar worker, Job, Crowd, Smile, pinterest

見事ゴールを果たした彼女のタイムは5時間7分。完走後最初の言葉は、「またフルマラソンにチャレンジしたいです。次回は5時間を切れるかな」。長距離が苦手だと語っていた2カ月前の姿からは想像もできないほど、42.195kmの道のりを走りきったあとの表情は明るかった。

経験したことがないほどの爽快感に気持ちの変化が。

Kurumiさんは自身の初フルマラソンをこう振り返る。

Green, People, Marathon, Recreation, Yellow, Running, Half marathon, Long-distance running, Exercise, Tree, pinterest

「これまで、ランニングは筋トレのはじめに行うウォーミングアップとしてしかとらえていませんでした。初めてのフルマラソンで私が達成したかったのは、ランニングそのものを好きになること。実は、30km走の練習をしたとき、足を痛めたことで心が折れかけていました。大会当日もスタートから20kmまでは全力を出し切ってスピードを上げたけど、苦しくなった。だから、当初の目的を思い出しました。足裏を痛めやすいことも把握していたし、完走できるという自信も持っていたので、無理をせず楽しむことを最優先したら、ゴールで味わった爽快感は他の何にも例えられないほど気持ちよかった。走るって楽しい!」

できないと思っていたことができるようになる喜びを実感した様子のKurumiさん。思い描く理想の自分に一歩近づけたこの経験は、一生モノの財産になったはず。彼女が引き続き奮闘中の「Women’s Health Beauty Camp」も90日間のリミットまであとわずか。その様子もお見逃しなく!

衣装協力/ニューバランス



photo: Tomoko Meguro

Headshot of Sawako Motegi
Sawako Motegi
コントリビューティング・エディター

スポーツファッション・サステナブルの記事を担当。山梨県の富士河口湖町へ移住し、オンラインを駆使して取材活動を行う。フェミニズムや環境問題などの時事ネタやニュース、人を掘るのが得意。  2020年までウィメンズヘルス編集部に在籍。