スポーツブランドで働く人はどんなアクティブライフを送っているの? その気になる内情を探るべく、ウィメンズヘルスが注目したのは、スポーツ業界に携わる人たちが社内で運営している「部活」。今回ご紹介するのは、ゴールドウインの「サッカー部」。ゴールドウインといえばザ・ノース・フェイスからC3fit、エレッセ、スピード、ヘリーハンセンなど、山や海、そして日常的なワークアウトにまで寄り添ってくれる多種多様なアイテムを提供するスポーツアパレルメーカー。ゴールドウインのたくさんの部活の中で、最も多い部員数を誇るサッカー部。8年間在籍している、部員のAさんに話を聞いてきた。
月の頻度:月2~3回目標
練習時間:平日の午後7時〜午後9時
開催場所:二子玉川サッカーグラウンド(サッカー)、フロンタウン さぎぬま(フットサル)、スポル品川大井町(フットサル)、など
参加方法:口頭で参加希望を伝えた後、メールフォームに必要事項を記入
部員数:60名ほど
年齢層:22歳〜55歳
男女の比率:8:2
参加費:月額1,200円
イベント:男女フットサル大会に年に数回参加、男子リーグ戦に参加
兼部:可
会社からの補助金:人数、活動頻度、活動経費によって変動
その他ゴールドウインの部活:健脚部、野球部、マウンテンクラブ、フィッシングクラブ、アウトドアクラブ、ヨガ部、ランニングクラブなどを含む全14類。
今回話を伺ったのは、部活歴8年のAさん。2002年のワールドカップをきっかけにサッカーに興味を抱いて高校時代にサッカーを始めた、笑顔満開のエネルギッシュな女性。大学では女子サッカー部に入部し、関東リーグでも戦った経歴を持つ彼女は、入社して自然とサッカー部への入部を決めたそう。
入部方法は、大学のサークルのようにお試し参加をしてみるところからスタート。「定期的に通いたい!」と思ったら、部長役を務めるGM(ジェネラルマネージャー)にその旨を伝える。申込書を入部担当者に送信したら、手続きは完了。
「月額1,200円の部費はお給料から引かれるようになっていて、記入フォームに必要事項を入力することで、部費の処理や保険の手続きは担当者が対応してくれます」
なんとサッカー部は、部員が合意すれば別のスポーツに補助金を当てることもできるのだとか。例えば冬にスノーボードをしたい場合は、それも補助金の対象に。合宿や忘年会、練習場所のレンタル料などはほぼ部費や補助で賄われる仕組み。その上、兼部もウェルカム。
大会にも積極的に参戦! 本格的に競う機会も、サッカー部にとっては不可欠
ゴールドウインのサッカー部の主な活動は、二子玉川で開催される渋谷区の男子リーグ戦。春から秋にかけて、およそ15〜20名ほどの男子メンバーが参加するそう。リーグ戦は男性のみの参加となってしまうけれど、練習は男女混合、スキルを問わず和気あいあいと楽しむことがゴールドウインの掟。
女子フットサル大会に出場したときの一枚。
リーグ戦の他には、新入社員が入社する時期などをはじめ、年に数回、男女問わず気軽に参加できるフットサル大会に参戦。さらに、30名ほど集まれば合宿も企画しているそう。
以前は軽井沢や群馬などの大きなグラウンドが借りられる山奥で、練習と試合をスケジュールに組み込んだ一泊二日の合宿を行った。夜にはバーベキューをしたりお酒を飲んだりと、ワイワイ楽しむ夏の行事の一つ。
参加者が20名以下の場合は、一日に凝縮して横浜など都心に近い場所でイベントを開催。大会から合宿まで一年を通してイベントが尽きないスケジュールが組まれているのが、ゴールドウインのサッカー部の特徴でもある。
C3fitのフュージョンロングタイツ。
試合や練習の場で部員たちが着用しているのは、C3fitのタイツ。さらにゴールドウインのサッカー部には、部員でもある自社デザイナーが手掛けたユニフォームがある。毎回着て、練習に励んでいるのだとか。
「勝つ喜び」を優先するメンバーと、「参加できる楽しさ」を大切にするメンバーのバランスの取り方
見事、フットサル大会で優勝したときのひとコマ。
部員が60名もいると、楽しさを優先する人と、勝つことを大切にする人のバランスを取るのが課題になるとAさん。「私が入部した8年前は、部活をきっかけにサッカーを始めた40代の方や、ボールに触れたことのない人も多く、若いメンバーも少ない状態でした」
ところが最近では、プロとして活躍していた若手の社員やサッカー留学の経験を持つ社員がどんどん入部していて、ますます「勝つぞ!」という意気込みにエンジンがかかっている最中だとか。それでも守りたいのは、「勝つ喜びも忘れず、楽しむことも大切に」というマインド。
毎年開催! 部員たちにとっての一大イベントは、富山の本店での「親善大会」
親善大会にて。
ゴールドウインの本店がある富山で毎年10月の第三土曜日に行われるのが、全ての部活が参加できる「親善大会」。会場はテニス部、野球部、サッカー部の試合が一気に開催できる巨大な運動場。
ゴールドウインでは、富山の本店や大阪の営業所にもサッカーチームがあるため、「親善大会」は東京・富山・大阪のチームでリーグ戦が開かれるのだとか。試合は審判資格を持つ社員が主審を担当、副審は元サッカー部の若手社員。部活を掛け持ちする人も少なくないため、試合を行き来しているうちにかなりの運動量に! そして夜は一緒にみんなで楽しく懇親会。
普段、関わらない人と関係を築く。みんなでゴールに向かって走る「一体感」が醍醐味
そんなイベント盛りだくさんのサッカー部で活躍するAさんに、サッカーと部活の魅力を聞いてみた。
「私は一人で頑張るよりもみんなで頑張る方が好きなタイプだから、サッカーにもすぐ親しみが湧いたんだと思います。一人だったら『もう無理!』と思うときでも、フォワードが点を取ってくれたり、みんながパスをつなげてくれたり……みんなで協力し合いながらプレイすることが楽しいんです。
たまたま私にとってのチームスポーツの入り口はサッカーでしたが、ソフトボールでもラクロスでもきっと好きになっていたと思います。やっていくうちにボールをうまく蹴れたり、ゴールを決められたり、私はディフェンスなので守れたりすると、チームの一体感を味わうことができます。サッカーが好きだと思う時間です」
フットサル大会で優勝した時の胴上げシーン。
「部活に入って本当に良かったと思うのは、社内でのつながりができたことです。ブランドや部署が違うとあまり関わることがありませんが、部活に部活に参加することで社内のいろいろな人と出会うことができます。困ったときにもSOSが出しやすくなります。
例えば財務や人事の社員とは多く関わることがありませんが、分からないことがあったらすぐに聞きに行ける関係が築けるのは部活ならではですね。部活を通していろんな部署のスタッフと関わりを持つことで、助けられることがたくさんあります」