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アメリカ人がまだ食べ足りていない主要な食材といえば? 実は、魚だという。平均的なアメリカ人はアメリカ合衆国農務省(USDA)が推奨する1週間の海産食品240グラムのうち約三分の一しか食べていないそう。つまり、これでは海産物に含まれている豊富な栄養素も摂れていないということ。

たとえば脂質の少ないタンパク質やビタミンD、セレニウムや脳や心臓にもよいといわれるオメガ3脂肪酸も足りなくなってしまうそう。

「個人的には、みんなが魚を食べないのはどうやって料理していいか分からないからだと思っている」と言うのは『The Small Change Diet』の著者、ケリー・ガンス栄養士。

また、魚の食べる量が少ない要因として考えられるのは、水銀に関する心配のため。自然由来のこのミネラルは高濃度になると毒性を持ち、身体にとどまりがちになる。そのため専門家は水銀含有量が多い魚は食べる量を制限することをすすめている。妊娠中や授乳中の女性は、赤子や胎児の脳や神経の発育に影響する恐れがあるので、特に注意したほうがいいそう。また妊娠を希望する人も同様に気をつける必要がある。

しかし、だからといって魚をすべてやめるのは少しやり過ぎな上に不必要だとガンス氏は考える。「水銀の量が少ない魚のほうが、多い魚よりもずっとたくさんいる」とガンス氏はコメント。たとえば、鮭、ヒラメ、ロブスター、タラなど。一方でメカジキ、メバチ、カジキ、オレンジラフィー、サメ、キングサバは他の水銀を含む魚を食べるので、水銀量が多いとされる魚類のため食べる量には気をつけたほうがいいとされている。

ただし、魚に含まれる水銀のリスクについては少し騒がれすぎという印象もある。2013年の研究によると、女性の身体の水銀のうち、魚によるものはわずか7パーセントしかなかったという。さらに、推奨される食事についても変わってきている。米国食品医薬品局や米国環境保護局は今では妊娠中の女性に対して調理された海産物をもっと食べるようすすめている。これは、魚に含まれる栄養分が赤子を育てるために有効であると考えられているため。つまりメリットがデメリットを上回るということ。

ガンス氏の結論はみんなもっと海産物を食べたほうがいい、というもの。「水銀量が少ないものを選べば毎日魚を食べても問題はない」と言う。ただし、いろいろな栄養を摂るために、多くの種類の食材を食べたほうがいいことは変わらない。米国心臓協会のガイドライン、1週間に約100gを少なくとも2回は食べるというのがおすすめだそう。でも、妊娠中の場合はFDAのガイドラインを守って、水銀量の低い魚を週に2回から3回にして発育のための栄養素を摂るようにしてみて。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Jill Waldbieser Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images