Bride, Finger, Hand, Dress, Leg, Wedding dress, Nail, Footwear, Bridal clothing, Marriage, pinterest

結婚1年目には相反する2つの見方がある。幸せなハネムーン期間として広く知られる一方で、結婚生活の中で最も大変な時という噂も。ニューヨークで活躍する3人のカウンセラーがその真相を教えてくれた。

初めて経験するものなら何でもそうであるように、結婚にも一連の試練が訪れる。でも、ニューヨークシティのカウンセリング会社Sussman Councelingの人間関係エキスパートで、公認臨床社会福祉士のスーザン・サスマンによると、カップルが時間を割いて将来について考え、歩み寄りが必要だとお互いに認識している限りは、これらの困難が必ずしも結婚直後の幸せを邪魔することはないそう。

「結婚1年目が一番大変だとは思わない。迷信だと思う」 と語るスーザン。「結婚1年目は本当に楽しいはず。その間に多くの問題に直面するカップルは、結婚前からそれらの問題を抱えていたのよ」

サスマンがカウンセリングをするカップルの中で困難な1年目を過ごすのは、たいていの場合、婚約中の対立を隠していたカップル。ライフスタイルの好みや習慣を話し合ったり、仕事と遊びと家庭のバランスを取ったりしなかったため。

婚前カウンセリングにやってくるスーザンのクライアントのほとんどは、結婚前に同棲する。彼女も、それがハッピーな結婚1年目を送るのに役立つと考えている。しばらく一緒に住んでいれば、結婚してから 「ビックリさせられるようなことがほとんどない」 からだそう。事実、結婚前に同棲して様子を見る人の数は右肩上がり。アメリカでは、未婚で同棲中のカップルの数が年々増加しているそう。2006年から2010年の間に、15~44歳の女性の48パーセントが結婚前にパートナーと同棲している。これは、2002年に比べて11パーセント、1995年に比べて41パーセント高い数字。実際に、アメリカ人の大多数は結婚前の同棲が離婚のリスクを下げることに同意している。

ニューヨークシティのEast-West Psychotherapyを経営する臨床心理学者のワイリー・グッドマン博士もまた、結婚前の同棲が二人の間の問題点を解決する助けになると考えている。「一緒に暮らし始めた最初の一年で、きれい好きかどうか、意見の対立にどう対処するかといった、別々に住んでいた時には見えなかった個人の特異性が明らかになる。でも、同棲1年目は同時に楽観性をもたらすので、それぞれが相手に対して寛大になれる。これが健全な関係には不可欠」

グッドマン博士いわく、それでも同棲は、夫婦間の問題が起きる可能性を排除するものでもなければ、結婚1年目が楽になるのを保証するものでもない。でも、積年の意見の不一致を解決していないカップルは、結婚早々に試練を経験する傾向にある。

ニューヨークのCouples Therapy New Yorkでカップルカウンセリングを行うロナルド・カッツ博士によると、彼のクライアントが結婚1年目で問題に直面するのは大抵、共同の銀行口座、家事、個人の自立を維持しつつもペアでやっていくことにまつわる問題といった、日常生活に関する話し合いをしなかったから。長年続けてきた各自のライフスタイルと世界観がぶつかることで結婚1年目が一番大変になることもあり、カッツ博士はこの一年が 「子どもが生まれた年よりも難しい」 と言う。

カッツ博士によれば、「これが現実かつ法律上のコミットメントであるという気付き」 も結婚初期が大変な理由。指輪を交換すると、二人の関係が突然とてもオフィシャルなものになる。ところが、二人の違いをうまく調整するためのコミュニケーションの仕組みが出来ていない。

3人のカウンセラーが口を揃えて、結婚式の前・最中・後のコミュニケーションの必要性を強調する理由はここにある。カッツ博士は、“はい、誓います” と言うずっと前に、結婚に対する自分の期待値と考え方をはっきり示しておくことを勧めている。そこで二人のゴールが揃わないなら、結婚前の早い段階でプロの意見を求めるようサスマンはアドバイスする。

でも、人間関係には定期的なメンテナンスが必要であることを決して忘れてはならない。「誰かと一夫一婦制の絆を結ぶとなれば、どこかのタイミングで権力争いが起きるのは免れない」 とグッドマン博士。「健全な結婚とは、各自が自分の問題を認識した上でするものなので、二人の間に相違があっても相手を遠ざけたり自分を失ったりすることなく、フェアな話し合いと喧嘩ができる。結婚には争いがつきもの。良好な結婚生活を根底で支えるのは、二人の間の強い友情関係」。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Claire Lampen Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。