35歳以上の妊娠に隠された真実

14 March 2018

35歳以上の妊娠に隠された真実

ホルモンテスト、体外受精に卵子凍結。適齢期後に妊娠するためには? その内容をUK版「ウィメンズヘルス」からご紹介。

ハッとするような統計が発表された。イギリス国内の女性の20%以上には、45歳の時点で子供がいない。でも、技術革新の進む現代の女性は、かつては存在しなかったオプションで妊娠が可能。あなたに最適な方法を見つけるべく、ウィメンズヘルスがリサーチを行った。

年金やインスタグラムの写真の話をしていたかと思えば、悪気のない親族が子作り計画についてさりげなく聞いてくる。あなたは笑い飛ばす。今どき35歳も25歳も変わらないって知らないのかしら。妊娠には現実的なオプションがいくつもあるから、心配なのはベビーカーの種類だけ。でも、そのオプションが実際にどんなものか、いつから検討すべきかを知らない女性は多い。早速、素晴らしい子作りの世界の実態を探ってみよう。

偽りの認識

まずは基礎から。世間一般では35歳になるまで受胎率は安定している (それ以降は急降下する) と信じられているが、私たちの生体時計は27歳を機に下降を始める。国立環境衛生科学研究所とイタリアのパドヴァ大学の合同研究の結果、成功率が最も高いとされる排卵2日前の妊娠率は19~26歳の女性で50%。これが27~34歳になると40%、35歳を超えると30%まで低下する。著しい下降ではあるものの、メディアが言うほど不毛ではない。

「35歳までは自然妊娠に一年の猶予をあげて。他の選択肢を調べ始めるのはそれから」と語るのは、イギリスの不妊治療クリニック『Midlands Fertility Clinic』で院長を務めるジリアン・ロックウッド医師。念のため、30歳以上の女性はAMH血液検査で受胎能力のチェックを受けるのが好ましい。このテストは、初期の卵胞から分泌される抗ミュラー管ホルモン (AMH) を検出するもの。AMHが多ければ多いほど卵子の数も質も優れていることになり、妊娠の確率が高いとされる。AMHの結果は様々なので、病院で採取してもらい、医師のアドバイスを受けること。まだ妊娠を考えていないなら、毎年検査を受けてAMHの変化をチェックして。AMHより古い卵胞刺激ホルモン (FSH) 検査を受けるという選択肢もあるが、この方法では残存卵子数は検出されてもその質までは分からない。一番確実な手段を選びたいなら、スキャン、ホルモンテスト、卵胞数、そして病歴の分析が含まれる女性生殖健康検査を受けること。

ロンドンの女性クリニック『London Women's Clinic』院長のピーター・ボーウェン=シンプキンズ医師が言うように、 「閉経の10年ほど前には、受胎率が著しく低下する」 ことも考慮したい点。早発閉経は女性側の家系によるものなので、お母さんやおばあちゃんが52歳前に閉経している場合には、医学用語で妊娠の難しさを意味する “低受胎” の危険性が高まる。ロックウッド医師は、「ホルモンテストと超音波骨盤スキャンを受けて、パートナーには精液分析を受けてもらう」 よう勧めている。結果から妊娠の障害となるものを特定できる。生殖能力を正確に測るには、パートナーに2度の精液分析を行ってもらう必要がある。精子が群れを形成するには約74日かかるので、3ヶ月間隔を開けて検査すること。タイムラインを作るにはこの点も考慮して。


次のステップ

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病院で不妊治療が必要と判断されたら、次の動きを決めるとき。処方されるホルモン薬を飲めば、自然妊娠が促進される。薬の効果がない場合やより複雑な診断を受けた場合には、子宮腔内授精 (IUI) に進むのが一般的。ボーウェン=シンプキンズ医師によると、「子宮腔内授精は体外受精よりも侵襲性が低く、卵子が精子を受け入れやすくするために刺激の少ないホルモン促進剤を使うだけ」。プロセスがシンプルで体外受精よりも安いことから子宮腔内授精を選ぶカップルは多い。しかし、周期ごとの成功率は35歳以下で16% (35歳を超えると11%) なので、 結果を出すには6周期以上続ける必要があるかもしれない。

ここで出てくるのが体外受精。高度な体外受精では成功率も上がるが、スキャンによって発見された不妊の原因が卵管閉塞や精子の質の悪さであれば、まずは通常の体外受精を勧められるのが一般的。ボーウェン=シンプキンズ医師によると、「体外受精治療では、まず女性の脳下垂体による生殖ホルモンの分泌を6週間かけて止める。その後、脳下垂体の生成量を大幅に上回る量のホルモンを注入する。すると、1個の代わりに20個の卵子を生成できるようになる」。ただし、20個の卵子で20個の健康的な受精卵が作られるとは限らない。「最良の卵子から8~10個の受精卵ができ、そのうちのいくつかをこの周期の体外受精に使い、残りを今後の周期のために凍結させる」

体外受精によって3児の母となったアン・ボーチャーズとそのパートナーは、30代初期で “原因不明不妊” と診断された。原因不明不妊とは、妊娠を困難にする明確な原因が見つからないカップルに使われる臨床的用語。「子宮腔内授精が失敗に終わり、見込みが一番高いのは体外受精だと言われた。体外受精の2週期目で双子を妊娠した」 とボーチャーズは語る。彼女は、子宮腔内授精または体外受精によって複数の妊娠を経験する22.2%の女性のうちの一人。

もちろん、あなたのライフスタイルも成功の確率に影響を及ぼす。ハーバード医科大学の研究によって、体外受精後に白ワインを飲むと妊娠率が最大で24%低下することが分かっている。しかも、体外受精なら何でも同じとは限らない。イギリス国内の体外受精の5割以上を占める卵細胞質内精子注入法 (ICSI) で妊娠した場合、出生異常の確率が2倍になるという研究結果を全国紙が報じた。多数の精子が卵子に接触する通常の体外受精に対し、1つの卵子に1つの精子が注入される卵細胞質内精子注入法は、男性の精子数が少ないカップルに限定して使われるのが一般的。しかし、この報道によって、精子の数にかかわらず、より高価な卵細胞質内精子注入法 (英国で約37万円の通常の体外受精より15万円ほど高い) を勧めるクリニックがあるという不安が広まった。体外受精を選ぶなら、病院からすべてのオプションが提示されているのを確かめること。男性側に生殖問題がある場合、凍結受精卵を使った卵細胞質内精子注入法を検討してみよう。同研究によって、出生異常のリスク低下が確認されている。


卵子凍結

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卵子を凍らせるなんて、ついこの間までSF映画のような話だった。ボーウェン=シンプキンズ医師いわく、「ガラス化と呼ばれる新技術によって、凍結卵子の解凍は最大80%の確率で成功している」。ただし、タイミングがすべて。凍結解凍プロセスは卵子の老化を5年ほど早めると考えられているので、遅くても31歳までに決断しなければならない。でも、複数の卵子を作るために卵巣を刺激する必要はないので、ホルモンを大量に注入されずに済むのはメリット。今度子供の予定を聞かれたら、選択肢は残してあると答えればいい。実際にそうなんだから。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Brittany Kennedy Translation:Ai Igamoto Photo:Getty Images

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