このサインにさえ気が付けば、足の謎が解けるはず。
足の仕事は大変。毎日重たい身体を運び、私たちが一歩踏み出すごとに負荷を負う。
33の関節、100の腱、筋肉、靭帯、そして心臓、脊椎、脳に繋がる無数の神経と血管を持ち合わせ、重責に対応する仕組みを備えた足は、実は体全体の健康について多くを物語る。
目を配るポイントさえ分かっていれば、足の状態の謎も解けるかもしれない。
1.足の痙攣
筋肉の痙攣は水分不足が原因かもしれない。水分不足は、筋肉に酸素が不足していることを意味する。電解質や、特にナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムといった栄養素の量も足りておらず、バランスが崩れていることになる。過労やストレッチ不足も痙攣を引き起こす。例えば、フラットシューズからハイヒールに変えた時など、靴タイプの変化で足の痙攣が起こる可能性もある。
2.つま先の肥大
痛風とは、つま先が赤らみ、熱を帯びて腫れ、非常に痛い足の病気。男性に最もよくある炎症性関節炎で、腎臓結石のリスクを高める。
3.足の冷え
足の冷えは、血行不良、糖尿病、甲状腺機能低下症、貧血症といった様々な問題の可能性を示唆する。
足が赤から白、白から青へと色を変えるのは、神経が寒さに過剰に反応して血管が縮小するレイノー病のサインかもしれない。
4.足の腫れ
足の腫れは、血行不良から心不全、腎不全、肝不全、深部静脈血栓症 (DVT)、血栓、リンパ管の滞りや蜂巣炎まで多様な問題の可能性を示す。
赤く熱をもった腫れは感染症、あざや腫れは捻挫や骨折の可能性を示唆する。
5.スプーンのような爪
スプーンのように凹んだ足の爪または匙状爪 (さじじょうづめ) は栄養不足、特に鉄不足による貧血によることが多い。貧血は栄養失調、内出血、悪性腫瘍、セリアック病に関係があるとされる。
変色した足の爪や治らない傷は、治療を必要とする全身性疾患の恐れがある。凹んだ爪は遺伝性疾患、循環障害、自己免疫疾患、筋骨格疾患の兆候の可能性もある。
6.色がついた爪
いつもマニキュアを塗っていると爪が黄色くなるのは一般的だが、結核 (TB)、肝臓障害による黄疸、甲状腺炎、静脈洞炎の可能性も疑われる。
色の着いた爪は、呼吸障害にも繋がりかねない肺疾患である気管支拡張症を示唆していることもある。マニキュアの使用には無関係の変色や変形が見られる場合は医師に相談を。
7.しびれてピリピリした感覚
足のしびれやピリピリした感覚は、循環障害または末梢神経系へのダメージによるものかもしれない。神経が圧迫されているか、その他疾患の可能性がある。
このような感覚は、神経損傷の兆候として糖尿病患者に現れることが多い。また、米国多発性硬化症団体によると、手足のしびれやピリピリした感覚は多発性硬化症 (MS) の最初の兆候の一つとしても知られている。
8.足指関節の痛み
リウマチ性関節炎では、関節の膜もしくは滑膜が腫れて炎症を起こす。靭帯と組織を支える関節が傷つき、動きが悪くなる。
この場合、鷲爪趾 (わしづめし) やハンマートウ (外反母趾の一種) といった変形が見られることもある。骨が柔らかくなり、疲労骨折や骨の崩壊のリスクが高くなる。
健康サイトMedical News Todayによれば、足を休ませて冷やし、イブプロフェンなどの非ステロイド系の消炎薬を使えば、症状を和らげ、痛みや炎症を緩和することができる。
9.下垂足 (かすいそく)
下垂足は、足首やつま先を持ち上げることができず足先が垂れる病気。脚の神経損傷や腰の手術によるダメージで、筋肉や神経系に根本的な問題を抱えている可能性がある。
下垂足は、首や肩など、足から遠く離れた筋肉の損傷が原因で発症することもある。足を引きずって歩いたり、異常な歩き方をしたり、足をどかすために太ももを持ち上げたりする必要が出てくる。ポリオ、脳疾患、脊椎疾患といった神経系の病に関連していることもある。また、多発性硬化症や脳卒中の経験者が下垂足を患うこともある。
※この記事は当初、『Better Homes and Gardens』に掲載されました。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Rachael J Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images