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週末といえば、疲れた体を回復させることに終始している人も少なくないのでは。寝だめをしたり、マッサージやエステ、友人と温泉へ……。だけど蓄積した疲労は、それではなかなか拭えないと感じたことはない? なぜ現代人の疲労がしつこく、ケアしづらいのかをプロボディデザイナーの松尾伊津香さんにインタビュー。脳や神経、体の仕組みから疲れを分析すると、新たに見えてきたことがあった! 現代型疲労とそのケアの最前線に迫る!!

寝てもとれない日々の疲れ。しつこい疲労をどうしたらいいか、悩んでいる人も多いはず。たまりにたまった「疲労負債」。マッサージに行ってみたものの、気持ち良かったのはそのときばかりで、翌日にはまた全身がバキバキに……。人気の瞑想にトライしても、身体の緊張が解けず、逆に疲れてしまったなんて人もいるよう。

そこで前回に続き、『超疲労回復』(クロスメディア・パブリッシング)の著者であり、日本初の疲労回復専用ジム「ZERO GYM」を東京・千駄ヶ谷に立ち上げた、プロボディデザイナーの松尾伊津香さんに話を伺った。

リラックスだけを求めても、身体の緊張はほぐれない

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前回、私が日々感じている疲れが、脳疲労にあることを松尾さんは話してくれた。さらに、その脳疲労の根本にあるのが、自律神経のバランスの乱れで、交感神経が優位にあることが原因であると松尾さんは言う。

「交感神経は、日中に働く神経のことです。活動に関与する神経で、仕事をするときの集中力ややる気などにも関係しています。非常に重要な神経で体を緊張させ、脈拍数、血圧などを上げる働きを持っています。

ですが、この交感神経が優位になる状態が長時間続いてしまうと筋肉が緊張し、凝りや血行不良など発生させます。本来は日中など活動するときに働きますが、現代人の生活は常に刺激があり、この交感神経が長時間ずっと働いている状態になりがちです。

特に、パソコンやスマートフォンが手放せない現代型の生活は常に刺激があるので、交感神経が優位になりがち。副交感神経優位にうまくスイッチできない人が多いのです。この緊張している状態で、瞑想を行っても脳疲労はなかなか解消されません」

休むだけではなかった! 「4つのステップ」で体も脳もリラックス

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といっても、デジタルツールを手放す生活はなかなかできるものではない。だったらどうすればいいのだろう? 松尾さんは、まずは交感神経優位になった体をほぐすなど、体からメンテナンスしていくことが重要だと言う。

「脳疲労というと、脳や気持ちの問題と考えがちです。でも、体がガチガチに緊張した状態で、リラックスはできません。疲労回復専用ジムの『ZERO GYM(ゼロジム)』では、4つのプロセスで、脳疲労をケアしていきます。

Step1は、ストレッチで緊張した体を“ほぐす”。Step2では、少しきつめの自重(自分の体重)を使ったトレーニングで筋肉を刺激し、老廃物を“流す”。Step3で“瞑想”によって脳を“緩める”。そして、Step4で“抜く”。私たちはこれを『最高の脱力』と言っています。

人間は不思議なもので、『力を抜いて』と言われると力が入ってしまいます。でも、Step1で体をほぐして動ける状態にし、Step2で強めの力を筋肉に与えて緊張を作り出すと、Step3では自然と力が抜けてくるのです。そして、呼吸を深めることで、次第に完全な脱力へと向かいます。この4つの流れを通して行うことで、体だけではなく脳の疲れもケアすることができるのです」

瞑想は苦手、上手にできないという人は、Step2のトレーニングでできるだけ最大限の力を出して行うことが重要だと言う。「ZERO GYM」のオリジナルのメソッドを使うのが理想だが、なかなか家で自重トレーニングまでできない人は、凝りがある部分を重点的にストレッチする(Step1)、ゆったりとした呼吸を意識して瞑想をする(Step3)、身体の力を抜いて脱力する(Step4)という流れでもよいそう。ポイントはストレッチを「痛気持ちいい」ところでキープすることだとか。

「毎日ではなくてもいいので、せめて週に1回は行うことで、リセットに近づけると思います」と、松尾さんからのアドバイス。

現代人と疲労は、切っても切れない関係。私たちは今、疲れと新しい向き合い方をすべきステージに立っているのかもしれない。新時代の疲労ケア、ぜひトライを!

■お話を伺ったのは……
松尾伊津香(まつお・いつか)さん

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プロボディデザイナー。ZERO GYM(ゼロジム)プログラムディレクター。全米ヨガアライアンスRYT200時間取得。日本ヨーガ瞑想協会登録講師。アナトミック骨盤ヨガ指導講師。ミスター&ミセス・モデルジャパン2016 日本大会 ミス・モデルジャパン ガールズ部門第3位。大学で心理学や精神医学を学ぶ一方で、ヨガ哲学やメディテーションに出合い、アメリカ留学を経てヨガインストラクターに。その後は女性専用ダイエット専門ジム、シェイプスインターナショナル(現リボーンマイセルフ)の六本木本店店長兼スーパーバイザーに就任。現在は疲労回復専用ジムZERO GYM(ゼロジム)のプログラムディレクターを務める。著書に『一生太らない魔法の食欲鎮静術~食事瞑想のススメ~』、『超「姿勢」力』、『超疲労回復』(全てクロスメディア・パブリッシング)がある。

ZERO GYM(ゼロジム)
多忙な現代人の体とメンタルを総合的に捉えた、ビジネスパーソンのためのオンリーワンのジム。「疲労回復」をテーマに掲げ、疲れた頭と体をリセットする斬新なプログラムが注目を集め、人気を博している。そのメソッドは独自に開発されたもので、ヨガや呼吸、マインドフルネスなど、さまざまな種類のストレスにさらされている現代人に必要なエッセンスが凝縮されている。完全男女別のクラスで、それぞれに特化した内容なのもうれしい。次第に体と心が開放され、整った心身でその人の最大のパフォーマンスができるようになると評判。ビジネスパーソンのみならず、マスコミやビューティ&ヘルス関係者、著名人なども通う、今、最もホットなジム。

住所/東京都渋谷区千駄ヶ谷 4-20-3 東栄神宮外苑ビル 8F
営業時間/14:00~23:00(月~金曜)、9:00~18:00(土、日曜・祝日) 不定休
tel.03-6721-0233
https://zerogym.jp



Photo:Getty ImagesText:Manabi Ito