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キュートなウエアを手に取ったはいいけれど、体形に自信が持てずラックに戻した経験はある? 実はアメリカの国民の67%は日本でいうLサイズ(サイズ14*)以上の「プラスサイズ」。ところが不思議なことにプラスサイズのウエアを扱うブランドはまだまだ少ないため、着こなせる自信がなくラックに戻すどころか、自分のサイズすら見つからず、度々がっかりさせられる女性も多いとか。

そこで今ファッション業界で少しずつ増えつつあるのが、サイズバリエーション豊富なブランド。中でもウィメンズヘルスが注目しているのは、サイズ探しに苦労しないフィットネスウエアブランド。今回はより多くの女性が、自分の体にたっぷりの愛情を注げるよう立ち上がった4つのブランドと、そのストーリーをご紹介。自分に合ったサイズは見つかるものの、なかなか自信が持てずにいる……そんな人にも、勇気が湧くヒントが隠されているかも。

*サイズ14:バスト100.5センチ、ウエスト79センチ、ヒップ105.5センチ(一般的にいうLサイズ)

実際にフィットネスを始めたときに「サイズのなさ」に悲嘆したから。「スーパーフィット・ヒーロー」

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ローラーダービーの元選手、ミキ・クリンメルが、クラウドファンディングサイトのキックスターターから支持を募り立ち上げたブランド、「スーパーフィット・ヒーロー(Superfit Hero)」。もともとミキは趣味でローラーダービーを始めたものの、好きが高じていつしかリーグチーム「エンジェル・シティー・ダービー」の一員に。でもフィットネスにハマっていく一方で彼女が直面したのは、フィットネスウエアのサイズがあまりにも限られているという現状。そこでどんな女性もウエア探しに苦労しないよう、一人でも多くの女性が自信を持ってフィットネスに取り組めるよう、「幅広いサイズ展開を持つアクティブウエアブランドを作ろう!」と志したのだとか。「フィットネスをする上で大切なのは、見た目じゃない。体さえあれば、フィットネスは誰にでもできるものだと思っている。どんな体形でもね」と彼女は『Forbes』に語っている。

「Fitness is for Everybody(フィットネスはみんなのもの)」をスローガンに掲げる「スーパーフィット・ヒーロー」は、XSから5XLまでのサイズを取りそろえ、その全てがエシカルな手法で作られている。サイト上ではアメリカ居住者たちに向けて、どんな体形や性的志向、そして運動能力を持つ人でも居心地よく運動できるジムをまとめた「ボディーポジティブジム」のマップも。カラフルなプリントからシンプルなデザインまでそろう「スーパーフィット・ヒーロー」のサイトは、見ているだけでもふつふつとやる気が湧いてくるはず。

■スーパーフィット・ヒーロー
公式ウェブストア: https://superfithero.com/
サイズチャート:https://superfithero.com/pages/size-chart
※日本への配送も可能

ウエアを通して、もっと自分の体形を好きになってもらいたい。「ビヨンド・ヨガ」

過去にはケイト・スペードと手を組んだこともあるヨガウエアブランド、「ビヨンド・ヨガ(Beyond Yoga)」。創立者であるジョディ・グーバー・ブリュフスキーは、長年働いてきた芸能業界で「美はこうあるべき」というプレッシャーに押しつぶされていく女性たちを多く見てきたという。そこで「女性が自分の体形を愛せるウエアを作りたい」という思いからプロデュースしたのが、「ビヨンド・ヨガ」。

2016年に10周年を迎えたこのブランドは、より多くの人に自分の体形を愛してもらえるよう「All Kinds of Beautiful(さまざまな美の形)」というキャンペーンを実施。キャンペーンには、いまや「カーヴィーボディーの顔」として知られ、飾らない姿で多くの女性を引きつける元アメリカン・アパレルのモデル、バーバラ・フェレーラを含む3名を起用。その後発売された「カプセルコレクション」では、支払額の一部が「Raw Beauty Talks*」に寄付されるといった取り組みも。

*なかなか自分の体形に自信を持てずにいる若い女の子たちに、体と心地よく付き合っていけるようコーチングを行う非営利団体

フィットネスには欠かせないブラやレギンスはもちろんのこと、スウェットや妊婦さんでも着られるウエアをXXS〜3XLのサイズで展開。豊富なカラーバリエーションはどれもニュートラルかつやさしい色合いで、生活に自然と寄り添うアイテムになる予感。

■ビヨンド・ヨガ
公式ウェブストア: https://www.beyondyoga.com/
※日本への配送も可能

逆境を乗り越えてきたからこそ、伝えたいメッセージがある。「グッド・アメリカン」

「グッド・アメリカン(Good American)」は、リアリティー番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』で瞬く間にセレブと化したカーダシアン姉妹の長女、クロエ・カーダシアンが手がけるブランド。もともとメインとしていたデニムアイテムに加えて、2018年8月よりXSから4XLまで展開するフィットネスウエアラインをスタート。

クロエ・カーダシアンといえばここ数年ですっかり運動にハマり、息子のトゥルーを産んだばかりにも関わらず、引き締まったボディーを変わらずキープしているのが印象的。一見肝が据わっているように見える彼女も、実は知名度が上がるにつれ、体形を気にするようになったと『StyleCaster』に明かしている。「番組を始めるまでは姉妹と体形を比べることなんて一度もなかったけど、『太っている方』と呼ばれてしまうこともあって、無意識のうちに気にするようになった」と彼女。だからこそ彼女のブランド作りは「インクルーシブ(=包括的)」が軸。彼女のビジネスパートナーでありCEOでもあるエマ・グリードも、「どんな女性にも自信を持って着こなしてもらえる、心地のいいウエアを提供したいと思っている。サイズを気にすることなく買い物できるようなブランド作りが私たちのゴールよ」と米ウェブメディア『Refinery 29』に語っている。

レオタードなどの大胆な柄や、ジムで一目置かれること間違いなしの斬新なデザインが光るアイテムは、身につけるだけで新たな自分に出会えそう。

■グッド・アメリカン
公式ウェブストア: https://www.goodamerican.com/
※日本への配送も可能

サイズではなく「スタイル重視」で選んでもらいたいから。「ユニバーサル・スタンダード」

「サイズがXLであろうと、XXSであろうと、恥ずかしがることなく堂々と買い物をするために、今私たちができることとは?」そう自分たちに問いかけた二人の女性が立ち上げたブランド、「ユニバーサル・スタンダード(Universal Standard)」。「私たちはプラスサイズのブランドを目指していたわけじゃない」とCCOのアレキサンドラ・ウォールドマンは『Refinery29』に語る。「より多くの女性が着られる洋服を作りたいと思っただけ」そもそもブランドを立ち上げたのも、自分のサイズを提供するお店があまりにも少なかったからだという彼女。「国民の67%が『プラスサイズ』だというのに、そのサイズが店頭に並んでいないのはおかしな話。サイズがあるかないかで選ぶのではなく、スタイルが自分に合うか合わないかで選べるブランドを作りたかった

日常ウエアからスリープウエア、そしてもちろんアクティブウエアまで、さまざまな場面に寄り添う服を取りそろえているユニバーサル・スタンダード。アクティブウエアのラインは、2XS~2XLが主なサイズ展開で、アイテムの多くは毎日のアクティブライフに自然と溶け込む、すっきりとしたデザインに仕上がっている。

ちなみに彼らのブランドの一部である「Fit Liberty」のコレクションは、購入してサイズが1年以内に変わった場合、無料で返品・交換ができるそう(アメリカ居住者のみ)。着なくなったサイズの服は、職に就きたいけれど、面接のために適切な洋服を買えない女性たちに寄付されるのも、魅力の一つ。

■ユニバーサル・スタンダード
公式ウェブストア: https://www.universalstandard.com/
※日本への配送も可能

ブランド選びは、今となっては一種の価値観選び。自分にしっくりくる思想を持つブランドを選んでみると、ウエアにもっと愛着が湧いてくるかも。今回ご紹介したブランドは全て日本へも配送しているので、気になるものはリンク先でチェックしてみて。



Photo: Getty Images