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不安な気持ちを放っておくと、悲惨なことになりかねない。恐怖を和らげる3つの方法をチェックしよう。

恐怖症には魔法の薬もなければ、応急処置の施しようもない。一番効果的な治療法は、最も恐れていることに立ち向かうこと。あなたに手を貸してくれる3つの方法とは?

認知行動療法 (CBT)

認知行動療法とは、病的な恐怖心を呼び起こす思考や行動を変え、“暴露療法” によって恐怖の対象となっている特定の要素に患者を直面させるもの。仮に、あなたが高所恐怖症を抱えているとしよう。セラピストは、あなたが高層ビルの2階の窓から外を覗き、最終的には屋上から街を見下ろせるようになるまで、“恐怖の階段” を一段ずつ上らせる。

クモが怖い場合には、まずクモの写真を見てからクモの飼育器まで3mのところに立つ。飼育器を触ることができたら、今度は絵筆の先でクモを触る。その後、手袋をはめた手でクモを触り、最後には素手で撫でるというのが暴露療法 (米ノースウェスタン大学で暴露療法を経験したクモ恐怖症の被験者は、半年経ってもクモが平気だったそう)。マーティン・アントニー博士によると、CBTには通常保険が適用され、95%の確率で成功するんだとか。ただし、本気で頑張るのが条件。2時間の治療1回で済むこともあれば、週1時間の治療を10週間続け、間に宿題をこなす必要があるケースも。

催眠療法

仮想現実の世界におけるセラピーで、認知行動療法ほど研究が進んでいないにもかかわらず、安定した人気を誇る催眠療法。催眠療法士によって意識が集中した状態へとスッと送り込まれた心と体が、一時間かけて恐怖の中を “歩く”。認知行動療法と組み合わせて行われることも多いけれど、これで恐怖症が驚くほど改善するという。レイド・ウィルソン博士は、脳の安静時には非理性的な本能を論理的な思考に置き替えることが楽になるからではと推測している。暴露療法なんて考えられない (クモを触る? 絶対ありえない!) あなたには、催眠療法が恐怖を乗り越える第一歩となるかもしれない。ほとんどの患者は、4~12回の治療で効果を実感するそう。

仮想現実療法

飛ぶことや人前でのスピーチなど、恐怖症の中にはセラピーで状況を再現しにくいものがある。そんな場合に使われるのが、仮想現実療法。頭にシミュレーターを取り付ければ (目の前に3Dの画面が広がり)、飛行機内や講堂へと送り込まれる。経験豊富なセラピストが、あなたが目にし耳にするものをコンピューターでコントロールしながら監視。アントニー博士いわく、その状況に対して、脳は現実の場合と同じように反応するという。認知行動療法と同様、仮想現実療法の目標は、これらの状況を脅威ではなく普通だと捉えるよう脳を再訓練すること。毎週1時間以上で、効果が現れるまでに3~12回の治療が必要。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Kristen Dold Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images