米国イリノイ州のフィットネスクラブSouth Loop Strength & Conditioningの設立者兼オーナー、トッド・ニーフによれば、EMOMとは “Every Minute on the Minute (エブリミニットオンザミニット)” の略で、1分ごとに新しいエクササイズを始めるというインターバルトレーニングの一種。
手持ちの時間をすべて同じ動きに使ってもいいし (例えば1分間に10回のプッシュアップをセッションの間中繰り返す)、異なる動きをローテーションしてもいい (最初の1分間はプッシュアップ、でも次の1分間はスクワットなど)。
EMOMワークアウトの組み立て方
次の1分間が始まる前に休む時間が取れるように、15~45秒で完了できるエクササイズを用意する。1回のEMOMワークアウトがトータルで10~20分になるように、エクササイズを組み合わせる。
EMOMワークアウトをするべき理由
EMOMワークアウトには2つの大きなメリットがある。
1.効率的
1セッション10~20分のワークアウトなんて短すぎる気がするのは確か。でも、毎分をフレッシュな状態で始めるので、結局はセッション全体がいつもよりハードになる。
2.使い勝手がいい
EMOMに組み込むエクササイズは、筋トレでも有酸素運動でもいい。筋肉を付けるにせよ、脂肪を燃やすにせよ、両方やるにせよ、各自の具体的なゴールに合わせて自由にデザインできる。しかも、EMOMワークアウトは、エクササイズ初心者にも頻繁にジムに通うベテランにも効果的で、体力に応じて進化させることも可能。
ニーフによれば、「1分間の仕事量を増やすか難易度を高くすれば、短くなった休憩時間でリカバリーする能力がひっきりなしに試される」。時間とともに、楽に素早くリカバリーできるようになり、パフォーマンスが向上する。
欠点は?
EMOMワークアウトには、避けるべきいくつかの落とし穴がある。
1.体が慣れてしまう
強制的に動いては休むというEMOMの構成に体が慣れてしまうので、エクササイズの種類に常に幅を持たせること。
「EMOMのようなワークアウトに付随する唯一の難点は強度の維持。同じエクササイズをやりすぎると、他のトレーニングがおろそかになりかねない」 とニーフ。解決策? バラエティ豊富なサーキットを組み立てること。おそろかになりがちなトレーニングには、全力疾走、きつめの短距離走、一定速度の長距離走、ハードコアな筋トレなどが含まれる。
2.頑張りすぎる
ニーフいわく、「EMOMワークアウトを行う人に見受けられる大きな間違いの一つが、各セッションを難しくしすぎること」 なんだそう。「必要なエクササイズを連続して効率的に行えないなら、EMOMの要点が理解できていないんじゃないかな」
おすすめのEMOMワークアウト
試してみたい? どんなレベルの人でも楽しめる、2種類のEMOMワークアウトを用意してみた。
EMOMの目的: コンディションの調整
所要時間: 20分
以下の動きを5セット行う:
バーピー 10回
ローイング 10回
ウォールボール 15回
ローイング 10回
EMOMの目的: 筋持久力
所要時間: 12分
以下の動きを3セット行う:
サイドプランク (右側) 30~45秒
サイドプランク (左側) 30~45秒
ダブルケトルベル・フロントラックキャリー (ヘビーなウエイトを使用) 30~45秒
ケトルベル・ファーマーズウォーク (ヘビーなウエイトを使用) 30~45秒
メモ:
ダブルケトルベル・フロントラックキャリーでは、それぞれの手にケトルベルを持ち、二頭筋と前腕の間に寝かせる (これがフロントラックポジション。この状態で前方に歩くのがキャリー)。ニーフによると、「ここでの目的は、ひじを上半身に付け、背中を伸ばした状態を維持すること (背中を反らしたり、前のめりにならないように)」
ファーマーズウォークは、それぞれの手に重いケトルベルを持ち、農家のように歩き回るエクササイズ。「猫背になったり背中を反らしたりせずに、良い姿勢を維持することが目的。肩を極端に丸めたり、反らしたりするのはNG」
※この記事は当初、Preventionに掲載されました。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Isadora Baum Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images