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卵料理なら何でもいいわけじゃない。

卵は、ダイエット中なら特に取り入れたい食材の一つ。

満腹感をくれるタンパク質が豊富で、有害な添加物も一切なし。比較的安く手に入り、ビタミン12を始めとするダイエットを後押しする栄養素でいっぱい。非常に使い勝手がいいのも魅力。多数の調理方法があり、朝食はもちろんのこと、簡単なランチやディナーでもヘルシーな活躍を見せる。作り置きや冷凍・冷蔵保存にも最適な卵は、時間に追われる現代人にとっては夢のようなアイテム。持ち運びにも便利で、どんな食材とも相性がいい。

でも、コレステロールが心配? もう何十年も、医師たちは卵自体を食べないか卵白だけにするかで、コレステロールの値を下げるよう指導してきた。でも、『6-Week Women's Nutrition Reset Challenge』の著者で公認管理栄養士のトニー・ステファンに言わせれば、そんな話はナンセンス。「自分のクライアントには、全卵を食べるよう勧めている。実際は卵黄だって体にいい」

これだけはハッキリさせておこう。人には、ある程度のコレステロールが必要。米国立衛生研究所によれば、コレステロールはホルモンバランスを調節し、ビタミンDを作り、消化を助けるのに使われる。最近の研究では、食事性コレステロールと心臓疾患の関連性を疑う研究さえ出てきた。アメリカは最新の食事ガイドラインの中で、1日当たりの食事コレステロール値の上限を撤廃。卵好きにとってはさらに嬉しいことに、ハーバード大学の研究によって、卵の摂取と心臓発作の増加には、なんの関係もないことが明らかとなったそう。

コレステロールの問題はさておき、卵黄はビタミンA、D、E、K、ルテイン、コリン、オメガ3脂肪酸の優秀な供給源。どれも卵白からは摂ることのできない栄養素ばかり (しかも、卵に含まれる脂肪の60%が不飽和脂肪なんてビックリ)。とはいえ、卵白がまったく使い物にならないわけでもない。卵白には、卵のタンパク質の大部分とカリウムなどの栄養素が含まれている。でも正直なところ、ゴムっぽい白身の山よりも、全卵の方がよっぽど美味しい。

さて、卵は栄養価が高くて美味しいということがハッキリした今、問題になるのは一番の食べ方。そこで今回はステファンに、7通りの調理方法をランク付けしてもらった。順位が高ければ高いほど、ダイエットには向かない。彼のクッキングハックと併せてチェックしていこう。

1.エッグベネディクト

ヘルシーにいきたいなら、この卵料理は完全に避けてとステファン。「7通りの調理方法の中で最も高カロリーなのがエッグベネディクト。イングリッシュマフィンには炭水化物がたっぷりだし、ベーコンとオランデーズソースの脂肪でカロリーがますます増える」。情報までに、伝統的なエッグベネディクトには、600kcalのカロリーと40gの脂肪が含まれている。だからといって、もう二度と、この美味しい朝食メニューが頂けないなんてことはない。ただ、控えめに食べることだけは忘れないで。

2.キッシュ

卵たっぷりのこのパイは、ブランチの定番。サクッとしたパイ生地に詰まった卵、野菜、お肉、スパイスには抗えないものがある。でも、そこをちょっと我慢して。「ヘルシーな野菜とタンパク質が含まれていても、ミルク、クリーム、小麦粉のカロリーがあっという間に加算される」 とステファン。ヘルシーにしたければ、パイ生地なしで野菜のキッシュを作ってみて。

3.フリッタータ

野菜にチーズ、お肉を混ぜて一緒に焼けば、基本的にはオムレツと同じなのに、まったく違う風味と味覚が生まれる。焼き時間が長いので、アーティチョークやブロッコリーといったオムレツには使えない野菜を加えることも可能。ステファンが指摘するフリッタータの問題は、いつの間にか具材を入れすぎてしまうこと。炭水化物であるパイ生地を底に使ったり、チーズを乗せたりするレシピでは、カロリーも増える。自家製フリッタータは、シンプルに作るのが一番。ホウレン草とトマト、ブロッコリーと赤ピーマンなどのコンビネーションを試してみよう。

4.玉子焼き

調理方法を変えるだけで、ここまで味が変わるってすごい。ステファンによると、ゆで玉子の匂いや質感が苦手な人、サンドイッチに玉子を使いたい人にとっては、玉子焼きが次善策。でも、カロリーと脂肪たっぷりのバターやオイルを使ってしまうと玉子焼きのカロリーが倍になってしまうので、カロリーゼロのクッキングスプレーで焼くことを忘れずに。余分なカロリーを摂らずに、変わらぬ美味しさとカリッとした端っこが楽しめる。

5.スクランブルエッグ

これまでで最も簡単な調理法であるスクランブルエッグ。失敗することなんて、ほぼ不可能も同然。温まったフライパンに卵を入れて、よく火が通るまで炒めるだけ。そこに何を加えるかで栄養価が変わる。そのまま食べれば、ヘルシーさと栄養価でゆで玉子と肩を並べるけれど、実際はちょっと味付けしたい人がほとんど。

この機会に、刻んだ野菜やひとつかみのホウレン草を入れるのがステファンのおすすめ。少量のチーズは構わないけど、あっという間に入れすぎてしまうので分量に注意して。刻んだハムを加えれば、ちょっとしたタンパク質補給も風味付けも簡単。目安として、含まれるのは約300kcalのカロリー、25gのタンパク質に20gの脂肪。炭水化物と食物繊維のほとんどは、追加した野菜から摂ることになる。

6.オムレツ

“チェダーチーズとベーコンだらけ” ではなく、“ヘルシーな野菜でいっぱい” だと考えるのがポイント。ステファンいわく、オムレツはあなたの苦手な野菜を “隠す” のが上手。マッシュルームやアスパラも食べやすくなる。野菜好きなら、心行くまで何でも入れてしまえばいい。「個人的には、全卵2つにカラフルなピーマン、玉ねぎ、ホウレン草をたっぷり加え、フェタチーズを振りかけたオムレツがお気に入り」 というステファン。「カロリーの量にだけは気を付けて、チーズや加工肉を入れすぎないように」。ステファンのオムレツには、209kcalのカロリー、16gのタンパク質、12gの脂肪、7gの炭水化物、そして2gの食物繊維が含まれている。

7.ゆで玉子

ステファンにとって、これほど無駄のないタンパク質供給源は存在しない。「茹でている間に、余分なカロリーなんて交りっこない。これは卵本来の形」。熱々でも冷めても美味しく、栄養価アップを狙って他の料理 (コブサラダなど) に加えることができる上に、持ち運びにも超便利。ゆで卵一つで、カロリー約70kcal、タンパク質6g、脂肪5gが摂れることを見込んでおこう。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Charlotte Hilton Anderson Tanslation: Ai Igamoto Photo:Getty Images