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「スニーカーを履くとなぜか足が疲れる」「外反母趾予防にスニーカー通勤をしたら、足がつってしまった」。この手の悩みを抱える女性は意外と多い。一見、パンプスよりもスニーカーのほうが足は疲れなくて、足の健康のためにいいと思いがち。実はそこには大きな落とし穴があった。そんなスニーカー疲れの原因と対策を、整形外科医で「お茶の水整形外科」院長の銅冶英雄先生に伺った。

スニーカーとパンプス、足に与える影響はどう違う?

スニーカーとパンプスではそもそもアキレス腱への負担が違う、と銅冶先生。

「パンプスを履いている時は、簡単にいうとつま先立ちした状態です。このとき、アキレス腱は縮まった状態になっています。ところがスニーカーを履いているときはヒールがないので、かかとまでしっかりと地についた状態が基本姿勢になります。そうすると、アキレス腱は伸びた状態になりますよね。地面に対して、アキレス腱は90度垂直に伸びています。日常的にスニーカーを履いている人は、このアキレス腱が伸びた状態が通常の立ち姿勢になっています。ところが、パンプスなどヒールがある靴が中心で、アキレス腱が縮まった状態が多い人は、普段の立ち姿勢や歩くときでもアキレス腱が伸びることがなく膝の裏側に伸びる下腿三頭筋が硬く伸びにくくなっています。そのため、スニーカーを履くと、無理やり筋肉が伸ばされて、足が疲れたり、足がつったりするのです」

スニーカーで疲れる人は、運動故障も起こしやすいので要注意

さらに、銅冶先生は、スニーカーを履くと疲れるから履かない、では問題は解決しない可能性があると指摘する。

「足首が硬いとけがや故障を起こしやすくなります。そういう人がスポーツを始めて、足首が硬いままケアをせずに運動を行えば、アキレス腱が損傷するなど、大きなケガにつながることも。スニーカー疲れを感じたら、アキレス腱が弱くなっているという自覚を持って、セルフケアをすることが大事です」

①パンプスとスニーカーの割合を同じぐらいにしてみる

「スニーカーは疲れるとパンプスばかり履いていたのでは、アキレス腱は縮まったままです。できれば、1日おきぐらいに交互にパンプスからスニーカーと書き換える習慣と持つようにするといいでしょう。スニーカーで生活することがアキレス腱のトレーニングにもなります。ただ、最初のうちはかなり疲れるはずです。そういう人は少しソールに厚みがあるタイプ、エアクッション系のものなど、ヒールが多少あるものを選ぶとアキレス腱への負荷が軽減できるでしょう」

②アキレス腱ストレッチを1日3セット

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スニーカー疲れする人は、アキレス腱から下腿三頭筋の柔軟性も不足気味。この部分を柔軟にするだけで、疲労感は軽減されるという。

「片足を後ろに引いて引いた足のかかとをしっかりついて、アキレス腱を伸ばします。このストレッチを左右15回ずつ行うといいでしょう」

1日3セットを目安にケアしてみよう!



Photo: Getty Images Text: Manabi Ito

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銅冶英雄先生
整形外科医

お茶の水整形外科機能 リハビリテーションクリニック院長。1994年日本医科大学卒業後、千葉大学附属病院、成田赤十字病院、国立がんセンター中央病院などに勤務。海外留学などを経て、2010年、お茶の水整形外科機能リハビリテーションクリニックを開院。長年腰痛に悩まされた経験を生かし、独自のメソッドを開発。『4万人の腰部脊柱管狭窄症を治した! 腰の痛みナビ体操』(アチーブメント出版)、『腰痛治療「0分」革命!』(主婦と生活社)など著書多数。