運動女子は要注意。ドクターが語る、スポーツ選手でもなる人が多い「回転性めまい」

26 January 2019

運動女子は要注意。ドクターが語る、スポーツ選手でもなる人が多い「回転性めまい」

男性に比べ、女性に悩む人が多いといわれるめまい。脳や神経の疾患に詳しい医師の霜田里絵先生にめまいについて伺ってきたが、第3回の今回は、とあるめまいについて掘り下げる。それは、回転性めまいの中でもアスリートや運動好きな女子にもリスクがある、良性発作性頭位めまい症。あの有名な元なでしこ選手も罹ったのではといわれるこの症状、一体どんなもの?

霜田里絵先生

医師・医学博士 霜田里絵先生

銀座内科・神経内科クリニック院長。順天堂大学卒業後、同大学病院脳神経内科医局など経て、2005年に銀座内科・神経内科クリニック院長に。2011年、医療法人社団ブレイン・ヘルスを設立、理事長に就任。脳疾患や神経内科を主体に治療に従事、専門はパーキンソン病、アルツハイマー病、脳血管障害、頭痛、めまい、しびれなど。『一流の画家はなぜ長寿なのか』(サンマーク出版)、『脳の専門医が教える40代から上り調子になる人の77の習慣』(文藝春秋刊)、『絶対ボケない頭をつくる!』(学研パブリッシング)など著書も多数。銀座内科・神経内科クリニック http://www.ginzanaika.com/

突然、グルグルと目が回る「回転性めまい」には、メニエール病や前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)、慢性中耳炎などいくつかの原因が考えられるという。その中でも、比較的多いのが、良性発作性頭位めまい症(りょうせいほっさせいとういめまいしょう)だ。元なでしこジャパン、元女子サッカー日本代表の澤 穂希さんが現役時代に罹ったのもこのめまいだと言われている。


脳ではなく、耳が原因で起こるめまいもある

「めまいというと多くの人は、脳に何かあるのではないかと疑います。もちろん、脳に何かあっては大変なので、脳に問題がないかは確認しなくてはいけません」と語るのは、銀座内科・神経内科クリニック院長の霜田里絵先生。

「でも20~30代のめまいの場合、ほとんどの方は脳に問題を抱えていません。特に、回転性めまいの場合に問題となるのが耳です。耳には私たちの体の平衡感覚を司る器官があります。

耳の奥にある内耳(ないじ)の中に前庭(ぜんてい)と呼ばれる部分があり、そこに三半規管があります。三半規管には言うなれば“3つのリング”が付いているのですが、このリングにリンパ液が入っています。頭や首を動かすとリンパ液の位置が変わり、脳に体の向きや位置などの情報を送っているのです。

ところが、その三半規管に不調があると、その位置情報が正しく伝わらず、平衡感覚が乱れてめまいが起こってしまうわけです」


運動女子、必読。スポーツによる衝撃に原因になることも

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三半規管の中には耳石(じせき)があり、成分は炭酸カルシウムだ。澤さんの場合、サッカーでヘディングをしたときの衝撃で、耳石が三半規管に飛んで、良性発作性頭位めまい症(りょうせいほっさせいとういめまいしょう)を起こしたのではないかと言われている。

「サッカーの場合は特にヘディングなどをするので衝撃を受けやすいのですが、他のスポーツでもぶつかったり、頭を強く動かすなどをすると、これらの動作が良性発作性頭位めまい症を引き起こすとも考えられています。

ただ、衝撃がなくても耳石が動いて、良性発作性頭位めまい症を起こすこともあります。朝起きようとして動いたら、グルグルと天井が回って起きられないという人もいます」


耳が聞こえにくいなどの症状があったら「必ず受診を」

良性発作性頭位めまい症は良性とついているので、死に至る病気ではない。だけど、くるくると目が回るので気分が悪く、吐いてしまったり、動けないという症状が出てしまうこともある。

「良性発作性頭位性めまいは、耳石の位置が落ち着くと症状は安定します。非回転性に比べると症状は一過性のものが多いのも特徴です。めまい止め薬の服用や耳石を動かす治療などを行いますが、そのまま放っておいても治るケースもあります。

ただ心配なのは、他の疾患が隠れているケースです。難聴など耳のトラブルが起きていて、回転性のめまいを感じることもあります。いつまでも治らない場合や症状を繰り返す場合、耳が聞こえにくい、違和感がある場合はめまい外来などの受診をお勧めます」

Photo:Getty Images Text:Manabi Ito

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