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「ノモフォビア」という言葉を聞いたことはある? これは、「No Mobile Phone Phobia」の略で、重度のスマホ依存症のことを指す。最近ではホテルでチェックイン時にスマホを預けることで強制的にデジタルデトックスをするサービスも出てきているけれど、世界的にもデジタルデトックスの重要性に注目が集まっている。そこで今回は、ヘルシーなライフスタイルを実践し、発信する5人のインフルエンサーたちが、デジタルデトックスの取り入れ方や、付き合い方のコツをイギリス版ウィメンズヘルスに教えてくれた。

“ノモフォビア” とは、携帯電話が手元にないと恐怖を感じる、俗に言うスマホ依存症のこと。

家でスマホが見当たらないときのあの感覚は、あなたにも分かるはず。バスの後部座席に置き忘れたかも! と慌てふためくけれど、実際はジムバッグの底にあるというのが定番のオチ。

朝起きた瞬間から夜寝る瞬間まで、あなたは常にオンライン。SNSとサーチエンジンを当てもなく彷徨いながら、都合のいいように加工された人々の人生を追ったり、もうすぐオープンするブランチスポットを見つけたり、元カレの妹の卒業式の写真に見入ったりする。

これは決して、あなただけの話ではない。一般的な成人は毎日平均2時間51分、1ヶ月で約86時間もスマホをいじる。

インターネットは確かにスゴい。この記事だってネット上にある。でも、スクロールばかりしていると、気分が落ち込んだり、睡眠の質が低下したりするだけでなく、そのときの姿勢のせいで背骨や肺に悪影響が及ぶことも複数の研究結果が示している。

やっぱり、そろそろ “デジタルデトックス” をした方がいいのかも。

デジタルデトックスの実践法

1.マデリーン・ショー

『A Year Of Beautiful Eating』を執筆した栄養セラピスト

「四六時中オンラインでいるのがしんどくなるときもあるので、デジタルデトックスには大賛成。息をするのと同じくらい本能的にインスタグラムを見てしまう私の場合、SNSのアプリをスマホから消さないとデジタルデトックスは成功しない。年末年始は毎年必ずオフラインだし、出産前の1ヶ月もSNSの使用を控えた。デジタルデトックス中は、急に手持ちの時間が増えたような気がしたわ。リラックスできる一方で、インスピレーション不足に感じるのは欠点と言えるかも。食べ物、インテリア、ファッションのアイディアを得るには、インスタグラムがピッタリだから」

「今でも日曜日は電子機器の電源を切り、家族との時間を大切にするようにしている。カフェの店員と話ながらスマホを取り出し、メールをチェックするようなことはしないでしょう? 一番大切な人が相手ならなおのこと。毎週必ずとはいかないけれど、スマホを1日使わずにいるとリフレッシュできておすすめ。月曜日の朝、オンラインに戻るのが楽しみでウズウズしちゃうけれど(笑)」

デジタルデトックスのコツ

「大切な人を巻き込むこと。彼氏が隣でスマホにかじりついていたら、あなたも自分のスマホを見てしまうでしょう? お互いにスマホを使わないことを約束したり、『最初にスマホを見た方が今週の洗濯当番ね!』とゲーム感覚で楽しんだりするといいと思う」

デジタルデトックスのルール

「スマホから物理的に距離を置くようにしてる。夜9時になったら1階でスマホをチャージし、翌朝まで一度も見ない。これで良く眠れていると思うわ。翌日、朝食を取りに1階へ下りると、本能からメッセージをチェックしてる。緊急事態が起きていないことを確かめるためだけど、これまでのところ、そんな緊急事態は一度も起きていないわ」

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2.カーリー・ロイナ

パーソナルトレーナー兼フィットネスブロガー

「SNS上の暮らしがあるなんて素晴らしいことだし、これを仕事と呼べるなんてラッキーだと思う。でも、いつも必ず世界のどこかに起きている人がいるから、“勤務時間外” になることはないの。これが精神的に辛いし、家庭生活に響くのも当然」

「私の場合は、クリスマス休暇中にパートナーと旅行に出掛け、できるだけオフラインでいるようにした。ギターと望遠鏡だけを持って国立公園へ行き、この上なく美しい3日間を過ごした。静けさが逆にうるさくて最初はパニックになったけれど、耳を傾ければ傾けるほど素晴らしく思えてきた。下を向き、自分の人生を他人の人生と比べ続けるのをやめれば、これほどまでに周りの世界と繋がれるものなのか、とビックリしたわ」

「デジタルデトックスが苦手な人もいるとは思うけれど、SNSを仕事にでもしていない限り、ただ呆然とスクロールする癖がついていることに気付かないこともあるのでは?」

デジタルデトックスのコツ

「スマホの使用時間を記録する『Moment』というアプリがオススメ。使いすぎを知らせるアラームが設定できるし、人生を少し取り戻すのに役立つ14日間の携帯電話ブートキャンプもある」

デジタルデトックスのルール

「パートナーと私は、夕食の席で携帯電話を一切見ないと決めている。フードセルフィーを撮ったあとは携帯電話使用不可区域。寝室でスマホを使うのも禁止して、アラームは古臭い目覚まし時計に替えたの。やろうと思えば他のことができるのに、結局スクロールしてしまう時間の長さにビックリ」

3.タニア・グッディン

『Off: Your Digital Detox For A Better Life』を執筆したデジタルデトックス・エキスパート

「最近読んでいる本を友達に聞かれ、2年間1冊も読めていないことに気付いたの。デジタルビジネスを20年以上運営してきた私はインターネットを使ってばかり。その結果、集中力が続かなくなっていた。デジタル業界に一番乗りした私のような先駆者たちは、数年前に何かがおかしいと気付き始めた。最近では多くの人が、そのことに気付いてきたようで何より」

「デジタルデトックスを始め、画面にばかり目をやる生活から定期的に距離を置いてみたところ、予想通り、すぐに集中力が改善した。それと同時に創造力も一気に戻ってきたわ。スマホの情報で常に頭がいっぱいだと、新しいアイディアのためのスペースがなくなってしまうから」

「デジタルデトックスをすると仕事やキャリアに悪影響が出るのでは、と心配する人は多いけれど、私の場合は生産性が一気に向上した。パソコンもSNSも素晴らしいツールだけれど、マインドレスに使うのはおすすめできない。ネット上の “ブラックホール” に吸い込まれ、何時間も無駄にする必要はないのだから」

デジタルデトックスのコツ

「バナー、ポップアップ、音付きの通知は全てオフにしてみて。私はこれを2年以上続けているし、着信音もオフ。私にとって携帯電話はツールであり、ご主人様ではないのだから。これはものすごくシンプルだけど、とても効果的な方法」

デジタルデトックスのルール

「寝室に携帯電話は持ち込まないようにしているけれど、私もただの人間なので、そのうち悪い習慣が戻ってきてしまう。そのときは今一度、境界線を引き直さなければならない。デジタルヘルスは食べ物と一緒。食べすぎたことに自分で気付き、再び軌道に乗せる必要がある」

4.ナタリー・グレイズ

ヘルス/フード/フィットネスインフルエンサー兼ブロガー

「つい最近、2年連続でスマホからSNSアプリを全て消し、5日間一度もチェックしないというデジタルデトックスに挑戦した」

「このデジタルデトックス期間中は、家族の周りで今まで以上に自分の存在意義を感じられたので、いい決断だったと思う。普段は寝つきが悪いのに、その間は良く眠れたし、全体的にリラックスできた。デジタルデトックスをするといろいろなことが分かってくる。スマホに費やす時間の長さに気付くし、自分がスマホから離れでも、人生が変わるわけではないことも受け入れられるようになる」

「奇妙な話ではあるけれど、デジタルデトックスをしたことで集中力が高まったと思う。自分の目標とビジョンを書き出す間、漠然とスクロールして気が散ることもなかったおかげで、今年は自分を追い込み、もっとクリエイティブなビジョンを描きたくなった」

デジタルデトックスのコツ

「一気にやめること! スマホからアプリを全部消してしまえば、見たくなることもない。それが無理なら、夕食の間はスマホを別の部屋に置いておくようにして」

デジタルデトックスのルール

「スマホを別の部屋に置いてリラックスする時間を毎週設け、読書、絵画、ボードゲームなどを楽しむようにしているの。これでかなり気が散りにくくなるはず」

5.エラ・ミルズ

フードブログ『DELICIOUSLY ELLA』を執筆する起業家

「年末年始のデジタルデトックスは、本当にやった甲斐があった。携帯電話を手放すと、とてもリフレッシュできるの。その効果を実感したし、いつもなら目的もなく他人のフィードをスクロールしている時間を周りの人との交流に使うことで、自分の生産性も存在意義も高まったと思う。みんなが何をしているか不安に思うことがなくなり、仕事も一休みできた。仕事を休むなんて、SNSをスイッチオフしない限り、私にとっては不可能に近いことだから」

「ビジネス関連のアカウントは今でも私が管理しているし、インスタグラムだけで毎日300件近いメッセージを返してる。それだけでフルタイムの仕事なのに、他の仕事もこなすのは言うまでもなく大変だから、デジタルデトックスで頭に余裕が生まれたのは良かった。デジタルデトックスの後はエネルギーとアイディアいっぱいの状態で仕事に戻ることができたわ」

デジタルデトックスのコツ

「自分の休暇や年末年始など、世の中がスローダウンする静かなときが訪れるのを待つのがおすすめ。繁忙期にデジタルデトックスをするのは厳しいと思うし、通勤中、バスの中で退屈したらインスタグラムが見たくなるもの。でも、デジタルデトックスによって、自分がどれほどスマホの画面に釘付けかが本当に良く分かった。ネット上の他人の人生から自分を引き離す時間を増やすことは、誰にでもできるはず」

デジタルデトックスのルール

「情報に乗り遅れたり、取り残された気分になったりしないよう、スマホの使用量を制限することにしている。私にとっては、友達や家族の近況を知らずに過ごさなければならないのが、デジタルデトックスの唯一のデメリット。SNSで人々が繋がり、何千キロも離れたところにいる大切な人の近況さえ見られるのは素晴らしいこと。SNSはエキサイティングなニュースをシェアする場でもあるから、おめでたい話があれば知りたいからね」

 
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Ally Head Translation:Ai Igamoto Photo:Getty Images