管理栄養士がこっそり教える、ダイエットの新常識11
そろそろダイエットを考え始めたという方のために、管理栄養士の足立香代子先生が、“目からウロコ”の新常識を伝授!
クリスマスから年末年始、パーティや家族の集まりでおいしいものをたっぷり食べた人も多いはず。そろそろダイエットを考え始めたという方のために、管理栄養士の足立香代子先生が、“目からウロコ”の新常識を伝授!
Photos: Getty Images Cooperation: Kayoko Adachi
「ベジタブルファースト」ではなく、「食物繊維ファースト」が正解!
サラダを先に食べていたけど、あまり役立っていなかったって本当?
「『ベジタブルファースト』でイメージするのは、レタスやキャベツなどサラダにする野菜ではないでしょうか。ですが、これらには食物繊維が少なく、食後の血糖値を抑えてはくれないのです。つまり、食後血糖が高くなった分、体内に脂肪をため込みやすくなり、やせるどころか逆に太りやすいのです。これでは逆効果。そこで、『ファースト』におすすめしたいのが、緑黄色野菜ときのこ。特にまいたけは、豊富な食物繊維と独自成分である『マイタケα-グルカン』が食後血糖の上昇を抑えるうえに、しゃきしゃきと歯ごたえがあってよくかんで食べられるので早食いにならず、太るのを予防してくれます。50g、1/2パック程度を摂るのが理想ですが、少しだけても満足感があるし、味わいも癖がないので、和洋中、様々な料理とあわせやすいと思いますよ」
おやつを食べるなら「せんべい」ではなく「クッキー」
油脂分もあり、軽い食感でついつい食べ過ぎてしまいがちなクッキーが、せんべいよりダイエット向きなんて!?
「せんべいは炭水化物、つまり糖質のみで構成されています。それに比べるとクッキーには、炭水化物、タンパク質、脂肪が含まれている。一見それは太りそうに思えるかもしれませんが、糖質を摂る際に脂肪やたんぱく質と一緒に摂取する方が、血糖値が上がりにくいのです。血糖値が急に上がると、余分な糖が脂肪として蓄積されます。それが肥満などの原因になると考えられています。ですから、せんべいよりクッキーが血糖値の急上昇を抑え、結果として、太りにくいおやつだ、と言えるのです。でももちろん、食べ過ぎはだめですよ!」
和菓子は冷凍して食べよ
“冷凍”の意外な効果を発見!
「甘い和菓子を食べると血糖値が上がるのは当然なのですが、抹茶と一緒に食べるときは、一気に口に放り込むのではなく、上品に少しずついただきますよね。しかも抹茶には繊維が豊富なので、お茶と一緒に少しずつ、というのは理にかなった食べ方です。けれど、忙しい生活の中でなかなか抹茶を立てる余裕がないのも事実。賞味期限が短い生菓子は、いただいたり買ったりしたらすぐに食べなくては、と、一気に食べてしまいがちなのも危険です。そんな時は冷凍するといいのです。冷凍すれば、焦って食べなくてもいいわけですから、小分けにして少しずつ食べられます。“少しずつ”“ゆっくり”を心がけて、冷凍という方法を上手に使ってみてください」
ポテトチップスを食べるときは「ディップソース」をつけるのがベター
ただでさえ罪悪感いっぱいのポテチに、さらにディップをつけるなんて!
「ポテトチップスは、確かに罪悪感のあるスナックですね。そこにディップを足すなんてさらに悪そう。でもこれが功を奏するのです。ディップは、タンパク質と脂肪をプラスするよう、チーズを使ったものや、アボカドとオリーブオイルなどがおすすめ。食物繊維の多いまいたけを加えるのもいいですね。これもやはり、血糖値の上昇を抑えるためのものです。そしてもうひとつ、ディップを付けることで満足度が上がり、ポテトチップスの消費量も減るはずです。おいしくなってさらにヘルシー、いいことづくめでしょう?」
足立香代子(あだち かよこ)
一般社団法人臨床栄養実践協会理事長。せんぽ東京高輪病院名誉栄養管理室長。医療現場で栄養面から患者をサポート、栄養摂取量に基づいた低栄養や、生活習慣病患者の栄養診断に基づいた栄養指導法に定評がある。テレビ、ラジオなどメディアでの活躍も多数。近著に『糖質を味方にするズルイ食べ方BEST 100』(ワニブックス)など。