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低炭水化物、高タンパク質ダイエットのメリットを説き勧める人は多い。低炭水化物の食生活を始めれば、甘い物への欲も気性の粗さも半減するという話は聞いたことがあるのでは?

専門家によると、これは脳のお気に入りの燃料供給源である炭水化物を体内から取り除いてしまうと、ムードを調整するホルモンバランスが乱れ、イライラして暴食することになるから。

今日の科学的研究は、低炭水化物ダイエットがあなたの意思決定に影響を及ぼすことを示している。少なくとも、米国科学アカデミー誌に掲載された新たな研究結果がその可能性を示唆している。

低炭水化物と高炭水化物の朝食を食べた後の人々の行動を調べるために2つの実験を行ったこの研究では、驚くべき結果が見られたそう。

1つ目の実験において、その日の朝食に食べた物を聞かれた87名の被験者は、その後 “最後の申し出ゲーム” というものに参加した。このゲームは、自分に割り当てられた金額をどう分け合うかを他のプレイヤーに提案するというもの (例えば、私の取り分は£15であなたの取り分は£5)。

他のプレイヤーがオファーを受け入れれば、両プレイヤーにその取り分が支払われる。でも、他のプレイヤーがオファーを却下した場合、両プレイヤーに利益はない。(過去の研究から、他のプレイヤーはアンフェアな提案を退けるのが通常で、のっけからそんなバカげた提案をすることに対する社会的なお仕置きとして解釈される)。

このゲームの結果、高炭水化物の朝食を食べた人に比べて、低炭水化物の朝食を取った人はアンフェアなオファーを受け入れる確率がずっと高いことが分かったのだそう。

2つ目の実験では、24名の被験者が2日間に及ぶゲームに参加した。初日、片方のグループにはパン、ジャム、フルーツジュースという高炭水化物の朝食が与えられ、もう片方のグループにはハム、チーズ、ミルクという低炭水化物の朝食が出された。2日目、この朝食メニューを入れ替えたところ、ここでも低炭水化物の朝食を取った人にアンフェアなオファーを受け入れる意思が強いことが判明した。

なぜこのような結果になるのかは、研究チームにとっても謎のまま。ただ、低炭水化物の食事にはタンパク質が多く含まれるのが一般的であることが理由かもしれない。タンパク質は、意思決定に影響を及ぼすご機嫌ホルモンであるドーパミンの脳内分泌を促進する。そこから来る気分の良さで我慢強くなり、このゲームにおいても不利な提案を受け入れることに繋がった可能性がある。

興味深い研究結果である一方、この実験の規模は小さく、低炭水化物の食事が実際に人々の意思決定を変えると科学が断定するにはより多くの実験が行われる必要がある。現時点で分かっているのは、そこに関連性があるということだけ。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Korin Miller Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images