トレーニングで体を動かすのはいいことだけれど、それに極端な食事制限を組み合わせていない? その上、最近「だるい」「集中力に欠ける」と感じる人は体力をつけるどころか、筋肉が落ちている可能性大。
イギリス版ウィメンズヘルスは、脂肪ではなく筋肉が落ちているサインを、トレーニングの専門家たちに教えてもらった。
1. 予想以上に体重が減っている
週に1キロ以上体重が落ちている場合は、筋肉がエネルギーに変えられてしまっている可能性があると話すのは、トレーニングジム「Soho Strength Lab」の創設者である管理栄養士のアルバート・メセニー。
もちろん体重は日によって変動するもの。例えば、体重を測る前日に塩分多めの夕食を摂(と)るだけでもある程度は変わるだろう。でもそのような要素と関係なく体重が減っている場合は、筋肉量が落ちている可能性が高いと思っていい。
2. 以前に比べて、体力がもたない
夜遊びした翌日にジムに行っても、最大限の体力はなかなか発揮できないもの。過度な食事制限や運動もこれと同じで、やり過ぎは禁物。結果的に筋肉の修復能力が衰えて、逆にすり減ってしまうそう。
非営利活動法人NSCAでプログラムマネジャーを務める、ニック・クレイトンの提案は、「アクティビティー・トラッカー(運動量や睡眠の質などを自動計測するリストバンド型またはクリップ型の活動量計)を使ってワークアウトを数値化すること」。「以前は朝のジョギングで2,000歩走っていたのに対して、今は1500歩以上走ることができない」「数週間コースの高強度インターバルトレーニングのクラスで700キロカロリーを消費していたのに、今は500キロカロリーしか消費していない」などは、筋肉が減っているサインととらえていいそう。
3. トレーニング停滞期に突入している
ハードなトレーニングはまず筋肉の繊維を傷つけ、それから修復させ、最終的に筋肉を強化するもの。でも十分な栄養がとれていなかったり、回復のためにしっかりと休めていなかったりすると、筋肉は強化するどころか衰えてしまうとか。
次第に進歩が止まり、運動のテンポや筋トレの重量を上げることができなくなる。「進歩が見られなくなったら、体が必要としている栄養を十分に与えていないサインだととらえましょう」とメセニー。
4. ここのところすぐイライラし、頭がぼーっとする
神経科学に関する著書『Basic Neurochemistry: Molecular, Cellular, and Medical Aspects』によると、考えることだけにも私たちは多くのエネルギーを使っているそう。具体的には、1日の摂取カロリーの2割が平均だとか。
つまり、栄養が不足していれば脳機能に影響を及ぼし、結果として”Brain Fog”(思考が明瞭でなくなり、頭にもやがかかったような状態)という現象が起きたり、時としてはいら立ったりすることも。筋肉に指令を送るのも脳の働きであるため、脳にエネルギーが行き渡っていないと効率よく運動することもできない。
「神経系は、筋肉系と協力して働くものです。体全体がうまく機能するためにも、まずは脳が正常に機能しなければなりません」とクレイトン。
5. 体のバランスが取りづらい
だるくてぼーっとすることを理由に、バランスがとれなくなることも。先ほどの点と同じく、脳が筋肉にうまく指令を出せないため、バランスを保つことを難しく感じてしまうそう。
「血糖値が低かったり、休みがしっかりととれていなかったりすると、うまく集中できなくなり、バランスがとれにくくなる傾向にあります。全力を発揮することも難しく感じるでしょう」
この記事は当初US版ウィメンズヘルスに掲載されました。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Colleen de Bellefonds Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images