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今年もやってきた忘年会シーズン! ウィメンズヘルスでは、忘年会のせいでダイエットを台無しにしないためにできることを、3回にわたってご紹介。今回は、忘年会出席時に覚えておきたい食べ方について。味方につけたい食材、脂質たっぷりの揚げ物との付き合い方、そしてお酒の飲み方を管理栄養士の岸村康代さんに聞いてみた。

罪悪感を抱かずに、たっぷり食べるといい食材

低カロリーで満腹感を得るのが得策。食物繊維とタンパク質が豊富な食材を味方につけて

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例えば居酒屋の定番メニューでもある枝豆は、食物繊維とタンパク質がたっぷり詰まっているので、罪悪感なしにつまめるものの代表選手。食べながら健康になることを推奨する岸村康代さんが、その他に薦めているのは、ブロッコリーやごぼう、そして芽キャベツ。野菜以外では豆腐や納豆など、満腹感をもたらす大豆タンパクもおすすめ。

「タンパク質は糖質よりも消化に時間がかかるため、結果として腹持ちがよくなります。ですから、肉や魚もおすすめです。特に魚の脂は他の脂よりも脂肪になりにくいのでいいでしょう」

さらに塩キャベツや浅漬けなど、野菜が主役の一品は20キロカロリーから100キロカロリーほどのものが多いみたい。そのため、どうしても口が寂しいときは野菜を選ぶのがセーフティだそう。

調理法から選ぶのも一つの手。口に運びたいのは、焼きものか生もの

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「例えば焼き魚であれば80グラムで100キロカロリー台に抑えられるものもありますが、同じ量の唐揚げを食べてしまうとカロリーはその倍にもなります」と岸村さんは注意を促す。「それに、揚げ物は衣が厚ければ厚いほど高カロリーになります。迷ったら、カルパッチョやお刺し身など生の物、もしくは塩焼き鳥などの焼き物に」

疲労感満載の朝を迎えないためにも。2次会では、脂肪分の少ないものをチョイス

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アルコールがそこそこ回ってきた段階で行く2次会は、欲望を抑制するのが難しくなってくるとき。とは言っても「具だくさんのとんこつラーメンは、1人分で約800キロカロリーになることもあります」と岸村さんは忠告。

そんなときは周りに合わせず、せめておでんやみそ汁など、脂肪分が少ないものを食べるといいそう。それに胃に負担をかけ過ぎてしまうと、体重が増える上に、疲れが取れないまま翌日を迎える可能性もあるそう。

「脂質が多いものは、消化に時間と負担がかかります。肝臓は沈黙の臓器としても知られていますが、アルコールや食べ物の栄養素を代謝するときにたくさん働いてくれる臓器です。そこに大量のアルコールと脂肪を入れてしまうと肝臓は疲弊します。さらに未消化のものが消化器内に残ったまま睡眠をとってしまうと、睡眠も浅くなることを覚えておきましょう。睡眠がしっかり取れないと、成長ホルモンも十分に分泌されないので、ぐったりした状態で翌日を迎えることになります。つまり肝臓が疲れていると、体にも疲れが出やすいのです」

胃も疲弊させる「揚げ物」とのベストな付き合い方

高カロリーのものは、我慢しないで少量食べる

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野菜ばかり食べていると、少しは脂っこいものが恋しくなることも。そんなとき、我慢がストレスになるようなら、少量をゆっくりかんで味わうようにしよう。
例えば唐揚げなら1〜2個に。「一口かんだら、一度箸を休めてじっくり味わいましょう」。話しながらだとつい箸が進んでしまうので、高カロリーのものはあらかじめ食べる分を決めて自分の皿によそっておこう。
周りとの会話が途絶えたときにじっくり楽しむのもコツ。
「1個しかないものを大事に食べようと思うと、少量でも味わって食べたりするものです。大切に食べようと思うだけでも、食べるペースは変わると思います」

脂肪の吸収をゆるやかにしてくれる食材を一緒に摂る

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脂っぽいものを食べると決めたら、脂肪の吸収をおだやかにしてくれる食べ物と組み合わせるのがコツ。「食物繊維が豊富なものは、脂質の排せつを助けてくれて、吸収をゆるやかにしてくれます。おすすめは、枝豆や納豆などの大豆製品、きのこや海藻です」。脂っぽいものが胃に吸収されてしまってからでは効果がないそうなので、揚げ物を食べる前に摂取して。

衣が厚ければ厚いほど、カロリーも増えると覚えておく

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「素揚げ、唐揚げ、天ぷら・フライの順で衣の厚さは増し、カロリーも増えていきます」。ただ、天ぷらとフライはものによって前後するそう。例えばかき揚げなどはフライよりも衣が多いため、カロリーも多くなる傾向に。どうしても揚げ物が食べたいときは、まずは衣の量をチェック。衣が薄いものを優先的に選ぶと、少しはカロリーが抑えられると心にとめておこう。

食べ物だけじゃない。体重増加の原因はアルコールの選び方かも?

お酒はカロリーよりも、糖質量と薄められるものかが決め手

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「お酒を飲むときのポイントは、カロリーよりも糖質が少ないものを選ぶことです」と岸村さん。例えばカロリーでいうと、実は日本酒よりも焼酎の方が高いそう。「でも焼酎は糖質が0なので、水割りにするなど薄めて飲むと大量のカロリーを摂取することは避けられます。一方で日本酒はそのまま飲む場合が多いので、結果として水割りの焼酎を数杯飲むよりも、カロリーが上回る可能性があります。日本酒を飲むときには、お酒の3倍くらいのお水をたっぷりと飲むことと、おつまみに気をつけるといいでしょう」。その他でも薄めて飲めるウオッカやテキーラなど、糖質の少ないお酒の水割りや赤ワインなどは、体重増加にもつながりにくいそう。

ただし「肝臓のためを考えると、日本酒は1合まで。ビールは1瓶まで。ワインは1、2杯までが適量」と岸村さん。「そしてお酒を飲んだら、それを体の外に排出しやすくするように、その倍以上の水を目標に飲みましょう。さらに忘年会後にトマトジュースを飲むと、アルコールの代謝時間が1時間早まるという研究もあります」
翌日に響かないためにも、対策を心得ておくのがスマート。

忘年会でのスマートな食べ方をおさらい!
・ 食物繊維とタンパク質豊富な食材で満腹感を! 特に魚の脂は脂肪になりにくいので◎
・ 揚げ物は少量ならOK。枝豆や大豆製品、海藻を前に食べておくことで、余分な脂肪の吸収を抑えて、排出を促す
・ 脂質が多いものは胃に負担をかけて翌日の疲労につながるので、〆に持ってくるのはNG
・ お酒のカロリーを抑えるには、なるべく糖質が少ないものを水割りで!

■ お話を伺ったのは……
岸村康代(きしむら・やすよ)さん
フードプランナー/管理栄養士、大人のダイエット研究所 代表理事。
2000人以上のダイエットを成功させてきた経験や野菜ソムリエなどの資格を生かし、商品開発、講演、メディア出演など多方面で活躍。大人のダイエット研究所では、忙しい大人が無理なく健康になるための食の推進を行っている。著書に『落とした脂肪は合計10トン!伝説のダイエットアドバイザーが教える 最強のやせ方』(東洋経済新報社)『おからパウダーダイエット』(セブン&アイ出版)など。
一般社団法人大人のダイエット研究所 http://otona-diet.jp



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