いわば「SNSうつ」!? 医師に聞く、ネットによる心のプレッシャーへの賢い対処法

16 January 2019

いわば「SNSうつ」!? 医師に聞く、ネットによる心のプレッシャーへの賢い対処法

電車に乗っている間もずっとSNSをチェック。インスタ映えのするスポットがあればそこで撮影をして、食事をするときもインスタに上げておしゃれかどうか、常に気にしてしまう。アップした写真への心ない書き込みに必要以上に傷ついてしまうことも……。

これは極端な例ではなく、最近の女性に多いSNSとの関係性だ。インスタやLINE、Twitterと自己を表現する場が増える分、そこにとらわれて、知らず知らずのうちにストレスを抱えているケースも。SNSと心の問題について、心療内科・精神科の坂本里江子先生にアドバイスを聞いた。

坂本里江子先生

精神科医・医学博士 坂本里江子先生

青山すみれクリニック院長。精神保健指定医。日本精神神経学会精神科専門医・指導医。日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー、アロマテラピーインストラクター、アロマテラピストなどの資格も持ち、治療にも取り入れている。女性の患者が中心のクリニックで、現代女性が抱える心の悩みを数多くケアしている。http://aoyama-sumire.com/


SNSは「他者から常に見られている意識」を生んでしまう

「ネットコミュニケーションは顔を合わせて付き合うわけではないのに、実際に会っているとき以上のストレスを感じる方も少なくありません。それは、常にオンラインでつながっているため、24時間他者から自分が見られているような錯覚を感じてしまうからのようです。

自分がアップした写真やコメントに対して、他者がどう反応するかが常に気になってしまう。それが次第に、相手の反応に合わせて“いいね”をもらえるように、『いい写真を撮らなくてはいけない』『おもしろいところに行かなくちゃいけない』『充実した日々を送らねばならない』と、“〇〇せねばならない”に支配されてしまう方もいらっしゃいますね」

最初は楽しい気持ちで上げていたはずのSNSも次第にコメントが気になり、人よりいい写真やコメントを上げなくてはという気持ちが芽生えてしまう。さらに、何かのはずみで嫌なコメントを受けてしまったり、炎上をしてしまうこともある……。

「炎上は明らかに大きなストレスですが、そうではなくても自分が思ったようなコメントが返ってこなかったり、評価がないと小さなストレスが少しずつたまっていくケースもあります。

また恋人や友達とのLINEでも、短いコメントでは相手の心理が読み取れないことも。そのたびに、『これはどんな意味?』と考えてしまうのも小さなストレスがたまる元になりますね」


ネットに依存しすぎていないか、たまには確認を!

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ネットがストレスになっているかどうかは、個人個人の価値観や使う頻度、使い方によっても異なるため、一概には答えが出ない。ただ四六時中手放せない、オンラインにつながってないと不安、と感じる場合は要注意だと坂本先生は言う。

「お風呂に入っているときにネットをずっと見ているという人は少なくありません。また、トイレや食事中も手放せないという人も。時間的な制約があって、トイレでしかネットが見られないという方もいるので必ずとは言えませんが、手元に携帯電話やパソコンがないと落ち着かない、不安で心配になるという人は、少し依存傾向があるかもしれません。

その場合は、デジタルガジェットから少し距離を置く意識を持った方がいいかもしれませんね。ネット上の表現は、いいものは“神”と言ってみたり、自分と合わない意見は徹底的に攻撃するという極端な表現に走りがちです。中間の価値観がなかなか反映されない世界でもあります。このことを理解して使用していれば問題ないのですが、ネットの内容を極端な意見や思考のまま受け取ってしまうと、心に大きなストレスを生みます。

まずは、“ネットはおもしろい部分もあるけど、極端な部分もある。まぁ、そんなもんだと思っていよう”ぐらいの意識を持つといいでしょう。そしてつらくなったら、無理をせずに、ネットはオフにする。これぐらいのスタンスでいることが大事だと思いますね」

  

SNSが拡大するにつれ、「勝ち組・負け組」「キラキラ女子」「承認欲求」「インスタ映え」などの言葉も耳にするようになった。けれど、大切なのは自分の心であり、自分自身。ヘルシーなネットとの付き合い方、考えてみて。次回は最終回、もし自分の周囲の人や大切な誰かがうつかもしれない、という事態について。あなたならどうする? 最後までお見逃しなく!

Photo:Getty Images Text:Manabi Ito

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