その生活が思わぬ誤算! “ヘルス意識高い系女子”がかかりやすい「酸蝕歯」って何?

12 June 2018

その生活が思わぬ誤算! “ヘルス意識高い系女子”がかかりやすい「酸蝕歯」って何?

明眸皓歯はヘルシーな人の条件と古来言われているけれど、白く輝く歯を守ろうとしていても、生活習慣や食生活が思わぬ悪影響を与えていたとしたら? また現代日本は飽食の時代であり、同時にストレスフルな環境でもある。そのためにフィットネスに力を入れて、オーラルケアに関しても意識が高い人たちがたくさん。けれど、その努力がむしろ無駄になってしまっていることも。フィット中は歯を食いしばることが多々ある運動女子は必見の、デンタルケアの最前線。歯や口内環境ケアのトレンドと正しいケアについてドクターにインタビュー! 第1回は今、私たちの歯を襲っている「酸蝕歯」についてフィーチャー。

大谷珠美先生

歯科医 大谷珠美先生

青山ホワイテリア院長。日本大学歯学部卒業。矯正歯科および一般・審美歯科を数カ所の歯科医院にて習得後、東京・青山に青山ホワイテリアを開業。現代女性のライフスタイルと歯の問題点などを本音で分かりやすく指摘し、解説。女性のクライアントからも、とても信頼されている。青山ホワイテリア http://www.whiteria.net/

きちんと歯磨きもしているのに、なんだか歯が黄色いと感じることはありませんか? 特に前歯の表面が黄ばんでしまって、凹凸もできてしまう……。もしかしたら、それは「酸蝕歯(さんしょくし)」かも。

 歯磨きしていても、歯が次第に黄ばんで溶けてくる!

「酸蝕歯」と聞いてもピンとこない人も多いのでは? 文字通り、歯が酸によって溶けていく状態のことを言う。

「歯の表面は本来エナメル質に覆われ、さまざまな刺激から保護されています。元来、エナメル質は体の中では非常に強い物質なのですが、酸にだけは弱い性質を持っています。酸によって、歯のエナメル質が溶けると、その下にある象牙質が表に出てきます。この象牙質は白くなく黄色っぽい色をしているため、歯の表面が黄ばんだ状態に見えるわけです。これが酸蝕歯の状態です。さらに、この酸蝕歯は歯の表面だけでなく、歯を溶かすので歯の形も変えてしまいます。歯が短くなったり、いびつになることも。また、それにより噛み合わせにも影響が出ることがあります」と言うのは歯科医で、青山ホワイテリア院長の大谷珠美先生。

酸蝕歯は見た目はもちろん、さまざまな不具合が歯に表れると指摘。しかも、虫歯と違って痛みが伴わないことも多いため、進行しているのに気づかないという人も少なくないとも。

「知覚過敏などの症状が出る人もいますが、意外と気づいていない人も多いですね。歯の黄ばみが強くなって、ホワイトニングを希望して来院されて酸蝕歯が見つかる方も多いです。でも残念なのですが、酸蝕歯が進行すると歯のホワイトニングができなくなってしまうのです。しかも虫歯の治療などで通っている歯科医だと、指摘されないケースも少なくありません。気になる方は自由診療になりますが、審美治療をしている歯科医で、歯の状態などを見てもらうといいかもしれませんね」


問題は「酸」が多い食事。ヘルシーフードの「食べ方」を見直して!

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この酸蝕歯、圧倒的になりやすいのは女性だと大谷先生は指摘。しかも、ヘルシー志向の“意識高い系の女性”に多い傾向があると言う。

「酸蝕歯は、口腔内の酸の量が深く関与しています。これは食べ物に含まれる酸が影響するためです。酸が多い食事は炭酸飲料、クエン酸などを含むスポーツドリンク、柑橘系のフルーツ、お酢を使った食べ物やドリンク、ワインなど。よく考えると、ダイエット意識や健康意識が高い女性が好む食べ物に多く含まれているのです。ポリフェノールが多く含まれるからとワインを飲みながら、スウィーツよりヘルシーだからとドライフルーツを前歯でちびちびしゃぶりながら飲む習慣があると、前歯は次第に溶けていく可能性が高くなります」

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酸蝕歯になった歯。歯の縁が溶けていたり、

歯が薄くなっていることが分かる。画像提供:青山ホワイテリア

 

「特にスポーツシーンでは歯を食いしばることも多いので、この酸蝕歯を加速させてしまうことも。クエン酸などが入ったスポーツドリンクや炭酸を飲みながらランニングやトレーニングをすれば前歯だけではなく、噛み締めている奥歯も悪影響が出てしまうこともあるのです。キレイのために頑張っていることが、実は歯のためには逆効果になってしまう。この現実をしっかり知ることが大事です」


酸蝕歯を予防するには? 答えは「口の中に酸を溜めない工夫」だった!

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では、酸蝕歯予防はどうしたらいいの?

「酸を口の中にいつまでもとどまらせないように工夫するといいでしょう。例えばワインを飲むときにはチェーサーを用意して、ワインと水を交互に飲んで口の中の酸を洗い流すようにしましょう。ドライフルーツや梅干などを食べたときも、口をすすぐといいでしょう。また、食べてすぐの歯磨きは酸で歯の表面が傷みやすくなっているのでオススメしません。食後すぐは口をすすぐ程度で、歯磨きは30分後ぐらいを目安にするといいでしょう。

また奥歯などに酸蝕歯がある人は食事だけではなく、逆流性胃腸炎などが影響している場合もあります。胃酸が逆流して、それが奥歯に悪影響を及ぼしてしまうこともあるのです。こうした症状がある人は胃腸のケアとともに、歯の状態も一度診てもらうといいかもしれませんね」

 

体や健康のために摂っていたフードや、親しい人との楽しいお酒のひと時が歯へのダメージと変換されないためにも、正しい知識とちょっとしたコツで、未来までキラリと光る白い歯をしっかりと守って。

Photo:Getty Images Text:Manabi Ito

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