一方では、中鎖脂肪酸などの飽和脂肪酸が体に悪いという意見もある。アメリカ心臓協会(American Heart Association)は長年、「飽和脂肪酸は心臓病のリスクを高める」と人々に注意を呼びかけているが、しかしながらイギリスのスポーツ医学雑誌『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ(British Journal of Sports)』が2017年4月に掲載した論文では、「飽和脂肪酸が血管を塞ぐことはない」と主張。それに2004年に国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information、NCBI)が閉経後に冠状動脈疾患(CHD)を患った女性を対象に実施した研究でも、「飽和脂肪酸を多く摂取している人の方がアテローム性動脈硬化の進行が遅く、炭水化物や多価不飽和脂肪酸を多く摂取している人の方がアテローム性動脈硬化の進行が早い」と報告されている。